龍の子
18話 『強さとは?』
「う……ん…?」
目を覚ますと、女の子が自分に覆い被さるように眠っていた。
「美雲!?起きろ!」
「う〜ん?むにゃむにゃ…」
うろ覚えだなんて、言わない。
はっきりと覚えている。
目の前で人が爆発する姿を。
そして、現れた不可思議な事を言う少年。
…
「てか、ここどこだよ…」
今まで居た場所も、ビルなどの人工的建造が特には見当たらない、田舎じみた場所ではあったが、流石に辺りを見渡せば三階建ての家や、値段が安く、非常に頼りになるスーパーの看板くらいは目に入った。
ここは清々しいほどに何も無い。あるのは、インフラの整ってない道らしきものとそこら中、伸び伸びと生えている木々。あと、透き通るようなおいしい空気。
「裏山…、じゃあねぇな」
昔、よく美雲と遊んだ記憶が色濃く残っている裏山という存在。行った事のある自然が豊富な場所で脳内検索を掛けてはみたが、全くの見当はずれだった。
まず、ここは山じゃない。
森だとしても、地元周辺にこんなにも木々が生い茂っているような場所に見覚えはない。
いや、俺が知らないだけかも知れないが……。
「ざこくん、おはよ〜」
「美雲!起きたか」
全く、あんな事が起きた後だってのに、よく呑気に寝ていられたな…。
「あれ〜?ざこくん、ここどこ?」
辺りをキョロキョロさせながら、何やら周辺の匂いを嗅ぎとっている。
「ふむふむ…。この、都会の排気で汚れた体を綺麗に洗い流すような新鮮な空気。そして、まるでこの世界を侵略せんと試みているかのようにそこら中に生え散らかしてるとっても青々とした立派な木々!!驚かずに聞いてねざこくん、これは…『名探偵ミクモン』が推理した結果!ここは…」
なーにが名探偵ミクモンだ。
「そう!ここは、異世界…。私達は、異世界に迷い込んでしまったのだ!!」
推理も何もあったもんじゃねぇ…。
「…まぁ、俺も薄々そうじゃねぇかとは思っていた」
あのガキに言われた事。
ただ、あのガキが言ってた通り本当に異世界に来たってのが信じられない。
『……あ、二人とも目を覚ましたかい?』
「ん?」
「なに!?」
足元から忌まわしいあのガキの声が聞こえてきた。
『やぁやぁ、そんな警戒しないでよ。今の内は君らは僕の加護下さ。危害は絶対に与えないよ』
景観に合わない黒い箱型をした何かしらの通信機器と思われる物から鳴る。
「な、なんだこれ?てめぇ、今どこに居んだ!」
『僕は今、終わりの世界。君たちが知っている名前で言うと「アース」かな?まぁ、まったりとカフェで朝ご飯と言った所だよ』
チッ、優雅なもんだ。
「ね、ねぇ。ここは本当に私達の知らない、異世界なの?」
『ふむ?まだ、疑っていたのかい?安心してよ。そこは君らで言う剣と魔法の世界、異世界だよ。まぁ、僕にとっては故郷でもあるんだけどね!』
確かに、こいつからしたら地球の方が異世界か…。
「剣と…魔法の世界…!!」
美雲が目を輝かせて言う。
『ふふふ、美雲ちゃんは嬉しそうだね。うんうん、存分と楽しむと良いよ!』
まぁ、美雲はずっと前から言ってたからな。
そう言えば異世界で、ざこくんと二人きりになりたいって…ん?
「……二人きり!?」
あ、つい声が。
『ううん?そんな事は無いぜ?ちゃんと、この世界には君達人間を始め、魔族、エルフ、獣人。魔物や魔獣、ドラゴン、それに亜神だって居る…。何にしろ君たちが強くなるには十分な環境さ!』
「強くなる…そうだ、強くなるってどう言う事だ??」
『文字通りさ、君達にはこの世界で誰にも太刀打ちが出来ないほどに強くなってもらいたい。いわば最強だね!』
「…俺がこの世界で最強になったらお前は、俺たちを喰う事が出来ないんじゃないのか?」
そうだ、こいつの目的は強くなった俺等を喰うと言っていた。
『強気だね。まぁ、そうだね。この世界で最強になるとしたら、もちろん僕よりも強いかも知れない』
「それなら、いつか対峙した時にお前を殺しちまえば俺らは晴れて自由な訳だな?」
不意に少年の笑う声が響く。
『ぷ、ふふ、あははは!!そんな野望を僕本人の前でバラしちゃっても大丈夫なの??それと、残念だけど君たちに僕は殺せないぜ?』
余裕満々な少年に腹がたつ。
「なんでだ??」
『この世界は単純な力だけが全てじゃない。君達にあげた僕の加護があるだろ?加護を持つものはその加護の主に危害を加える事は不可能なんだ。何故かって聞かれたら、分からないけどそう言う決まりらしいぜ?』
こいつ自身も詳しくは知らないのか??
