【嫌われ体質】自覚したら最強?かも

久留米天狗

(151) 魔界で指名依頼

(151) 魔界で指名依頼



「だいすけ様、冒険者ギルド魔都『アルティスバーナ』本部へお越しください、ギルドマスターがお会いしたいとのことです」
「ギルドマスターが?、わかった」

プランテサンティス魔国も、冒険者ギルド本部**なんだ…


「ダフト卿ですか? それともネプトティス卿?」
ビューティーに聞いたつもりが聞こえたらしい
「ダフトおじいちゃんでいいぞ」
ホッホッホ

 おじいちゃん…ね

祖父母は居たようだが、物心付いたときには他界していたからな…
お爺ちゃん
お爺さん
爺さん
爺ちゃん

ダフト爺ちゃんかな


「ダフト爺ちゃん、屋敷に着いたら、冒険者ギルドへ行ってくる、ギルドマスターが会いたいと言ってるらしい」
と言いつつ、分身をギルド本部へやる


 ~ ~ ~ ~ ~ ~
◆冒険者ギルド◆
≪魔都『アルティスバーナ』冒険者ギルド本部≫
見た目は二階建ての簡素な建物、ディレクション王国の町のギルド支部と同等
王都センターのギルド本部のピラミッドとは大違い。

カランコロン♪

ドアベルは、どこも一緒なんだな

視線が集まる、人族と見ると驚き視線が外れない

冒険者ギルド内部も、王国のギルドの支部とほぼ同等、統一されているのか?
王都センターのピラミッドギルドは例外
依頼の受付カウンター(町によって数が違う)、素材の買取カウンター、依頼ボード、町によって酒場が併設されていたりする。

併設された酒場と宿屋の方が大きく
更にバトル場は、王国のコロシアム程の観覧席付きの物
ギルドの建物より酒場、酒場よりバトル場を重んじている
魔族の種族の傾向だろうか?

酒場の冒険者らしい魔族の視線が痛い
ざわざわ ガヤガヤ

人族が珍しいのか、魔素に平気そうな俺が珍しいのか、ざわついている


俺は、入り口から一番近いカウンターの受付嬢に声をかけた
「だいすけだ、ギルドマスターが会いたいと言ってるそうなんだが」

「は? 人族のクセに…」
受付の心の声が漏れている

まぁ、こういう事になりそうなオーラは入った時点で見えていたが、あからさまにそうなるとは思わなかった

隣のカウンターの受付嬢が声を掛けてきた
「こちらへどうぞ、わたくしが対応いたします」
「今、確認を取って来ます、冒険者カードをよろしいですか? だいすけさん」
隣の受付嬢は俺の話を聞いていたのだろう、名前を呼ばれた
冒険者カードを見せる、黒だ

※冒険者カードは、『道具収納アイテムストレージ』へ入れている、それにより分身でも取り出せる。ポケットから出したように、ポケットの中で『道具収納アイテムストレージ』を発動する。※



「!? く(手で口を押さえた) し 少々、お待ちください。だいすけ
受付嬢は二階へ駆けていく

その対応の早さに回りがざわつく

受付嬢にしか見えないようにカードを見せたから、他のヤツには見えてない
受付嬢も口を押さえたが、『さん』から『様』になっていた

テンプレが起きます

「人族の小僧が、魔界に何の用だ?ゲコッ」
ゲコッ?カエルか?

「新年の挨拶、爺さんにな」

「ハハハッ、爺さんに挨拶だぁ?ゲコッ」
「魔界に、魔都『アルティスバーナ』に居るのか?ゲコッ 人族お前の爺さんが?ゲコッ」
「そうみたいだ」

ビューティーの父が魔王なら、キュートの祖父は、魔王になる、出来たら会ってみたい
嘘は言っていない


受付嬢がギルドマスターを連れて下りてきた

「あんたが、だいすけかな?」
「あんたがギルドマスター?」

「なっ!? 生意気だぞゲコッ、人族のクセにゲコッ」
絡んできたそいつが、殴ってきた
俺はそいつの後ろへ移動
転移じゃない、ちょっと速く動いただけだ

空ぶったカエル男は驚く、俺が消えたよう居なくなり、後ろに居たから当たり前
それを見ていた回りのヤツも一緒だ
数人は俺の動きが見えたようだが、他の多くの者は見えていなかった


「いつの間に」
ざわざわ がやがや
「消えたぞ?」「転移か?」
ザワザワ ガヤガヤ


『速いな…』『ほぉ』『あいつ本当に人族か?』

「止めといた方がいいぞ、ギルド内は暴力禁止だ」
ギルドマスターが殺気を放つ

殴ってきた男は失禁し、口から泡吹き気絶した

回りの冒険者も震えた
『キツイな…』『ほぉ』『あいつ本当に人族か?(ギルマスの殺気でも平気みたいだが…)』
数人、平気な者も居た

「俺に、何か用か?」
俺も、平気な者の一人

「…(流石だな)、2階のギルマス室で話そう」

「掃除しておいてね」
最初の受付嬢へ指示を出す
そう言えば受付嬢は平気な様だが、上手く制御されていたのか

俺への対応が悪かったから、失禁者の後始末をしないといけなくなった受付嬢
(チッ、人族あいつのせいで…)



