陰キャラな妹と陽キャラな幼馴染の仲が悪すぎるんだが
第28話 那月と共に秋葉へ!
   激昂した俺は、急いで家を飛び出す。
   当然ながらもういない。
「何でいないんだよ、どこへ向かったんだよ!」
   玄関先で大声をあげてハッとする。
   ここ、外だわ。
   危うく近所から苦情が来るところだった。
   そしてまたもハッとする。
   何故叶美があんなにもやすやすと着いて行ったのだろうか。
   父さんが言ったから? そんな事で簡単にここから離れるヤツじゃないだろ。
   何か叶美にとっていい事があったんだ。
   じゃあ叶美の好きなものってなんだ?
   エロゲー、エロゲー、エロゲー……それしかない!
   きっと遠くは行かないはず、勘だけど。
   となれば一つしかないな。
「秋葉原へ!」
「浩ちゃん?」
   肩をびくっと震わし、後ろを振り返ると、那月が立っていた。
   首を横にかしげ、どうしたの? と、言った顔をしている。
   全部告げるべきか。
   ──今の状況をすべて話した。
「ヤバいじゃん! でも、それはそれで悪くないかも」
「何がだよ。今、叶美がいないんだぞ!?」
「だからいいんじゃん」
   最後にボソッと呟かられたセリフは聞こえなかったが、きっといいことではないだろう。
   自転車をだし、秋葉原へ出発しようとする俺の服を引っ張る那月。
「何で秋葉原なの?」
「叶美はエロゲー好きだからな。きっと引っ越しの条件に、秋葉原にしてくれとでもいったんだろう。まぁ勘だけど」
「それなら何で浩介は行かしてくれなかったんだろうね」
「それは俺にも謎なんだよ……」
   そこが唯一引っかかる。
   父さんが男だから、女である叶美だけを連れていったのか?
   いや、そんなこと気にしている暇はない!
「じゃあ行ってくるわ」
「私も行く!」
「は?」
   最近までずっと喧嘩をしていた相手に会うために、わざわざ自分から行動するのか。
   だが、会ってすぐまた喧嘩されたら?
   父さんの前で喧嘩をして、さらに状態を悪化させてしまうのでは?
   悪い方悪い方へと考えが進んでいく。
「行くよ、何を言われても!」
「自転車で行くと一時間は掛かるくらいに遠いんだぞ。分かって言ってるのか?」
「当たり前じゃん!」
   肝が据わってるな、こいつ。
   そこまで言うなら……、
「行くか! 一緒に助け……」
「蒼眼! どうしたんですか?」
「師匠……あ! サインくれないか!?」
「また唐突ですね。いいですよ、きっと我が正体を知って言ってるのでしょうからね」
   なんで俺がこいつの正体を知っていると思ったんだ?
   あれか、思春期だからか。
   エロゲーを使うのはオタクのおじさんか、思春期の高校生くらいだしな、すぐ分かっちまうのか。
   目先で何が起きているのか分かってない那月がきょろきょろする中、俺は師匠にエロゲーの表紙に書いてもらったサインを内ポケットにしまって、秋葉原へと向かった。
   当然ながらもういない。
「何でいないんだよ、どこへ向かったんだよ!」
   玄関先で大声をあげてハッとする。
   ここ、外だわ。
   危うく近所から苦情が来るところだった。
   そしてまたもハッとする。
   何故叶美があんなにもやすやすと着いて行ったのだろうか。
   父さんが言ったから? そんな事で簡単にここから離れるヤツじゃないだろ。
   何か叶美にとっていい事があったんだ。
   じゃあ叶美の好きなものってなんだ?
   エロゲー、エロゲー、エロゲー……それしかない!
   きっと遠くは行かないはず、勘だけど。
   となれば一つしかないな。
「秋葉原へ!」
「浩ちゃん?」
   肩をびくっと震わし、後ろを振り返ると、那月が立っていた。
   首を横にかしげ、どうしたの? と、言った顔をしている。
   全部告げるべきか。
   ──今の状況をすべて話した。
「ヤバいじゃん! でも、それはそれで悪くないかも」
「何がだよ。今、叶美がいないんだぞ!?」
「だからいいんじゃん」
   最後にボソッと呟かられたセリフは聞こえなかったが、きっといいことではないだろう。
   自転車をだし、秋葉原へ出発しようとする俺の服を引っ張る那月。
「何で秋葉原なの?」
「叶美はエロゲー好きだからな。きっと引っ越しの条件に、秋葉原にしてくれとでもいったんだろう。まぁ勘だけど」
「それなら何で浩介は行かしてくれなかったんだろうね」
「それは俺にも謎なんだよ……」
   そこが唯一引っかかる。
   父さんが男だから、女である叶美だけを連れていったのか?
   いや、そんなこと気にしている暇はない!
「じゃあ行ってくるわ」
「私も行く!」
「は?」
   最近までずっと喧嘩をしていた相手に会うために、わざわざ自分から行動するのか。
   だが、会ってすぐまた喧嘩されたら?
   父さんの前で喧嘩をして、さらに状態を悪化させてしまうのでは?
   悪い方悪い方へと考えが進んでいく。
「行くよ、何を言われても!」
「自転車で行くと一時間は掛かるくらいに遠いんだぞ。分かって言ってるのか?」
「当たり前じゃん!」
   肝が据わってるな、こいつ。
   そこまで言うなら……、
「行くか! 一緒に助け……」
「蒼眼! どうしたんですか?」
「師匠……あ! サインくれないか!?」
「また唐突ですね。いいですよ、きっと我が正体を知って言ってるのでしょうからね」
   なんで俺がこいつの正体を知っていると思ったんだ?
   あれか、思春期だからか。
   エロゲーを使うのはオタクのおじさんか、思春期の高校生くらいだしな、すぐ分かっちまうのか。
   目先で何が起きているのか分かってない那月がきょろきょろする中、俺は師匠にエロゲーの表紙に書いてもらったサインを内ポケットにしまって、秋葉原へと向かった。
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