俺の妹はヤンデレでした

繭月

6話

「あー疲れたー」
HRの終わりとともに部活に行く人や家に帰る人教室に残って談笑している人がいる
まあ俺は談笑する相手がいないし部活にも入ってないし入る予定もないので直帰コースである
「葵、一緒に帰ろーぜ」
「いいけどお前はいいの?」
「は?なんで?俺が誘ってるのになんで俺が行けないみたいに言ってんだ?」
まあたしかに誘っておいて無理なんて言えないだろうけど・・・
俺は隆盛の隣であきらかに不機嫌そうに顔を赤くして隆盛を睨んでいる柏木さんをチラッと見る
この様子だと隆盛と二人で帰る約束でもしてたのだろうか?もしそうだったら俺は邪魔者ではないのか?
一応昼休みに少しだけ話はしたし昔あったことがあるとはいえ今日一日柏木さんと隆盛は仲よさそうだった。もしかしたら柏木さんが隆盛に対して好意を持っているのかもしれない。逆は・・・ないな。
まあ隆盛のことはどうでもいいとして柏木さんがもしそうだとしたらここは空気を読んだ方がいい気がするぞ。 
「いや、やっぱり俺瑞樹たちと帰る約束してるから先に帰っててくれていいぞ」
瑞樹たちと一緒に帰る約束などないが一応二人にしてやろう
しかし隆盛はなぜか食い下がってきた
「そう。なら俺たちも待つよ」
「えっと、柏木さんはそれでいいの?」
隆盛に言っても意味がないと察した俺は柏木さんに尋ねると
「私もそれでいい」
「はぁ・・・」
柏木さんがいいと言うなら俺もいいのだけど・・・
ちょうどそのとき瑞樹と翠が教室に入ってきた
「おまたせお兄ちゃん」
「おまたせ葵」
ん?俺は瑞樹たちと帰る約束なんかしてないんだけど・・・まぁいいか
「お兄ちゃんその人誰?」
瑞樹は俺たちの後ろにいる柏木さんに気づいたらしくなぜか怒気の混ざった声で聞いてくる・・・初対面だよな?
「えっと、俺たちと同じクラスの柏木さん」
「柏木 楓です。よろしくね」
柏木さんが瑞樹に手を出す
お兄ちゃん星原 葵の妹の星原 瑞樹です。よろしく」
「葵と瑞樹ちゃんの幼馴染の双葉翠よ。よろしくね楓ちゃん」
それに答える瑞樹と翠。俺は二人をこそっと呼んで二人に俺の考えていたこと(柏木さんが隆盛に好意を抱いているんじゃないかということ)をこそっと話した。これはまだ俺の想像なのであまり言いふらす気はないが信用できる二人なら隆盛と柏木さんをくっつけるのに協力してくれるかもしれない
「・・・わかった」
「私たちも手伝うよ」
二人の了承を得られたので今度一度作戦会議でもしようと思う







〈星原 瑞樹〉
「翠ちゃんはどう思う?」
帰宅途中お兄ちゃんと隆盛さんと楓ちゃんが談笑しているすきに私は隣の翠ちゃんに尋ねる
「今日はチラチラ隆盛を見てるからきっと何か伝えたいことがあると思う」
「そうだね。もしかしたらお兄ちゃんそっち系かもしれない」
「なら矯正してあげなきゃね」
「うん。・・・じゃなくて!」
「あれ葵のことじゃなかった?」
わざとらしく舌をちろっとみせてくる
「違うよ!楓ちゃんのことだよ」
ほかの三人には聞こえないように言うと
「ああ、可愛いよね。楓ちゃん」
「お兄ちゃんに聞いた話では隆盛さんに対して好意を持ってるって聞いたのにさっきから見てたら明らかにお兄ちゃんに対して好意をもってるよ!」
お兄ちゃんと話すとき少し頰を赤く染めて嬉しそうに話しているのを何度も見ている
「そうだね、私もそう思うよ。まぁ葵ちょっと鈍感だからね」
「ちょっとどころじゃないよ!わざとやってるのって思うくらいだもん!」
お兄ちゃんの鈍感さにはいつも呆れている。まぁ私がお兄ちゃんを好きって気づかれるのはまだちょっとだけ恥ずかしいけど、それでもそろそろ気づいて欲しいとは思う
「ねえ翠ちゃん。どうする?」
「うーん。今は時期を待って楓ちゃんが行動に移そうとしたらこちらも動くってのはどうかな?」
「・・・それまで我慢?」
「まぁ流石に今すぐは・・・」
「わかった」
「それに隆盛に楓ちゃんをくっつければ葵と帰る時とか二人で帰る確率が高くなるよ。もちろん私も」
その瞬間に私の頭の中ではどうやって楓ちゃんをお兄ちゃんから遠ざけるかではなく隆盛さんとくっつけるか考え始めた
「あ、私こっちだから」
いつのまにか私たちは朝隆盛さんと待ち合わせした公園の前に立っていた
「へー、隆盛と同じ方向なんだ」
「へへ、羨ましいか?なんならこっちから帰ってもいいぞ。たしかこっちからも少し遠回りになるくらいだろ?」
「うんそうだけど・・・」
お兄ちゃんはチラッと楓ちゃんに視線を送って
「遠慮しとくよ。あ、でも隆盛ちょっといいか?」
そう言って隆盛さんと二人公園の中に入っていった
「なに話してるのかなぁ?」
「さあ?でも葵が隆盛に用事って珍しいね」
「うん・・・」
「気になる?」
「うん!」
「帰って聞いてみれば?」
「そうしてみます」
「それじゃあ帰ろうぜ」
「ひゃっ!」
いつのまにか隆盛さんと話し終えたのかお兄ちゃんが目の前にいたので驚いてしまった
「どうかしたか?」
「い、いやなんでもないよ。それじゃあまたね楓ちゃん」
「じゃあね瑞樹ちゃん、翠ちゃん、・・・葵」
楓ちゃんは顔を紅く染めて私たちとは別の方向に進んで行った
お兄ちゃんを名前呼びなんて!
「なんか俺嫌われない?最後名前付け足した感満載じゃなかった?」
・・・さすがお兄ちゃんここまでくるともういっそ呆れるよ
「それじゃあ私たちも帰ろっか」
翠ちゃんの言葉でようやく私たちは動き始めた