おかしな決まりだ。
「ん?ざこくん、それってつまり私達はいつかは絶対にあの子に食べられちゃうってこと!?」
「あぁ、そうみたいだ…」
最悪だ、本当に加護を持つ者はその主人に危害を与える事が出来ないのか??
「おいガキ!てめぇ、一回こっち来てぶん殴らせろ!本当に殴れねぇのか確かめさせろ!」
『…………』
「おいおい、だんまりかよ?」
「相変わらず荒っぽいねぇ、ざこくんは。流石、ざこくん!」
余計だ。
『…う、うーん、君たちがまだそっちに行く前だったら確かめさせても良かったんだけど、僕自身はちょっとまだそっちには行けないって言うか…、行きたくないって言うか……ね!取り敢えず危害は与えられないの!!』
「何が、ね!だっ!!」
さては、こいつ。何か隠してるな??
「じゃあいつ、こっちに来るんだ?」
『それはもちろん、君達がその世界で最強になってからさ!!じゃないと……ね!』
怪しい…。
『おっと!時間が……。とにかく!君達には早く強くなって貰いたいんだ!!ちょっと、時間がなくなって来たから手っ取り早く伝えるよ!』
焦ってんなぁ。
『先ずは、宗一郎君。君に武器をあげよう』
ぽい
・・・・グサっ!
「……大きい剣?」
『あぁ、大きい剣だ…。ガタイの良い君にぴったりだろ?この剣は斬れ味は勿論、生き物の血を吸えば刃こぼれもせず錆もしない手入れがガサツそうな君にも扱えるような代物だ!』
「……?。便利そうではあるな?」
『一応、超レア武器だぜ??君がそれを所有物と認めたら君以外にその剣は扱えなくなる。立派な呪剣さ。それと次は美雲ちゃん』
「わ、私??」
『そうだ。君には武器は必要無さそうだね。悪いけど、あっちの世界で対峙した時に少しだけ君の情報を見させてもらったよ。…君はいわゆる、超能力者だね?』
「!?そそそ、そんな事はないですよ??」
美雲がチラチラとこっちを見てくる。
まさか、今まで隠し通して来れてると思っていたのか?俺が、あっちの世界であんなに恐れられてた理由。
そこには単純に俺だけの存在にビビってた訳じゃない。もう一つの理由は。
「美雲、別に俺は知っていたぞ?お前が超能力者だと言う事と、通称『骨折姫』って呼ばれてたのも…てか、今更?」
「え!?へ、へぇ〜知ってたんだ??そ、そう。なら良かった!うん、良かったぁ。……って!も、もしかしてざこくん!私の事嫌いになってないよね!私の事大好きだよね!!」
「…え、あ。うん、別に、嫌いじゃない…」
あんま、面と向かってそんなこと言うなよ…。
「よ、良かったぁ〜…///」
……///
『ごほん……で、美雲ちゃん、本題に入って良いかな?』
「あ、はい」
『君に、武器は必要無さそうだけど代わりに君にはこのブレスレットをあげようと思う。このブレスレットには、魔力を込めると生き物以外のどんな物でも、収納出来る超強力な魔法が込められている。まぁ、宗一郎君みたいに戦闘用ではないけど十分便利なものだと思うぜ?』
自慢げに少年が話し終わると、すっ、と静かに美雲が手をあげる。
『一応、君達の事は僕の魔力を通して、見えてはいるけど、出来れば質問は声に出して欲しいな』
「あ、はい。あの、私。魔力の流し方とか全く分からないんだけどこれ、どう使えば良いのかな?」
あ、そう言えばこの世界って魔法があるんだっけか?なら、勿論それを発動させる為の動力が必要だよな。
『あ、そっか。魔法は初めてかぁ…。めんどくさいな…。なら、いつも超能力を使うみたいな力をそのブレスレットに込めてみてよ!!軽くだよ!』
「ふむ超能力、超能力っと!!…ふんっ!…う、うわぁ!!」
瞬間、巨大な魔法陣が展開し。強力な力で辺り一面を吸い込み始める。
ブオォォォォン!!
