能力しかないこの世界で

卯月色

ようこそ!

 国次はそれを見て攻撃するのを辞めた。そして満面の笑みで、
「ようこそ!我が共存軍へ!」
  大きな声でそう言った。
「…へ?」
  困惑している和斗に国次は言った。
「君には特別な能力がある、言わば有能力者だ。君の能力はそう、集中力だ。自分が危機に陥った時にとんでもない集中力を発揮し、物事がまるでゆっくりになったようになる。だがそれは逆だ。君の脳がとんでもない集中をして、通常の何倍ものスピードで頭が回転する。」
  得意そうに話す国次に和斗はある疑問を覚える。
「ということは国次にも能力はあるのか?」
「ああ、あるよ。俺の能力は足だ。」
「足?」
「まあそこら辺の話もアジトでするよ。」
  和斗の手を国次は引っ張りどこかに連れていく。
「お、おい!」
  そんな和斗の声を気にせずに国次はある教会に連れていった。
「ここが俺達共存軍のアジトだ。」
  そこは小さな教会だった。小さいけれども綺麗な協会がぽつんとそこにあった。ギィィィと言って開いた扉には二人の人間がいた。
「ようこそ、柊さん。」
  女性の牧師の格好をした人が穏やかな声で話した。
  (この女性どこかで…)
  和斗はそう思った。そう思っただけなのだが、
「ええ、私は国次の姉の桜吹雪 鈴音(さくらふぶき すずね)です。」
  (喋って無いのにどうして!?)
「ああ、それは何となくです。」
  (何となく…?)
「ふふふっ…」
  その女性が微笑んでいるとその後ろから少し背の低い幼い顔立ちの女性がでてきた。
「ここでの立ち話も何なのでそこの椅子とテーブルにお座り下さい。料理も作ってありますから。」
その女性は顔立ちからは思えない大人びた声を発する。そのテーブルを見ると、ピザやパスタやサラダ、アップルパイなどがあった。
「わぁ!美味しそう!」
しばらく食べ物と呼べるか怪しいものしか食べてなかった和斗は大喜びで食べ物に食いつく。
「美味しい!美味しい!」
  あまりの美味さに感激して食べている和斗に国次は話した。

コメント

  • #裏垢女子

    にえ

    1
  • 卯月色

    お!察しが良いですね!正解ですよ!この人の前で変な事想像したら筒抜けですよ(笑)
    四話は19時更新しますのでしばしお待ちを!

    1
  • 柏崎権三

    お姉さんの能力は人の思ってる事を見抜ける能力ですかね!?エッチな事考えたらすぐにバレそう(笑)
    4話まってます!

    1
コメントを書く

「現代アクション」の人気作品

書籍化作品