≪ギルドマスター室≫
「紅茶を頼む」
受付嬢『グリーン』が紅茶を入れに部屋を出る
※グリーン=親切な受付嬢

 ~ ▼ ~ ~ ▼ ~

給湯室で、グリーンが紅茶を入れていると、もう一人の後始末を任された受付嬢『オバーサン』が、グリーンの目を盗み、失禁を拭いた雑巾をカップの上で搾った

『ションベンでも飲んでろ』

 ~ ▲ ~ ~ ▲ ~




「私は、プランテサンティス魔国の冒険者ギルド本部のギルドマスター『スネイクスキン・ベールート』と言う者だ、だいすけ、お前の事は、チェックしてたよ」
「まぁ、座ってくれ」


 ~ ▼ ~ ~ ▼ ~
ギルドマスター『スネイクスキン・ベールート』
全身鱗だから、竜人かと思ったが、蛇の獣人の様だ

さっき殴りかかってきたのは、カエルぽかった、蛇に睨まれたカエル…だったから、失禁&気絶したのか?

 ~ ▲ ~ ~ ▲ ~



「…(ここに座るんだよな?) 俺達のことは、どこまで調べてるんだ?」
俺の事をチェックしているのなら、パーティー『アンドレ・アルス』をチェックしているだろう


「5月に登録して、試練の塔(オルドルタワー)をクリアして、飛び級で冒険者になり、四人の妻を持ち、数日前、黒に上がった…一年にもならないのに異例中の異例の冒険者。
パーティーメンバー全員が試練の塔(オルドルタワー)クリア者。
 そして恐らく、転移で人間界のディレクション王国から、魔界の魔都『アルティスバーナ』へ来た。そんなところかな?」


コンコン ノックされた
「どうぞ」

「紅茶をお持ちしました」

【神眼】?
飲めんな、これは…

「ベールートは、鑑定持ってるか?」
出された紅茶を突き返す
【神眼】でベールートが鑑定系スキル持ちだとわかっていた。

驚いたのはグリーン

「『鑑定』!? これを入れた時、他に誰か居たか?」

「オバーサンさんが、雑巾を洗いに来ましたが…」

「失礼した、だいすけ。入れ直す」
「な 何か?」
グリーンが心配する


「いや、自分で出す」
道具収納アイテムストレージ』から、カップとコーヒーを出す。ミルクと砂糖も

グリーンが、驚く


 ~ ▼ ~ ~ ▼ ~
魔族にも『道具収納アイテムストレージ』持ちは居る
人より魔力量が多いから、『道具収納アイテムストレージ』持ちも多い。
だが、彼らでも常時魔力を消費し続ける『道具収納アイテムストレージ』をコーヒー等を入れる様な無駄遣いはしない
 ましてや、そのコーヒーが湯気が出るほどの入れたての状態だと驚きも増す。
 ~ ▲ ~ ~ ▲ ~

「黒は違いますね」
「グリーン、彼の事は内緒だよ」
「解っています」無い胸を張って、大きく頷く

 ~ ▼ ~ ~ ▼ ~
グリーンは、ハーピーとか言う種族だ
ビューティー…サキュバスより鳥に近い魔族、ローブで見えないが、羽毛があるだろう
羽毛を隠すために、ローブなのだろう
魔界の冒険者ギルトに制服が無いのかもしれないが…
 ~ ▲ ~ ~ ▲ ~


「それは、コーヒーとか言う飲み物だな」

「知っているのか?」

「それを好んで飲む者を知っている」

「そうか。魔都にはコーヒーがあるんだな。 それより、俺に何か用があるんだろ?」

「パーティー『アンドレ・アルス』に、指名依頼をお願いしたい」

「だいすけ達は、東側の門から入都したんだろ?」

「確か、東側だ」

ネプトティスからは、南か東の門になる、南側は荒野で目立たない、隠れられる場所が少なかった、故に東側から来た

「実は、西側の門と、城壁が魔物に壊されて、現在復旧中なんだが、その復旧を手伝ってもらえないか?」

「魔物に壊された?」

「イワマジロと言う魔物を知っているか? その魔物は通常2~5メートルの赤クラスの魔物なんだが、魔素の濃い魔界では、たまに、巨大化する。 大きくなる物は30メートルを越す事もあるんだが、一週間前、その巨大化した30メートルオーバーのイワマジロが現れてな、なんとか討伐はしたんだが、西門と城壁に被害が出た、その復旧を手伝って欲しい」

「同じ時期に冒険者登録した、四歳児のアメイヤが、橋を造ったのは調べが付いているんだ、パーティー『アンドレ・アルス』で、やってくれないか?」
「アメイヤに出来て、だいすけに出来ないことは無いだろ」

橋を造ったことはアメイヤに聞いている、俺がいなかった頃の話だったな。(#110話参照)

【神眼】で、西の門を確認

「何だあれは? ゴーレム?」
コードが繋がったゴーレムの様な物が動いていた、まるで○ヴァン○○ヲン

「この部屋から見えるのか? ゴーレムに見えるそれは『ミツキョマウスロボ』と呼ばれる物だろう、魔宮廷魔道具開発班が造った搭乗型のゴーレムの様な物だ」

「『ミツキョマウスロボ』?」
○ヴァンじゃないのか?起動用の魔力を有線にしてるみたいだが
ゴーレムの様な物って?




〈余談〉
この後、オバーサンは、解雇になりました。

魔族ですが、『人』
『そのひと、あのひと達』や『○にん』と表現します


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