【嫌われ体質】自覚したら最強?かも

久留米天狗

(12)ライトタウン

(12)ライトタウン



俺は、鞄を見せながら質問した。

この国は、ディレクション王国〈王都 センター〉
ホウコウ・ディレクション=ハゲーン・センター29世の統治下。
ライトタウンは5大都市の1つ、人工100万に迫る勢いの都市。治安は良い方。

ライトタウンは森や地下迷宮ダンジョンの魔物の素材が豊富、冒険者の町

《ディレクション王国通貨》
モンスター硬貨1M=銅貨小1枚
銅貨小、大、銀貨小、大、金貨小、大
白金貨小、大、黒金貨小、大

ライトタウンの検問通行料、銀貨大1枚
商人、冒険者の赤カード以上は無料
冒険者(商人)カード等の身分証の提示
または、紹介状or身元保証人との同行

先ずは、冒険者登録だな。(異世界物の王道)
銀貨大1枚と言ってきたのは、通行料か…、流石商人。


近隣の町『フロント』(馬車で片道3日)からの帰り、街道には、茶屋があり、道中の休憩や(最新)情報を貰ったり出来る。


「だいすけさんは、どちらのご出身ですか?」
「言わないとダメか?」

 普通、隠すところでは無いと思うが、俺自身この世界の町を知らん、転生者と言って良いのかも解らん。敢えて濁した。

「いいえ、この国の事を知らなさすぎだと感じたもので、他国の方かと。」

「実は、俺は何処から来たのかも俺自身解らん、気がついたら『バテスミーゴの森』とか言う場所に居た。その以前の記憶も無い。言葉が解るからそれなりの教育は受けたと思うが、親も知り合いも覚えてない。」
二人は信じてないのか余り感情の動きは無かった。

「先程、ご自分でその服をお作りになったと言われましたが、この鞄もですか?」
「いや、その鞄は、その時既に持っていた。」
「これを譲ってくれと言ったら可能ですか?」
「いくら積まれても、無理だな」

「何も入っていない鞄にそれほどの価値が? 大切な物…というわけでも無さそうですが?」
「何も入ってない事は無いぞ。」

鞄を開けて色々調べていたカイブンが驚く。

「ま まさか、収納魔道具…ですか?」
「流石だな、一言で解るところは」

ランドセルから、薬草を取り出した。

「! どれくらいの収納容量が?」
「教えるはず無いだろ」
知らんから、教えられない。

「忠告を、その鞄が収納魔道具だと解ると、貴族とかに没収されたり、冒険者に襲われたりしますよ」
「忠告はありがたいが、それは無い。今カイブンさんも色々触ってましたよね?俺もそれで確信しました、これは俺にしか使えないと」
「…、そうですか。後で私の店でこの鞄を鑑定させてもらえませんか? だいすけさんしか使えない物なのかもそれではっきり解りますが…。」
「それくらいは付き合いますよ」
「ありがとうございます」

「おい、だいすけ。お前は記憶が無いと言ったな、冒険者だったのか?」
俺の隣の冒険者が、話しかけてきた。

「解りません。冒険者を示すものを持ってませんので。」
「ステータスに冒険者のランクを表示しているはずだが」
「何もありません。」
「冒険者登録をしていないと言うことか…、職業は何だ?」
「職業欄にも何もありません。」
「!! 無職か?」
カイブンさんも驚いた。


「普通、職業に就いていない事は考えにくい…、出身地が解らないというのは嘘ではなかったのですね」
「無職で、その服を作るスキルを持っているとは驚きです。 私の店で働きませんか?」
「服職人になる気はないな。」
やはりと言うような苦笑いをするカイブンさん。

「そうですか残念です。ライトタウンに着いたら、職業案内所に行かれることをお勧めします。冒険者登録をする前に。」

職業案内所? 職安あるんだ…。

「そうなんですか?」
「冒険者登録の際、職業を申請、登録するので無職では、登録できません。」
「それは、知らなかった。じゃ、先ずは、職業案内所に行くことにします」
「だいすけさんの身分保証クラスを聞いてもよろしいでしょうか?何処かの貴族とかでは?」
「平民になってます」

