赤無島

蕎麦田 次郎

最初の候補生

8月12日14時45分

俺は宮川を追いかけた。

待って下さい。

しかし、宮川は振り返る事なく、俺にこう言った。

宮川俺にも関わるな、巻き込みたくない。

いや、そもそも他人と関わるなって言ってるあなたが他人と関わろうとしていませんか?それにこのツアーが危険だとしたらなぜあなたは応募したのですか?

なぜ宮川が俺をかばうのか、なぜ宮川はここにいるのか、沢山の疑問が一気に浮かび上がった。
すると宮川はこっちを向いて声を張り上げた。

宮川応募?どういう事だ?健は自分の意思で参加したんじゃないのか?

俺はあの小森紗季って人から池袋でチラシを貰って応募したら当たっただけです。

宮川なるほどな、お前は何もわかってない。自分が候補生でこのツアーは最初から仕組まれていたって事。それだけだ。

仕組まれていた?俺は自分の意思で応募したんですよ?そんなはずないですよ。

宮川これは推測だが、もし健がそのチラシから応募しなくてもこのツアーに参加させられていたに違いない。このツアーは最初から仕組まれているからな。

はっきり言ってあなたが今一番怪しいですよ。変な事吹き込んでるだけにしか聞こえません。

宮川ま、信じないならそれでいい。俺は甲板で煙草吸うからまたあとでな。

そう言うと宮川は甲板へ向かった。

俺は宮川を信じたわけではないが、このツアーが本当に危険なのかどうか確かめたくなった。

レストランに戻った俺はそこであの観光ガイド、小森紗季を見つけた。

小森紗季はアイスコーヒーを飲んでいた。

こんにちは。小森さんですよね?

紗季あ、健君じゃない。って私の名前よくわかったね。

逆になんで俺の名前知ってるんですか?

紗季知りたい?

俺はうなずいた。

紗季じゃあ、船にも乗ったから教えてあげる。

紗季えーっとねぇ、その前に小森さんじゃなくて紗季でいいよ。

はい、紗季さんですね。

紗季あ、さんいらない。紗季でいいよ。あと、敬語使わなくていいから、ここじゃあ意味ないよ。

あ、じゃあ紗季、、、で。

紗季で、なんだっけ?

初めて会った時、なんで最初から俺の名前知っていたんですか?

紗季敬語いらないから、、、うーん、どっから話せばいいのかなぁ。

紗季は少し間を置いて話してくれた。

紗季名前を知っていたのは健君が、、、じゃない、健が候補生だから。

候補生?なんの候補生?

紗季秘密。

怪しいですよ、あなたは最初の候補生って聞きましたが、本当ですか?

紗季そうだけど、それって誰から聞いたの?

俺はしばらく黙っていた。

紗季うーん、健君は誰を信じる?

今の段階では誰も信用出来ないです。

紗季わかった。じゃあ私がなぜここにいるか話すわ。それと君がなぜここにいるのかも。

「赤無島」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ホラー」の人気作品

コメント

コメントを書く