彼女と姉との物語

時雨 S

1話

「おはよう、調子はどう 優ちゃん?」
と陽気な声で起こしてくれるのは、僕の姉 矢ケ崎桜だ。
「あぁ、おはよう姉さん、今日も元気だよ。それに、もう高校生なんだから優ちゃんはやめてよ」
と姉さんの質問に答えるのは、この物語の主人公、矢ケ崎優人だ。
「朝食出来てるから、早く降りて来てね」
「うん 分かった」
と答え着替えを済ませてリビングへ。

僕の家は僕と姉さんの二人暮らしだ。
両親は、僕が幼い頃に自動車を運転していて
酒に酔っていた相手の車と衝突してしまい、
死んでしまった。
それからずっと姉さんと暮らしている。

僕は今年から星咲高校に入学した一年生だ。
姉さんは星咲高校三年生で文芸部の部長をやっていて、後輩から良く慕われている。

「じゃあ今日は一緒に学校行こうか」
と姉さんが誘ってくるが、
「ごめん、今日も先行ってて」
と謝りながら急いで自分の部屋に戻った。
「何で、最近はいつも一緒に行ってくれないのー!?」
と大声で言ってきた。
『僕だって姉さんと行きたいけど、周りの男子の視線が痛いんだよ。』
と心の中で呟いた。

「じゃあ先行ってるねー」
と姉さんが出ていったのを見て、用意を始めた。
姉さんが出ていって15分後に僕も出た。
学校に着くといつも通りに玄関に行き、靴を交換して教室へ行くのだが、今日は違った。

いつも通りに下駄箱を開けると、靴と一緒に一枚の手紙が目に入った。
「えぇーーー!?」
僕は驚きのあまり大声を出してしまった。
何人かこちらを不思議そうに見ていたが、
少しして元に戻った。

少し経って、中身を見てみる事にした。
中を見ると一枚の便箋が入っていた。
《今日の放課後、
    体育館裏で待ってます。
    必ず来てくださいお願いします。》
と書いてあった。
これを見て思考が停止してしまった。
『あれ、これラブレターじゃね?』
とそれからその日の授業はずっとそのラブレターのことだけを考えれていた。


続きは水曜日以降になってしまうかもしれません。
すいません

コメント

  • 中嶋 春貴

    ^^

    2
コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品