「だいすけ、ライトタウンへ着いた後は何か予定はあるのか?」
「別にありません。」
言葉遣いに無理していたので気づかないうちに普通の話し方になっていた。まぁ、二年ぶりの会話だ。仕方ないか…。

「俺らのパーティーに入らないか?」
「俺の実力も確認せずに、仲間の確認も取らずの勧誘、鞄目当てですか?」(異世界物の王道)
失敗したという顔、カイブンさんも苦笑いしていた。


トントン 天井が叩かれた。
「休憩しましょうか」
休憩の合図の様だ

生まれて初めて馬車に乗った、馬車を降り伸びをする。

「馬車は、初めてですか?」
「覚えてないので何とも言えません。」

「1時間ほどの乗車で伸びをする人は、慣れてない方に多い仕草なので」
「鋭い観察力ですね」
「職業病でしょうか」
笑うカイブンさん。

馬車の回りを一回り、御者の動きを感じていた。俺を警戒している?その身のこなしが只者でないと感じさせた。
『鑑定』を使ってみた。

 §§§§ ステータス(深緑) §§§§
名前:オジラ=ムエフエ
種族:人族 
職業:御者(元冒険者)
性別:男 (52歳)
身分保証クラス:冒険者
素質:
レベル:50/100 [ ー ] [ 元L(赤) ]
健康状態:良好
 § § § § § § § § § § § § §
H P:604(/604)
M P:391(/391)
攻撃力:407
防御力:383
魔攻撃:261
魔防御:261

 力 :287
丈夫さ:264
魔 力:2
敏捷性:101
器用さ:161
賢 さ:519
 運 :46
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

元冒険者赤Lランク
ボディガード兼御者ってことですか?

休憩を終え、再びライトタウンへ動き出す。

トン トトン 天井が叩かれた。

「そろそろ、ライトタウン到着ですね」
そういう合図か…。

窓から外を見た。
「デカッ! 凄いですね」
『仙人眼』で見てたから解ってはいたけど、驚いてみせた。

「初めての方は皆さんそう仰います。」

「城壁には、市民用と冒険者用、商人用、貴族用の入り口が、ライトタウンには東西南北に4ヵ所あります、私たちは商人用に、並びます。 だいすけさんは、お一人の時は冒険者用か市民用をご利用ください。」
「市民用と冒険者用の違いは?」
「だいすけさんには関係ないかも知れませんが、討伐した魔物を運んで来て市民用に並ぶのは迷惑になりますから。」
「そういうことですか、討伐した魔物を俺みたいに鞄に入れていれば問題ないんですね」
「やはり、討伐した魔物を入れてあるんですね」
引っ掛ってしまった?

「よろしければ、うちで買い取りますよ」
「口止め料とか言って安くしたり、相場が解らないので胡麻かさないで下さいね」
笑いが起きる
「だいすけさんとは、長くお付き合いをしたいと考えてます、目先の利益目当てで、そんな馬鹿な事はしませんよ」

商人用の検問に並び、順番が来た、カイブンさんが商人カード(金)を出し、シマザメさん、御者のムエフエさんが赤の冒険者カードを出す。
 検兵と何か話したカイブンさん、俺は検兵に別棟に案内された。

「本来は、外で通行処理をするのですが、気になる事が有り、無理を言って屋内にしてもらいました。」

水晶が運ばれてきた。

「これは、犯罪履歴が無いか、魔物が人に化けていないかを見分ける事が出来る水晶です。」
「俺が魔物だと?」
「そうではなく、記憶喪失で、無職なのに服職人上級並のスキルを持っているので外では目立つと思いまして」
それがどうしたのかと思うも、言われるままに水晶に触れた。

水晶が目が開けられない程の光を放った。

カイブンさんも検兵も俺もウナも驚いた。




《ディレクション王国通貨》
銅貨小 = 1円
銅貨大 = 10円
銀貨小 = 100円
銀貨大 = 1000円
金貨小 = 1万円
金貨大 = 10万円
白金貨小 = 100万円
白金貨大 = 1000万円
黒金貨小 = 1億円
黒金貨大 = 10億円

検問通行料
銀貨大1枚(1000円)、魔石(小)、魔核(★★)、宝石の原石でも代用可能。
商人、冒険者の赤カード以上は無料

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