【嫌われ体質】自覚したら最強?かも

久留米天狗

(23)かくれんぼ

(23)かくれんぼ



この世界には月が二つ有った。夜明け、月が明るく大きくなり太陽?に変わった。

みんなが起きてきた、ウォーターボールを作り、顔を洗う。
「水魔法を使える方は便利ですね」
フェイスが後ろから、声をかける

「おはよう、どうぞ」
フェイスも顔を洗う。
「ありがとうございます」

「敬語、気持ち良くないので前のに戻してもらえます? 俺は17の初心者ですよ」
「ですよねぇ、はははっ」
「初心者なんですよね…、17歳で、ランクSのキッドさんに、対人戦初めてで余裕で勝つなんて、誰も信じないでしょうね」

「あのおっちゃん、そんなに有名人何ですか?」
「…キッドさんは、今から行く『プラボハミギ』の、町の英雄です。ドラゴンから町を守ったパーティーの一人です。」
「で、今は茶屋のオヤジですか?」
「ギルドマスターへ誘われたらしいんですが断ったって話だ。」
「ギルマスって顔じゃ無いですね」
「顔でギルマスせんよ」
苦笑いのフェイス。

「俺が、キッドに勝ったって言ったら、殺されます?」
「そうだな、黙っておこう。」
「『プラボハミギ』では、『さん』付した方が良いぞ」
「そうします」

朝食、具の無いスープに味噌とナメコを入れた。
泥水のようだと、誰も飲みたいとは言わなかった。(味噌汁は庶民料理ではないようだ)
ウナは、ランドセルの中で蜂蜜を食べている。

海苔の佃煮のおにぎり、と味噌汁(ナメコ)。
今日の朝食。

馬にランドセルから出した、草を食わせる、ニンジン草。(だいすけの森で入手)

「頑張ってくれよ」
俺の言葉が解ったようだ。大きく頭を上下させる。

あっ、ニンジン草、スープに入れても美味しいじゃね?…。


二日目、三日目 天候にも恵まれ、順調に商隊は、進んだ。
 途中、ゴブリンや一角ウサギ、大きなバッタ、が出たが、グッドモーニングの飯やストレス解消の相手に変わった。


四日目
プラボハミギの方から馬車が2台こちらへ来る。距離25キロ。遭遇まで1時間以上。

商隊は順調に進む。
先頭のルーシーに声をかける。
「後、10分程で馬車が視界に入るだろ」
「相変わらず、俺より先に感知するな」
フェイスがぼやく。

視界に馬車が入った。
同じ場所で、休憩。
「ライトタウンからですか? 私共はプラボハミギからです。ライトタウンを目指してます。変わったことは有りませんか?」
情報交換、良くあることだ。

「特に変わったことは有りません。そちらは?」
「プラボハミギの次の宿場付近で盗賊が出たらしいです。 行かれるなら、気を付けて下さいね」
「ありがとうございます。そちらもお気を付けて」
あっ、違和感が解った護衛が付いてない。これから、ライトタウンへ行くのに護衛無し?

「アイテムとかは大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です。」
アイテムの交換もしたりする。

2台目の荷台に人の気配…、箱の中に
「ねぇ、シマザメさん、箱の中に人…子供を入れて運ぶことあります? これから、ライトタウンに行くのに護衛も無しっておかしくない?」
向こうに聞こえない声で聞いてみた
シマザメは、リーダールーシーの元へ
何か合図をするとトッティが商隊の前に立つ。進路妨害。

「そうそう、私たちがここへ来るまでに商隊とは会わなかったわ、寄生は出来ないわよ。」
「そんなつもりは、有りませんよ、私も御者もそれなりの実力有りますから」
俺には、そうは見えんが。(ステータス確認済み)

「それと、その荷物確認させてもらえる?」
「な 何を急に仰るのですか?」
「その荷台の箱の中身を確認させてもらえる?」
「チッ」
舌打ちし、馬車を走らせようとしたが、トッティが馬を眠らせていた。
魔法ではなく、アイテムで。
眠りの香りソウメルパフュームの粉。

誘拐?奴隷商人?無許可人身売買?
箱を開けると子供(女の子)が眠っていた。無事救出。

「なっ! 俺は知らんぞ、そんな子供」
「お 俺も知らん」
苦しい言い訳の商人AとB、御者A、Bも首を横に振る。
「なら、何故逃げようとした?」
動揺しまくり、嘘がバレバレ
「あ あなた達が盗賊だと思ったからだ」
「いや 逃げようとはしてない、急いでいただけだ。」

 ん~、こいつら 本当にこの子の事を知らないとしたら、何故逃げようとした?
 荷物の中に他に逃げないといけない物があるのか?

