戦闘員No.25の活動日誌

とろろこんぶ

こたつ

いつもの208号室。いつもの3人。しかし今日は明らかに違うものが部屋に存在していた。

「こ、これはー!」
総督が身体を震わせた。ドクターも目を見開いている。俺はニヤリと笑った。想像通りの反応だ。

「まさか、ニコがこれを?」
「まあな。」
「なんということだ…。こんな物が組織に鎮座されるなんて、前代未聞だぞ。」
「でも役に立つぞ。」

少なくとも部屋の隅に飾られた謎のこけしシリーズよりかは。

「これは、文献でしか見た事がないね…。ニコ君、やるね。」
「う、うむ!でかしたぞニコ!入っていいですか!」

構いませんよ。
俺が用意したもの、それは…こたつだ。こたつはいい。一期間しか現れないという貴重さとか、昔ながらのフォルムとか、上に乗ったみかんとか。まさに冬の醍醐味だ。

「あー…あったかい…。」

総督が早速入ってとろけている。ドクターも気に入った様子だ。俺はみかんを机にピラミッド上に並べ、自分も中に入った。あったかい。

「そだ、トランプしよ。トランプ。」
「いいねえ。私、ダウトがしたいな。」
「3人でかよ」

こたつの1番いい所は、距離が近いことだとそう思った。

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