魔法適性ゼロの俺がおくる学園生活

櫂真

人知れず、仕事が始まる

現在、伯、蓮、真奈は取引が行われている倉庫の二つ隣の倉庫にいる。
 3人は、上に登り窓から目標地点を見ている。
 優と真耶は、伯たちのすぐそばにいる。
 『んじゃ、は~じ~めーる~よ~。』
 『了解』
 真奈の合図で全員、得物に手をかける。
 『あの~、僕は何を?』
 蓮が問うと、
 『あのね~、見張りがね、2人いるでしょ。私がぁ右を撃つから~、蓮君は左の方をお願い。あとね~、真耶ちゃんたちがぁ、すぐに突入しやすいように~、ヘッドショットでお願いね。』
 『分かりました』
 蓮は、ふう~っと、空気を吸い、照準器に目を当て、狙いを定める。
 蓮は、緊張で手が震えていた
 それを見て、真奈が、
 「大丈夫、あなたが何か間違っても、みんながそれをカバーする。それぞれが助け合う。それがチームなの。あなたは初めてだから、怖いかもしれないけど、集中して。大丈夫。今は撃つことだけに、目の前のことだけに集中するの。撃った後の事は、私たち、“先輩”がなんとかするから。」
 真奈は、連の背中に手を置き、『声』をかける。
 蓮の中に真奈の言葉がストンと、入り込んだ気がした。
 「ありがとうございます。」
 「いいよ。別に、それじゃ、ほんとに行くよ。」
 「はい。」
 真奈も照準器を覗き、狙いを定める。
 『私の合図に合わせて、撃つよ。3…2…1…、ファイヤ!!』
 その瞬間、銃声がパァン、と倉庫一体に鳴り響く。
 見張り2人は倒れており、頭から血が流れており、ビクン、ビクンと痙攣をしている。
 『見張り2人やったよぉ。』
 『オーケーよ。それじゃ行ってくる。』
 優たちが倉庫の中に入るのを見て、蓮は
 「ふうぅぅぅぅ。」
 深呼吸をしていた。
 うまく初仕事ができたのは、真奈のアドバイスのおかげだと思い、蓮は礼を言おうと真奈の方に向いた。
 「真奈先輩、ほんとにありがえええええええええ!」
 蓮は、礼を言う途中で驚いてしまい、思わず声を上げてしまった。
 と、言うのも
 「なんで真奈先輩、伯先輩を抱きしめているんですか?」
 真奈が伯を背後から抱きしめているからだ。
 「どうしてなのかって~?しないといけないことだからだよ。」
 「え?どういうこtー」
 蓮が聞き返そうとしたら、ーざわっと背中に寒気が走った。
 蓮の中から何かが伯に、吸い込まれるような、そんな感覚がした。
 「な、何ですか、今の?」
 「ああ、すまない。蓮、終わったら説明する。今は真奈と待機していてくれ。真奈、蓮を頼む。」
 「はいは~い。蓮君、待ってよ~ね~。飴ちゃん食べる~?」
 伯は、真奈、蓮を尻目に倉庫の窓から飛び降りていく。
 「…。」
 蓮は、展開が急すぎてついていけなかった。
 「もう少し、こちらに話振ったり、僕の感想とか、言う時間があってもいいんじゃ?」
 「ん~?ま、そこはご愛敬。そろそろ展開変えないとね~。」 




