【嫌われ体質】自覚したら最強?かも

久留米天狗

(153) 魔都にも迷い人

(153) 魔都にも迷い人***



時は、ギルドを出る前に戻る

「だから、復旧の依頼でパーティー『アンドレ・アルス』、だいすけ達の実力を知らしめて、魔都の冒険者だけでも間違った考えを正そうと考えている。魔都の冒険者が、認められれば…」
ベールートの話は続く

「だいすけ達を、ディレクション王国からの支援団として、プランテサンティス魔国と、ディレクション王国の関係を築きたいんだ」
「冒険者ギルドは、政治的なしがらみ、種族の偏見を持ってはいけないと思っている。」
「この考え方は、ディレクション王国の冒険者ギルド総統、王都センター冒険者ギルド本部のギルドマスター『コン・トロール=リモート』と同じだと思ってくれ」

そんなことをリモートも言っていたな(#65話参照)

「リモートに会った事が有るのか?」
「私がギルドマスターになる前にな。 人間界のディレクション王国へ行ったことが有る、リモート率いる冒険者達に敗れ、プランテサンティス魔国に冒険者ギルドを創設するきっかけになったのだ」


まさか、冒険者ギルドを造った話になるとは…
ベールート あんた を信じていいんだな?」

「信じてもらえると有難い」


暫く沈黙の時間があった
【神眼】でもベールートのオーラが疑いの色を示さなかった

「俺達が、人間界からの友好の使者ってのは大袈裟すぎないか?」
「その辺は、城壁を復旧して貰うための口実だ」

考えた末に話す事はしなかった

「まぁ、ベールート あんた がそう思うならそう言うことにしとこう。まだ、あんたを信用しきれんしな」



「調べても解らなかった事なんだが、 ビューティー…プランテサン・ド・プルクラームは、どうやって、ディレクション王国へ行ったのか知っているか? だいすけと、どうやって知り合ったんだ?」

「その件も秘密だ」



「城壁の復旧を手伝ってもいいが、報酬は? 魔石以外を魔国の通貨で貰っても使い道が無いぞ」

「金(かね)以外か、何がいい? 鉱石はどうだ? 魔国には、ミスリル等の鉱山があって多く採掘されている」
「報酬、25GMcギガモチ分を魔石と鉱石でどうだ?」

「25ギガモチ?」
通貨の説明をされた

「王国の貨幣価値だと、黒金貨小25枚分になるという事か…」

「無属性の魔石が必要なら、大きい方がいいんじゃないのか?」

俺は首を横に振る
「その大きさが必要なんだ」
スマホ通話の為の物と説明すると納得した

「そうか、ならその大きさで揃えてみよう。残りは、どうする?」
「ん~、他の属性の魔石やミスリルで、適当に払って貰っても構わん。揃えきらない時は、魔国の通貨でいい、ビューティーか、グフトじいちゃんにでも使わせる」
両替機能付きの革袋財布も有るし、何処の通貨でも問題ない。
紙幣と違って硬貨だ、記番号(紙幣番号)がある訳でも無いし。