〈星原 葵〉
家につくと俺は部屋に困り隆盛に相談したことを考える

〈公園〉
「それで、葵が俺になんのよう?」
「いやこんなこと聞くのはあれだけどさ・・・瑞樹ってブラコン?」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・いやなんか反応してくれよ ︎」
「いや葵がそこに気づいてたとは思ってなくて・・・お前も気づいてだんだな」
隆盛はなにかを噛みしめるように目をつぶり頷いている
「その反応からするとやっぱりそうなのか!」
「まぁ気づいたなら仕方ないよなぁ。それでどうするんだ?」
「どうするってなにが?」
「いや瑞樹ちゃんの気持ちに応えるのか?」
「気持ち?・・・兄として妹に慕われるのは嬉しいことだよ」
「・・・え?それだけ?」
「それ以外になんかあるのか?」
「・・・」
「・・・」
「・・・葵ブラコンってなにか知ってるか?」
「それくらい俺だってアニメとかラノベだって読んでるんだから知ってるよ」
「じゃあブラコンってなんだ?」
なぜそんなことを聞いてくるたんだ?
「そんなの妹が兄を慕うこと以外になにがあるというんだ?」
「まぁ間違ってはいないけど瑞樹ちゃんの場合は重度のブラコンというか・・・ヤンデレ?」
「なんか言ったか?」
最後の部分だけ明らかに声が小さくなっている
「いやなんでもないよ。あ、でも忠告。瑞樹ちゃんと翠にはあまり変なこと言うなよ色々と危ないから。特に俺が」
「なんでお前が危ないんだ?」
「それは聞こえるのな ︎・・・そろそろ待たせるのも悪いし行こうぜ」
「あ、ちょっと待って最後に一つ。瑞樹がブラコンとして、周りからの評価が下がるってことはあるか?」
これは瑞樹の兄としてブラコンが瑞樹にもし悪い影響があるのであれば今のうちから更生させておいた方がいいと思う
俺が隆盛の答えを待っていると
「まぁブラコンは周りからしたら異常だからな。特に瑞樹ちゃんは可愛いから周りとしても面白くないだろう」
「・・・わかった。サンキューな」
「おう、また相談には乗るぜ!特に恋愛相談ならなおさらな」

「はあ・・・やっぱり瑞樹ブラコンだったのか」
隆盛との会話を思い出してため息が溢れる
それにしても瑞樹がブラコンだったなんて全く気づかなかったな
「どうやって更生させるかなぁ」
俺は一人悶々とした状態で考える。夕飯前に少し瑞樹と話しておきたいな
俺は重い瞼を閉じて眠りにつく



目を覚ますと窓のから光が入ってきていないのに気づいた
「やばい寝すぎた・・・」
瑞樹が起こしに来ていないのでまだ夕飯前ではあると思うけど瑞樹と話す時間がない
夕飯食べたらそれぞれ自分たちのやりたいことをやる時間としているのであまり瑞樹の自由な時間を奪いたくはない
「まぁ食べながらでも話せばいいか」
俺が妥協案を考えたとき階下から瑞樹の声が聞こえた
「お兄ちゃんー。ご飯だよー」
「わかったー。今行くー」
はあなんか嫌な予感がする。でも瑞樹のためだから我慢するか


「お兄ちゃんどうかした?」
俺は瑞樹の作ってくれた料理を食べていると向かいに座っている瑞樹に聞かれた
「なんで?」
「さっきから全然お箸が動いてないから」
俺はそんなに出やすいタイプだったかな?
「何か相談なら話しを聞くよ?」
せっかく瑞樹から話しを聞くと言われたんだこのタイミングで聞くとしよう
・・・あれ?俺はなんて聞こうと思ってたんだけっけ?まさか妹にお前ブラコンか?なんて聞けないし・・・
あ、そうだ!瑞樹にブラコンとか聞く必要なく、かつ俺には瑞樹を異性としては見ていないということをわからせればいいんだ
俺は瑞樹の目をしっかり見て

「俺好きな人ができたんだ」


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コメント

  • アキ

    「目を覚ますと窓のから 」になってます

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