俺と彼女

池田 智之

俺と彼女2 〜事故〜

 俺と彼女いや、みわは今日付き合った。昼休みが終わり、2人で教室に戻った。みわと授業中何度か目が合って俺もみわも照れてすぐ目をそらした。
 付き合ってから三日経った頃、みわは俺のことについてみんなに聞かれたらしい。みわは俺のことを恥ずかしそうに話した。みわの話したことをみんな嘘だと思っていた。けど、みわの表情からすると本当だとみんな理解してくれたらしい。2人きりの時俺はみわに俺のこと、なんて伝えたか聞くとみわは顔を赤らめ
「優しくてちょっと甘えん坊でかっこいい人だよ。」
と伝えられ、俺は耳まで赤くなりみわにリンゴみたいだと言われ、俺ら後ろを向き顔を隠した。みわはそれを見て
「後、可愛いところも多いね。」
と言ってきた。俺は顔を隠しながら
「ほっとけ」
と照れ隠せてない割に伝えた。俺はこの時、あんなことが起こるなんて思いもしなかった。
 次の日、俺はみわと学校前でたまたま出会い、一緒に教室まで行くことにした。俺とみわと遊びに行く予定を立てて、俺もみわもワクワクしていた。授業が始まり、俺は窓の方に目を向けるとあんなにあった桜の花は散り、緑の葉に変わっていた。気がつくと昼休みになっていた。俺はずっと、ぼーっとしていた。最近弁当はみわと食べることにしている。弁当を食べ教室に戻り、授業が始まるとまた窓の方に目を向けた。みわとの思い出を思い返していた。やっぱりあの告白のときが一番驚き、嬉しかったと思っていると授業が2コマも終わっていて、終礼が始まっていた。俺はみわと一緒に帰る約束をしていた。俺はこの状況に浮かれていてみわを守れる自信があった。俺はみわと帰っていると、急にみわが止まって横を見ながら走ってきた。俺は横を見るとすぐ近くに車がせまってきていた。俺はギリギリのところで車から逃れることができた。みわが俺を助けてくれた。けれど、みわは…。俺はすぐにみわの元へ駆け寄り、声をかけたがみわの頭部からは血が出ていて俺はテンパった。こういう状況になると人は何もできないということを知った。俺は必死で助けを呼ぶことしかできなかった。誰かが救急車を呼んでくれて、少しすると救急車が到着しらみわを乗せた。俺は乗ったがただみわの手を握ってやることしかできなかった。それがとても悔しい。それ以上に自分の不甲斐なさと悲しみがあった。俺は神様にすがった。俺はどうなっても耐えるからみわだけは助けてほしいと願った。救急車が病院に着くと、すぐに緊急手術が始まった。俺はすぐ近くのソファーで待っていることしかできなかった。手術が始まって5分たった頃にみわの両親が走ってやってきた。俺はみわの両親にすぐに謝りに行った。俺は
「すみませんでした。僕がみわさんと話すことに夢中になっていて車が来ていることに気がつかなくて…。本当にすみませんでした。」
と謝ると、みわのお母さんは
「あなたのことはみわから聞いているわ。あなたがみわとなによしようが私たちは干渉しないわ。でも、こういうことは許せない。相手の運転手が悪いってことは聞いたけれど、もう少しあなたが気を配っていれば…。とりあえず今日はもう帰って」
と言われた。俺は帰るしかなかった。俺は最後に深く頭を下げて謝り帰った。俺はみわのお母さんの言葉が胸に刺さっていた。俺はあの一瞬・ひとときを後悔した。俺は気がつくと家の前にいた。病院から家までどうやって帰ってきたのか全くわからなかった。俺は家に入ると自分の部屋のベッドに直行した。俺は一人泣きまくった。
 次の日はたまたま祝日で学校がなかったから昼過ぎにみわに会いに行くことにした。みわにあの時の感謝と謝罪をちゃんと伝えたかった。病院に行く前にきちんとみわの両親に言われたことを胸に刻み、病院に向かった。病室には、みわの両親が既にいて奥にはみわがベッドに座り笑っていた。俺は病室に入り、みわの両親に挨拶をして、みわに話しかけた。けれど、みわから予想外の返事が返ってきた。その返事に俺もみわの両親も驚いていた。俺よりも先にみわのお父さんが
「本当に言っているのか?」
と聞いてくれた。みわは
「本当だよ。私の名前知ってるってことはどこかで会ったことあるのかな?とりあえず誰?」
と言われ、俺の心は動揺して目は泳ぎまくっていた。俺は
「すいません。喉乾いちゃったからジュース買ってきます」
と伝え足早に病室を出た。俺は休憩ルームに足を運んだ。俺がいなくなった病室ではみわは首を傾げ、みわのお母さんは状況を理解するのに時間がかかっていた。唯一みわのお父さんだけが理解していて俺を追いかけてきた。みわのお父さんは俺を探すためにたくさんの場所を走り回った。みわのお父さんは俺を見つけると速度を緩め近づいてきた。みわのお父さんは俺に
「私はこのまま、君との思い出を忘れたままでもいいのかもしれないと思っていた。けれど、私も妻・みわのお母さんも君と付き合うことになってからみわが見せるようになったあの笑顔が見たい。だから私達も協力するからみわの記憶を取り戻すことを諦めないでほしい」
と言われそして頭を下げられた。俺は
「絶対に取り戻しますから頭をあげてください。お父さん。」
と自分の決意をみわのお父さんにちゃんと伝えた。病室前でみわのお父さんはみわのお母さんに伝えてくれ、二人は元気を出して頑張ろうと決めた。

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