三つ子と三つ子

しゃどー

三つ子と三つ子 2話

            
私は、如月きさらぎ姫水ひすい

今は、8歳。そして、今の状況をよく理解していない。
お母さんが泣きながら抱きしめてくれたことは覚えている。
だけど知らない人から、新しいお母さんだの、
兄妹だのとよく分からないことを言っていた。
家に入らされ、3人の男の子が立っていた。
…どこかで会ったような…。
「…覚えてないかな?おばさんのこと。あ、この男の子達は、君たちのいとこなんだよ。」
「いとこ…?」
長女の紅希あき姉さんが言った。
「うん!私は君たちのお母さん…の妹。だから君たちとこの子たちは、いとこ同士なのよ!」
笑顔で言った。
「そして、私のことは今日からお母さんと呼んでね!」
「お母さん…。」
三女の桃瑚ももこが呟いた。
そして、泣き始めた。
「うぇーん、お、おかあさーん!!うっ、うっ…」
「桃瑚っ…!よしよし。大丈夫だよ。」
泣き始めた桃瑚を紅希姉さんが撫でていた。
「…桃瑚っ。向こうにお人形さんがいっぱいあるよ!そこでみんなで遊ぼっか!」
「ふぇ…?おにんぎょー?」
お母さんが桃瑚を抱き上げどこかへ連れていった。
私と紅希姉さんもついて行った。
連れていかれた部屋に行くと、おもちゃや人形
おままごとセットなどがたくさんあった。
「うわぁー!!おにんぎょー!!」
桃瑚は目を輝かせて行った。
「桃瑚ー待ってぇ!」
紅希姉さんも走って追いかけた。
私はその場でじっとしていた。
「姫水ちゃんは行かないの?」
お母さんが言ってきた。
「私、おにんぎょー興味ない。」
「そっか。じゃあ私はおやつ作ってくるね。分からないことがあったらあの子たちに聞いてね。」
「うん。」

私は、そこら辺にある本をテキトーに読んでいた。
「おい、お前!」
「…?」
男の子3人が言ってきた。
「名前なんてゆうんだ!」
「姫水だよ。」
「ひすいか…。俺は、灰星かいせいだ!よろしくな!ひすい!」
「うん…。よろしく…。」
元気なやつだな…。
「はいはーい!俺俺!!俺はねー裕緑ゆうりだよー!!」
こいつも元気だ…。
「……紫響しおん…。」
こいつは静かだ。
「何してるのー?」
紅希姉さんと桃瑚が来た。
「お前らは名前なんてゆーの?」
灰星が言った。
「私、桃瑚ぉ!!!」 
「紅希です。よろしくお願いします。」
「おう!よろしくな!!」
「さぁ、おやつ持ってきたわよ!って、あら?もう仲良くなったの?ふふ、よかったぁ!おやつお食べ。」
「わーい!」
「みんなは六つ子よ、だから、
灰星、紅希、紫響、姫水、裕緑、桃瑚の順番よ!」
「俺、いちばんうえぇ?!」
「そうよ!三つ子の時も一番上だったでしょ。」
「そっか!!!」

なんだか、久しぶりに笑ったような気がする。
『お兄ちゃん』が出来てうれしい、兄妹が増えてうれしい。
そんな感じかな…?

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