「うぉ!!なんだこれ!!引っ張られる!!美雲、止めてくれ!」
「うわわわー!!大変!!止めないと!」
ふぅ、あぶねぇ。
あの魔法陣に吸い込まれるとこだった。
『うんうん、大成功すぎて、僕もビックリしたよ!!ふむふむ、超能力と異力は何か関係していると思っていたけど。まさか、純粋な異力そのものを自在に操る物だとは…』
「異力??魔力ではないのか?」
「何のことだかさっぱりわかんないよぉ…」
『うむ、では僕も端的に分かっている事だけを教えてあげよう。異力とは君らのような「アース」の人達が主に使えるエネルギーの事さ!勿論、その世界の生物も扱える者は居るけど稀なものさ』
「おいおいおい!て、事は俺にも魔法じみたのが使えるって事か!?」
魔法……!!炎とか出してみてぇぜ!!
『…かも知れないね。まぁ、異力を使って発現する技の事は別名「オリジナルスキル」って言われていて魔法では再現出来ない、世界で一つだけの特別な物になっているんだ。君にもそんな力が眠ってるって考えるとワクワクするだろ?…も、もう良いかな?』
「あぁ!」
ワクワクするぜ!魔法!!
『っと。少し意外だなぁ…。まぁ、頑張ってみてよ!……じゃあ、僕はこれで』
え!?
「って、ちょっとまて!!魔法の出し方とか異力がなんだかんだとか全然わかんないんだけど!!」
『あー、ちょっと、僕も忙しいからこれで説明はお終い!!なんか、町とか行ったら冒険者用の学校とかあるはずだから!!そこ行ってね!!ばいばい!!…あ、あとこの通信機器は痕跡を残さないようにしっかりと爆破消滅するから、気をつけてね!!』
「え!?ちょ!」
爆発?
学校??
爆発!!!???
『ぼふん!!』
お久しぶりです。
無死です。
久々に投稿しようと思ったらノベルバさんの仕様が変わっていました。
はい。
今回は結構な無理やり展開だったと思います。
良いのです。後で編訳しなおして新しく出そうと思っているので。
今はとりあえず完走!!
あと、最後に。
今作品を読んでくれた方々へ感謝します。
少しでも、本当に1ミリでも続きが読みたいと思って下さったらありがたい事この上ないです。
日々の励みになります。
頑張れます。
それでは皆様、長々と意味のわからない事を書いても中々に締まらないの、でここで強制的に
さようなら。
因みに、最終回ではございませんし、モチベもストーリー案もまだまだあるので、全然終わりません。
てか、これまだ全然戦闘シーンとか無くね?
て事で。
次回!!
『はじめてのたたかい』
お楽しみに!
あ、あと引き続き作中に矛盾点、気になる点がございましたら、随時コメント欄の方に報告をお願いします。
作品自体が不快などのコメント等は出来るだけしないで頂けるとありがたいです。
秋葉「わーたしの、でばん〜は、い〜つか〜らだー♪」
レイア「もう、みんなに忘れられてるんじゃないかしら?」
秋葉「私はこの物語のヒロインのはず!私はこの物語のヒロインのはず!!!」
目を覚ますと、女の子が自分に覆い被さるように眠っていた。
「美雲!?起きろ!」
「う〜ん?むにゃむにゃ…」
うろ覚えだなんて、言わない。
はっきりと覚えている。
目の前で人が爆発する姿を。
そして、現れた不可思議な事を言う少年。
…
「てか、ここどこだよ…」
今まで居た場所も、ビルなどの人工的建造が特には見当たらない、田舎じみた場所ではあったが、流石に辺りを見渡せば三階建ての家や、値段が安く、非常に頼りになるスーパーの看板くらいは目に入った。
ここは清々しいほどに何も無い。あるのは、インフラの整ってない道らしきものとそこら中、伸び伸びと生えている木々。あと、透き通るようなおいしい空気。
「裏山…、じゃあねぇな」
昔、よく美雲と遊んだ記憶が色濃く残っている裏山という存在。行った事のある自然が豊富な場所で脳内検索を掛けてはみたが、全くの見当はずれだった。
