【嫌われ体質】自覚したら最強?かも

久留米天狗

(21)初めて

(21)初めて



「ほう、役者アクター、初めて聞く職業だね」
「そう言えば、職業案内所の婆さんも珍しいって言ってたな。魔道具屋の婆さんも驚いてたし。」
ん?逆だったか? 職業案内所が驚いて、魔道具屋が珍しい…まいっか、どっちでも

「で、あんた、荷物は?」
「このランドセルだけですが…。」
「旅は初めてか? 舐めてないか?」
「旅は初めてです。 大丈夫ですよ、ランドセルこれだけで。」(拳の)親指を立て、肩越しに親指でランドセルを指す。
話してないんだ、収納魔道具だということ。

「後から、泣きついてきても知らんぞ」
「私は余裕があるレロ、売ってあげても良いレロ。」

「装備も大丈夫か? 武器は?」
「有ります」ランドセルを(親指で)指差す。
昨日、魔法のステッキを忘れないようにランドセルに入れていた。

「そろそろ、行きましょうか?」
カイブンさんから、声がかかる。

俺は、カイブンと同じ馬車の荷台。
先頭の荷馬車に御者とルーシー。
2台目にフェイスと御者、荷台にセンガン。
3台目が俺たち。御者はオジラ=ムエフエ。
最後尾がダッコ(御者)とトッティ、荷台にシマザメ。

荷馬車4台の商隊、護衛『グッドモーニング』
目的地:王都センター
目 的:商業ギルドマスターの手紙の配達
    俺の飛び級試験
    商隊の荷物の輸送
到着予定:6月6日(所用日数41日)

出口、検問に商業ギルドマスターのマネー、冒険者ギルドマスターのルエッグが居た。

マネーは、何故商業ギルドに居ない?

「おはよう、だいすけさん」
「おはよう、だいすけ、昨日はお前から誘っておいて来なかったな」
マネーは、種無しの件を言っているのだろう

「早起きに自信が無かったから、早く寝た。」
「そんなことなら、起こして上げたのに、一緒にベッドに入っていれば」
 ギルマス直々の早朝からの見送り、この会話に『グッドモーニング』の連中は驚きすぎて声もでない。

「な なんで あんたの見送りにギルマスが直々に来てるの?」
「俺に聞いても、知らん。ルエッグ、マネーに聞け。」
「ルエッグ、マネー、呼び捨て?」
「何なのレロ、だいすけさんは?」
トッティは『さん』付けになっていた。

「やはり、俺の目に狂いは無かったな」
シマザメが一人納得していた。

カイブンさんに、直ぐ追い付きます、ルエッグさんに、話があるので遅れます。と断り、俺は、ダメ元でルエッグにお願いしてみた、昨日の事を話し、教会での事、馬小屋に住んでる兄弟の事を話した。

 この間に商隊はセンターに向けて、出発していた。監視眼モニタリングアイで、ロックし、追いかけられるようにしている。

ルエッグは、教会のその男の事も、兄弟の事も、君からの依頼と言うことで引き受けようと言ってくれた。
俺の初めての依頼って事?

 お願いして、商隊に追い付くべく、走った。直ぐに追い付いた。

「商隊を先に出すなんて初めてだよ、まあ護衛じゃないし、カイブンさんが良いと言ったから深くは追求しないけど、護衛だったらペナルティもんだよ」

ルーシーは停まってくれる気は無さそうだ
俺は、荷馬車の横を小走りで並走する
飛び乗るのは容易たやすいが馬が驚くと面倒。

“ねぇ、だいすけ、出して”
ウナが起きたようだ
“おはよう ウナ”
ランドセルの少し開けた、ウナが出てきた。
「おはよう だいすけ」

「何で 走ってるの?」
“ダイエットだ。”

「お腹すいた、何か食べたい」
今まで寝てて、ダイエットだと言ったのに飯の話かよ
俺は、ランドセルは開けず、道具収納アイテムストレージから蜜玉の欠片を出し、ウナに渡す。俺はビスケットを食べる。