 ー時間をほんの少しだけさかのぼる
 優と真耶は目的の倉庫まであと150mのところで待機していた。
 優は日本刀、真耶は両手両足にアーマーをつけて、静かに空気と化していた。
 「んね、リーダー。あの新人大丈夫かな。」
 「蓮がどうしたの?」
 「いや、初日にいきなり実戦って。」
 「ん~大丈夫じゃないかしら?伯は中途半端な人は仕事にださないだろうし。良いんじゃない?何かあれば、私たちがフォローすればいいし。」
 「いや、さっすがに出会って数分じゃ、腕のいい悪いは分からないんじゃ?ま、フォローするけど。」
 『んじゃ、は~じめーるよ~。』
 「真耶、準備いい?」
 「おっけー。」
 優は柄に手を掛け、真耶は構える。
 パァンと、銃声が鳴り響く。
 その瞬間、優は走り出し、倉庫のドアを真っ二つに切る。
 ズシャァァァと、重い音が鳴り響き壊れていく。
 「な、何だ!!何事なんだ!」
 「ハイハイ、失礼しま~す。申し訳ないけど、あなたたちにはー死んでもらいます。」
 暗闇の中でも分かるぐらい、目をギラギラさせる。
 いかにも、ごつく、スーツを着た大男と丸く、気が弱そうな男と奥にいるのを確認する。
 「おいおい、何だよ。立った1人でここに来たのか!随分、俺たちも舐められたものだな。」
 「ほれ、お前たち日頃金払ってる分、しっかり働きなさい。」
 そう言って、周りからたくさんの武装した男たちがワラワラ出てくる。
 一触即発とした空気だ。
 優は、上を指さす。
 その場にいた全員上を見る。
 そしてー
 ドガッ、バリィィィィン、ズガガガガガ、ドン!
 ー真耶が降ってきた。
 「ふう、疲れた。あ、リーダー、準備運動代わりに壁登ってきたよ。」
 「いや、入口あるから、そこから来なさいっていっつも言ってるのにこの子は。」
 「ただ、入るだけってつまらないじゃん。あ、こいつら今からヤればいいんでしょ?」
 数秒、周りがポカンと呆けるが、すぐにピリリとした空気が戻る。
 「ったく、何なんだよこいつら。おい、お前らすぐにそいつら締め出せ。」
 大男が命令を出す。
 男たちが、2人を囲む。
 「あらら、いい感じでヤりがいありそうじゃない?」
 「マジですか、リーダー?余裕でしょう?」
 「まあまあ、それじゃ仕事開始!」
 2人とも飛び出す。
 そこから、先は血の惨劇だった。
 優は、繰り出される殴りや蹴り、剣などを刀でいなし、そのまま隙が空いている脇の下、膝、首など関節を切っていく。
 真耶は、決して瞬きせず、攻撃を躱していく。止まらず、ステップを踏みながら相手の懐に入り、殴り、蹴りを殴打していく。その度に、腕が飛び、断末魔が聞こえ、体が破裂する。
 「な、な何だよ。こいつらほんとに、おい逃げるぞ。」
 「それは、私も賛成です。奥に、船を用意しているから早く行きましょう。」
 奥にいた2人が、カチカチと歯を鳴らし、逃げ出した行く。
 「ああ、逃げちゃった。」
 「まあ、いいんじゃない。どうせ私たちはその為の役割だし。」
 その倉庫内は、どんどん血の匂いが充満していく。




 「あ、やっと来た。」
 男2人が逃げた先には、ナイフを持った青年ー伯ーがいた。
 「おい、何だお前は?ここにいた俺の部下は?」
 「そうです。私の部下もいるはずです。」
 「ああ、そいつら、全員殺しといたよ。暇だったし。」
 辺りを見渡すと、血の海と化していた。
 「あとは、あんたたち殺せば終わるんだ。さっさと死んでくれ。」
 伯は、無表情で言う。
 2人は追い詰められていて行く。
 体中から冷や汗をだらだらと流し、顔が青くなっていく。
 「ま、待ってくれ!あ、そうだ!金ならいくらでも出すだから頼む見逃してくれ。」
 「そんなの関係ない。」
 「な、なら女ですか?地位ですか?私たち裏社会でも有名で…。何か欲しいものないんですか?なんでもいいですよ。」
 「だから、関係ない。お前たちが何者で、どんな事をしてきたかなんて興味ないし、恨みもない。」
 「だったら、何で俺たちをー」
 「仕事だから。」
 たった一言、そう告げる。
 「ま、まtー」
 言い切る前に、2人の首が飛ぶ。
 『目標クリア、今から戻ります』
 『伯、お疲れ様。私たちも今終わったわよ。』
 『ああ、いい運動になったわ。伯おつかれ。』
 『は~く。ちょっと待ってね~。今、蓮がねー』
 『うっぷ。すいません、ちょっ吐き気が…うえぇぇ。』
 わずか数分前に、人を殺していたとは思えない雰囲気だ。
 『連絡。今から掃除屋来るから、早く帰ってきて。』
 『あと、伯。取りこぼしあるよ。そこから八時の方向に2人意識あるやついるよ。しっかりとやらないと。』
 車にいる後援部隊からの連絡もきて、それぞれ動きだす。
 大きなワゴン車が血に染められた5人+2人を連れて走り出すのは、3分後だった。
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 ども、櫂真です。初めて書くバトルシーン、幼稚な文章ですいません。血で血を洗う、そんな場面に出くわしたこともなく、関わったこともないので非常に大変でした。
 全く関係ないですが、銃の勉強のためサバゲーの動画見たり、銃の射程や名前、各パーツの名前を調べています。もし、詳しい方いたら、おすすめのサイトを教えてください。
 では、ここらへんで。
 誤字脱字、意見、コメント等ありましたらお願いします。
 
 
 

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