「私共は、パロトーム商会の商隊です。怪しい者ではありません。」
荷馬車のマークがパロトーム商会を表す。
「俺達は護衛の『グッドモーニング』だ」
「盗賊じゃないレロ」
赤い冒険者カードを出す。リーダーのルーシー。
※護衛が複数の時は、一番強い人か、パーティーのリーダーが出せば他の人は出さなくても良いそうだ。

俺は、女の子が入っていた箱の回りを『鑑定』した。

「なぁ、この箱は、何だ?」
正直に中身を言えば正規品、誤魔化すなら…。

「そ そ それは、」
動揺しまくる商人A
「それは、その~ ライトタウンの貴族への贈り物だ。だから中身は言えないし、開けるのは論外だ。」
改心の回答といった感が顔に出ている商人B。 商人Bの方が頭がきれるか?

「なら、俺には関係無いな」パッカーン
なんの躊躇ちゅうちょもせず、開けた。関係ないと本当に思っているから。

「…「何っ!?」…」同調シンクロした

箱の中には、緑の粉。
「それは、薬草を粉末にしたものです。」
カイブンさん達が青くなる。
「それが、貴族への贈り物だぞ」

「俺が、言ってるのはこの下のだ」
緑の粉を道具収納アイテムストレージに入れ、消した。
「…「なんですとぉー!」…」同調シンクロした


そこには、金貨大や小が、ぎっしり。
「何をした!」「消えた?」

金貨が贈り物って無いことは無いだろうが…何故隠す。

「本当に、これは貴族への贈り物なんだな?」
動揺するのは、商人AとB

「金貨大100枚(1000万)、金貨小1000枚(1000万)を貴族へどんな理由で贈るのかな?」
((何で解った?))
動揺する商人AとB。

「話すわけ無いだろ、商売上のことなんだぞ」

「ライトタウンの貴族って誰です?」
「教えるわけ無いだろう」
「本当に、貴族なんですね、これを受けとる人」
「あぁ、間違いなく貴族だ。誰かは、言えんがな」

「カイブンさん、ライトタウンに貴族と言われる方は何人くらい居ます?」
「ライトタウンには、現在はお一人だけです。フライ=フォン=ライトー子爵だけです。」
「「えっ?」」
知らなかったのか?この商人AとBは。

「その方って、悪い人?」
「とんでもない、ライトー子爵は、市民のことを思う素晴らしい方です、悪事は許しません。身内でも」
「そんな方が、偽金を受け取るのか?」

「…「偽金!!」…」同調シンクロした
カイブンさんも『鑑定』し、偽金だと断定した。
「た 確かに、偽金ですね…。」

「逃げようとしたのは、たぶん偽金これだと思います。 女の子は本当に知らないと思います。 女の子に関して『知らない』と嘘を言ってなかったので、そう判断します。」
(だいすけさんの『鑑定』は、そこまで見抜けるレベルなんですね、持続レベルですか? どこまで凄い方なのでしょう)

「じゃ何で箱の中に、女の子が居るのよ?」
「それは、女の子に聞かないと解りません」

「この商人、偽金所持はどんな罪になりますか?貴族を言い逃れに引き出したことはどんな罪になりますか?」
「死刑だな」
センガンが手で首を落とす仕草をした。
この世界は、斬首が死刑の方法かな?
 
 商人は無駄な抵抗と言うものをする。剣を抜きトッティに襲いかかる。背の低い女の子?だから何とかして、人質にでもしようと考えたのだろう。
 不意打ちなら兎も角、戦闘態勢のトッティに商人風情がどうこう出来る物ではない。
「我 求は 氷の束縛『アイスバインド』レロ」
足下から凍りつく、下半身が氷付になる。
カッチカチ

ドサッ 
「逃がさんよ」「ギャッ、痛たたたっ」
御者の一人が、気を失い馬車から落ち。
もう一人を俺が、取り押さえる。落ちたヤツはウナが股間を蹴りあげた。俺も内股になったのは内緒。

御者のオジラ=ムエフエが、商人の馬車馬を使い、プラボハミギへ走る。俺は、草団子を渡す、馬用の回復団子。
彼は、元冒険者。 この報告(任務)には適任だとカイブンが行かせた。

女の子を起こして、話を聞く。
「私ベル。マーク・ベル。5歳。かくれんぼしてたら、箱の中で寝ちゃった。ごめんなさい」ペコリ 「ここどこ?」キョロキョロ

「…「えー!」…」同調シンクロした





フォロー、いいね ありがとうございます
感想・誤字報告等ありましたら一言お願いします





「【嫌われ体質】自覚したら最強?かも」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く