ビスケットで喉が乾くので、ゴルフボール位のウォーターボールを作り口に入れる。

後ろの荷馬車から見ていたトッティが
「何食べてるレロ?」

走るペースを落とし、トッティの荷馬車に並ぶ
「食べるか?」ビスケットを見せる

「なっ! ビスケットレロ? 何処に持ってたレロ?」
「ポケットを叩くと出てくる」
ポン と叩いてビスケットを出す
ポンポン と二枚出す(道具収納アイテムストレージから)
「凄いレロ! そのポケット欲しいレロ!」
信じたのか?こんな人初めてだよ
ダッコとトッティにビスケットを渡す
「美味しいレロ、益々欲しいレロ!」
「美味しいわ、どこで手に入れたの?」
「ポケット」
ウナが笑っていた。

二時間程、走った。
全く息が乱れていない。

 森で暮らしてる時は、24時間走り続けた事もあったな、自分の体力を知るために、森の中を魔物を退治しながら走り回った。
 恐らく1000キロ以上。森を抜けることは無かったな。その先も仙人眼でも森だった。



ホースヒールポイント
(有るんだ、ホースヒールポイント)
馬を休ませる。休憩。

朝食 干し肉と堅パン、初めて食べた。
旨くない、ランドセルに入れて、自分はハンバーガーを食べる。

「何よそれ?」「何食べてるレロ?」
「だいすけさん、それは何ですか?」
「旨そうな匂いがするぞ」
「パンに肉が挟まった食べ物?」
「そんな食べ物、初めて見た」
御者達、ダッコが不思議そうに見てる

「カイブンさんも知らないですか?ハンバーガー」
カイブンさんに、ハンバーガーを渡すと、写メをしていた。恐らく店の誰かにメールしたのだろう。

「パンにミンチ肉を焼いた物を挟んだ物…パンも柔らかいですね」パクリ
「美味しい!」
 ゴクリ 生つばを飲むグッドモーニング

「トッティには、売っても良いですよ。余分にあるから。銀貨小1枚(100円)で」
トッティが直ぐ銀貨小1枚を出した。

トッティがチーズバーガーを一口食べる。
パクッ「お 美味しいレロ~!♪」
涙を流しながら感動していた。

フェイス、センガン以外に銀貨小1枚で、チーズバーガーを売った。
「こんな旨いの食べたこと無い」
「美味しい!」
「俺の目に狂いは無かったな」
「関係ないでしょ」
御者達も 『美味しい』と言っていた。
ダッコも驚いていた「どこで手に入れたの?」

「何で、俺たちは無いんだ?」
「これは俺の食料ですし、余分な物を売っただけです、泣きついても有りませんよ」
「うっ」「そんなぁ~」
ルーシー達が笑っていた。


休憩を終え、出発。

フェイスとセンガンが、泣きついてきたのて、仕方なく売った、銀貨小5枚で。
 口にするまで文句を言っていたが、口にしたら、銀貨小5枚でも安いと泣いていた。

で、やっぱり俺は荷馬車と並走して走っている。
4月 風も気持ちいい 暑くもなく寒くもなく、ランニングには丁度良い。

二時間程、走ると茶屋に到着。
馬を休ませる。休憩。

茶屋のオヤジは顔の右半分に爪の跡、目は見える様だが、その爪の跡からすると眼球が失われていてもおかしくないキズ。
元冒険者、ランクS(金)

「坊主は、初めて見るな」
「ライトタウンを出てからは、おじさんが初めての人だ。」
「「…「おじさん」…」」同調シンクロした
「ははははっ、坊主は、死にたいらしいな」
睨まれた…殺気を込められて。

「まだ17だから、死にたくない」
何も感じない様に返す。 殺気を込めて。

ツー オヤジの額から汗が流れる

「強いな、この俺が 坊主に呑まれたか」
「俺と模擬戦しないか?」

「…「えーーー!」…」同調シンクロした
みんながオヤジを見る。

「良いですよ」

「…「えーーー!」…」同調シンクロした
みんなが俺を見る。

「うるさ~い」
ウナが耳を塞ぐ。

初めての対人戦か…。1/10,000でどこまでやれるかな?




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