まず、ここは山じゃない。
森だとしても、地元周辺にこんなにも木々が生い茂っているような場所に見覚えはない。
いや、俺が知らないだけかも知れないが……。
「ざこくん、おはよ〜」
「美雲!起きたか」
全く、あんな事が起きた後だってのに、よく呑気に寝ていられたな…。
「あれ〜?ざこくん、ここどこ?」
辺りをキョロキョロさせながら、何やら周辺の匂いを嗅ぎとっている。
「ふむふむ…。この、都会の排気で汚れた体を綺麗に洗い流すような新鮮な空気。そして、まるでこの世界を侵略せんと試みているかのようにそこら中に生え散らかしてるとっても青々とした立派な木々!!驚かずに聞いてねざこくん、これは…『名探偵ミクモン』が推理した結果!ここは…」
なーにが名探偵ミクモンだ。
「そう!ここは、異世界…。私達は、異世界に迷い込んでしまったのだ!!」
推理も何もあったもんじゃねぇ…。
「…まぁ、俺も薄々そうじゃねぇかとは思っていた」
あのガキに言われた事。
ただ、あのガキが言ってた通り本当に異世界に来たってのが信じられない。
『……あ、二人とも目を覚ましたかい?』
「ん?」
「なに!?」
足元から忌まわしいあのガキの声が聞こえてきた。
『やぁやぁ、そんな警戒しないでよ。今の内は君らは僕の加護下さ。危害は絶対に与えないよ』
景観に合わない黒い箱型をした何かしらの通信機器と思われる物から鳴る。
「な、なんだこれ?てめぇ、今どこに居んだ!」
『僕は今、終わりの世界。君たちが知っている名前で言うと「アース」かな?まぁ、まったりとカフェで朝ご飯と言った所だよ』
チッ、優雅なもんだ。
「ね、ねぇ。ここは本当に私達の知らない、異世界なの?」
『ふむ?まだ、疑っていたのかい?安心してよ。そこは君らで言う剣と魔法の世界、異世界だよ。まぁ、僕にとっては故郷でもあるんだけどね!』
確かに、こいつからしたら地球の方が異世界か…。
「剣と…魔法の世界…!!」
美雲が目を輝かせて言う。
『ふふふ、美雲ちゃんは嬉しそうだね。うんうん、存分と楽しむと良いよ!』
まぁ、美雲はずっと前から言ってたからな。
そう言えば異世界で、ざこくんと二人きりになりたいって…ん?
「……二人きり!?」
あ、つい声が。
『ううん?そんな事は無いぜ?ちゃんと、この世界には君達人間を始め、魔族、エルフ、獣人。魔物や魔獣、ドラゴン、それに亜神だって居る…。何にしろ君たちが強くなるには十分な環境さ!』
「強くなる…そうだ、強くなるってどう言う事だ??」
『文字通りさ、君達にはこの世界で誰にも太刀打ちが出来ないほどに強くなってもらいたい。いわば最強だね!』
「…俺がこの世界で最強になったらお前は、俺たちを喰う事が出来ないんじゃないのか?」
そうだ、こいつの目的は強くなった俺等を喰うと言っていた。
『強気だね。まぁ、そうだね。この世界で最強になるとしたら、もちろん僕よりも強いかも知れない』
「それなら、いつか対峙した時にお前を殺しちまえば俺らは晴れて自由な訳だな?」
不意に少年の笑う声が響く。
『ぷ、ふふ、あははは!!そんな野望を僕本人の前でバラしちゃっても大丈夫なの??それと、残念だけど君たちに僕は殺せないぜ?』
余裕満々な少年に腹がたつ。
「なんでだ??」
『この世界は単純な力だけが全てじゃない。君達にあげた僕の加護があるだろ?加護を持つものはその加護の主に危害を加える事は不可能なんだ。何故かって聞かれたら、分からないけどそう言う決まりらしいぜ?』
こいつ自身も詳しくは知らないのか??
おかしな決まりだ。
「ん?ざこくん、それってつまり私達はいつかは絶対にあの子に食べられちゃうってこと!?」
「あぁ、そうみたいだ…」
最悪だ、本当に加護を持つ者はその主人に危害を与える事が出来ないのか??
