魔法が使えるのはそんなにもおかしいことだろうか。

満月ノ林檎

9話 復帰。そして報酬

目が覚めるとベッドの上にいた。

「あれ……たしか俺…オーガと戦って…」

自身の記憶を口に出しながら思い出す。

「あ…目がさめましたか?」

目の前にいるのは冒険者ギルドにいたお姉さんだった。

「オーガを倒して瀕死の状態の貴方を二人の女の子がおぶって帰ってきたの。それでこのギルドの医療室に運んだの。」

現状を把握する。どうやら俺は切り札をつかって倒れたようだ。

「あのっ!仲間は無事ですか!?それと俺。どれくらい気を失っていたんですか!?」

「はい。二人とも無事です。それとあなたはあの戦った日の夜から寝て、いまお昼です。」

なるほど随分長く寝ていたようだ。

「にしても、驚きましたよ。レベル3でオーガを倒すなんて……まるでかの英雄剣士【アレクス】のようです。それに、あの一緒にいた魔道士の方はかの有名閃光の魔道士ことレフィーネさんじゃないですか」

「なっ!?レフィってそんなにすごいやつなのか!?」

「はい。魔道士の中でもなかなかのルーキーです。」

新しく告げられた事実に少々驚きを隠せずにいる。

「あの…そのアレクスってのは?」

「えっアレクスを知らないのですか?かつて魔王を討伐した伝説の英雄剣士です。今から数千年前になりますけどね。今ではおとぎ話として語り継がれています。」

「へ〜…そんなのもあるのねぇあ、そうだ!ドロップアイテム!」

そして急いで自分のストレージを確認してアイテム欄をみる。そこには鬼の鋭頂角と表記されたアイテムがある。

「あの…これは…?」

と、そのギルドのお姉さんに見せてみる。

「こ、これは…オーガのドロップアイテムですね…それも部位破壊報酬。これからはいい武器が作れるんですよ。」

「おお〜じゃあこれでやっと新しい剣が作れるな!」

そう叫び喜んだ。すると、ドアが開いた。

「あ、晴夜起きてる〜大丈夫〜?」

「あ、ああ…まぁな…」

「ねぇねぇ…私に何か言うことない?ほら折れた腕治して下さりありがとうございますとかさぁ?」

こいつの発言には心底腹が立つ。ぶん殴ってやろうとも思ったが治してくれたことには変わりない。

「ああ…ありがとうな。」

「ちょ…そんなに真面目に言われてもねぇ…あ、そうそう!レフィも来てるわよ。あと新しいパーティメンバーが増えたわ!たしか職は……ランサーの筈よ」

「おおお!!ついに四人か!!」

換気の声を上げベッドから飛び起きる。

するとギルドのお姉さんが

「お、お体は大丈夫ですか!?」

と心配そうに声をかけてくる。だが実際痛みはないので

「ああ。大丈夫だ」

と返しておく。

「よし…じゃあアル。ギルドの集会場に行くか。」

「ういーっす。」





「えーっとこちらが新しいパーティメンバーです!」

「どうも。ランサーのアリアです。今日からよろしくお願いします〜!」

来たのは緑色こ髪をした背の高い女の子であった。俺と同じくらいの背である。にしても……
でかい。  サイズは分からないがでかい。

「ちょっと〜晴夜さん〜?め〜せ〜ん〜が〜」

アルの声で目が覚めた。そうだ。何もでかいからいいのではない。貧乳も悪くない!

「ああ!よろしくな。それで、今回はいきなりダンジョンに行こうと思うんだがいいかい?」

「ああ!別に構わん!」

威勢のいい声を高々と上げる凛々しいランサーが仲間に加わったか…いい感じに俺のパーティも仕上がってきたと心の中で小さな歓喜を上げる。 

「じゃあその前におれはこのオーガの素材を使って新しい剣を作ってくるよしばらく待っててくれ。」

「うい」

「分かりました!」

「ああ!」



鍛冶屋にて…

「ほほう……使うのはこの角か……」

「ああ。おっちゃん片手剣で頼むよ。」

「よしっ任せろ!」

鍛冶屋で新しい剣を新調してもらう。

心地よい金槌の音が何度も聞こえる。

10回

20回

50回ときこえてようやく音が途切れる。

「よし。できたぞ。」

そして出来上がった剣のステータスを見る

名前は【オーガ・エッジ】攻撃力が前の剣の数倍はある。

とてつもない名剣だ。

「おっちゃんありがとう!!」

「フン…せいぜい頑張れよ。」

そして仲間たちのもとへともどる。

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