「グフトじいちゃん…ネプトティス卿のことか?」
「じいちゃんって呼べって言うからな」
「…(苦笑い) 報酬は、そうしよう」

「じゃ戻るな。グフトじいちゃんや、ビューティー達が待ってるんで」

「じゃ、魔国の迷い人との顔合わせは明日にしよう」

「!? 魔国にも、迷い人が居るのか?」

「魔宮廷魔道具部隊に所属している女性だ、その人がコーヒーを好む人だ。乗れるゴーレムの様な物『ミツキョマウスロボ』を造った人だ」



「『ミツキョマウスロボ』? 乗れるゴーレム? 迷い人が造った?、女性が…」
突っ込みたいとこ、詳しく聞きたいとこ満載

「『ミツキョマウスロボ』も明日、見れる筈だ、復旧作業に使っているからな」
詳しく教えてくれない意地悪な性格のベールートだった。
『明日楽しみにしてろ』とかいう

俺のゴーレムと、どっちが強いだろうか?
『ミツキョマウスロボ』がどんな物か気になるが、明日を楽しみにしておこう


俺は、ギルドを出て、ネプトティス邸に歩いて向かう


テンプレが起きる
「人間のクセに」

魔族10人に囲まれる

「めんどくさっ」

「面倒くさい? 面倒くさいのはこっちだ。 さっさと終わらせて、酒飲むぞ」
「飲めないよ、檻の中で酒が出るなら、別だがな。 あっ、ベッドの上かもな」

「人間風情が魔族に勝てると思っているのか?」ニヤニヤ
「一人でも十分な俺達が10人だぞ」ニヤニヤ

「魔族10人程度で、俺に勝てると思っているのか?」
売り言葉に買い言葉
相手を逆撫でする

夜で通行人が少ないとはいえ、魔都『アルティスバーナ』のギルド前、それなりの人通りはある

こういう揉め事は日常的なのか?
みんな傍観の態度
俺が人族だからか?

3人が結界を張る
魔法攻撃までするつもりの様だ
(人間界の)人同士の揉め事とは違うなぁ
と、余裕で感心する俺

「もう、逃げられんぞ。結界の中でなら、魔法も使える、人間が魔族に逆らうからこうなるんだ」ニヤニヤ

「人間のクセに魔界に来るお前が悪い、死んで後悔しろ」ニヤニヤ

「じゃ俺は、殺すと後悔できないだろうから、後悔できるように手加減してやる」

7人から魔法が放たれた
「死ね『ファイアボール』」
「『アイススピア』! 死ね」
「『ウインドウカッター』!」
「喰らえ、『サンダーボルト』!」
「手加減できるものならやってみろ、『アースニードル』!」
「バカにするな!『ファイアスピア』!」
「『バブルボム』!」
反射リフレクション』(無言詠唱)でお返しする

「ぎゃー」「なにっ!」「なんだと!?」「まさか!」「うわっ」「『反射リフレクション』だと!?」「嘘だ!」

ドッカーン×7

「死んでないよな? 自分の魔法だぞ」
「くそが!」「生意気だ!」
二人は上手く受け止めきれた様だ

今度は斬りかかってくる
一人の手首を掴みそのままもう一人へ体ごと振り回す
「なっ!」「グワッ」
二人とも気絶

「で、お前らはどうする?」
結界を張っていた魔族に聞く

結界を解除、仲間を放置して走り去る
「めんどくさっ」

三方向に逃げたので
根の呪縛コーリンチェーン』×3
無詠唱で逃亡者を捕まえる

「逃げちゃダメでしょ」
逃げた距離の分、根が長い、振り上げて地面に叩きつける
ドン ドン ド~ン
「グワッ」「ギャッ」「グハッ」

火傷、氷や風による殺傷、骨折


ギルド前での揉め事です
ギルドからそれなりの人が出てきました
「何事?」
「襲われたので、正当防衛です」
観客は過剰防衛だ!と言わんばかりの冷たい視線

「だいすけ早速か?」
「傍観の人達に聞いてくれて構わん、人族の冒険者の実力を見せただけだ、正当防衛という形でな」

ベールートに任せてその場を去る


『嫌われ体質』を歩きながら少しずつ強める
視線を感じなくなってから、路地へ
分身を解除
本体は並列思考、記憶共有で全て承知の事


お泊まり馬車ハウスウェア・キャレィジは、ネプトティスの屋敷に着いた。



≪プランテサンティス魔国通貨≫
魔国銅貨、1Mcモチ = 1円
魔国銀貨、100Mcモチ = 100円
魔国金貨、1MMcメガモチ = 1万円
魔国白金貨、100MMcメガモチ = 100万円
魔国黒金貨、1GMcギガモチ = 1億円
魔国魔石貨、100GMcギガモチ = 100億円


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