「おいガキ!てめぇ、一回こっち来てぶん殴らせろ!本当に殴れねぇのか確かめさせろ!」
『…………』
「おいおい、だんまりかよ?」
「相変わらず荒っぽいねぇ、ざこくんは。流石、ざこくん!」
余計だ。
『…う、うーん、君たちがまだそっちに行く前だったら確かめさせても良かったんだけど、僕自身はちょっとまだそっちには行けないって言うか…、行きたくないって言うか……ね!取り敢えず危害は与えられないの!!』
「何が、ね!だっ!!」
さては、こいつ。何か隠してるな??
「じゃあいつ、こっちに来るんだ?」
『それはもちろん、君達がその世界で最強になってからさ!!じゃないと……ね!』
怪しい…。
『おっと!時間が……。とにかく!君達には早く強くなって貰いたいんだ!!ちょっと、時間がなくなって来たから手っ取り早く伝えるよ!』
焦ってんなぁ。
『先ずは、宗一郎君。君に武器をあげよう』
ぽい
・・・・グサっ!
「……大きい剣?」
『あぁ、大きい剣だ…。ガタイの良い君にぴったりだろ?この剣は斬れ味は勿論、生き物の血を吸えば刃こぼれもせず錆もしない手入れがガサツそうな君にも扱えるような代物だ!』
「……?。便利そうではあるな?」
『一応、超レア武器だぜ??君がそれを所有物と認めたら君以外にその剣は扱えなくなる。立派な呪剣さ。それと次は美雲ちゃん』
「わ、私??」
『そうだ。君には武器は必要無さそうだね。悪いけど、あっちの世界で対峙した時に少しだけ君の情報を見させてもらったよ。…君はいわゆる、超能力者だね?』
「!?そそそ、そんな事はないですよ??」
美雲がチラチラとこっちを見てくる。
まさか、今まで隠し通して来れてると思っていたのか?俺が、あっちの世界であんなに恐れられてた理由。
そこには単純に俺だけの存在にビビってた訳じゃない。もう一つの理由は。
「美雲、別に俺は知っていたぞ?お前が超能力者だと言う事と、通称『骨折姫』って呼ばれてたのも…てか、今更?」
「え!?へ、へぇ〜知ってたんだ??そ、そう。なら良かった!うん、良かったぁ。……って!も、もしかしてざこくん!私の事嫌いになってないよね!私の事大好きだよね!!」
「…え、あ。うん、別に、嫌いじゃない…」
あんま、面と向かってそんなこと言うなよ…。
「よ、良かったぁ〜…///」
……///
『ごほん……で、美雲ちゃん、本題に入って良いかな?』
「あ、はい」
『君に、武器は必要無さそうだけど代わりに君にはこのブレスレットをあげようと思う。このブレスレットには、魔力を込めると生き物以外のどんな物でも、収納出来る超強力な魔法が込められている。まぁ、宗一郎君みたいに戦闘用ではないけど十分便利なものだと思うぜ?』
自慢げに少年が話し終わると、すっ、と静かに美雲が手をあげる。
『一応、君達の事は僕の魔力を通して、見えてはいるけど、出来れば質問は声に出して欲しいな』
「あ、はい。あの、私。魔力の流し方とか全く分からないんだけどこれ、どう使えば良いのかな?」
あ、そう言えばこの世界って魔法があるんだっけか?なら、勿論それを発動させる為の動力が必要だよな。
『あ、そっか。魔法は初めてかぁ…。めんどくさいな…。なら、いつも超能力を使うみたいな力をそのブレスレットに込めてみてよ!!軽くだよ!』
「ふむ超能力、超能力っと!!…ふんっ!…う、うわぁ!!」
瞬間、巨大な魔法陣が展開し。強力な力で辺り一面を吸い込み始める。
ブオォォォォン!!
「うぉ!!なんだこれ!!引っ張られる!!美雲、止めてくれ!」
「うわわわー!!大変!!止めないと!」
ふぅ、あぶねぇ。
あの魔法陣に吸い込まれるとこだった。
『うんうん、大成功すぎて、僕もビックリしたよ!!ふむふむ、超能力と異力は何か関係していると思っていたけど。まさか、純粋な異力そのものを自在に操る物だとは…』
「異力??魔力ではないのか?」
「何のことだかさっぱりわかんないよぉ…」
『うむ、では僕も端的に分かっている事だけを教えてあげよう。異力とは君らのような「アース」の人達が主に使えるエネルギーの事さ!勿論、その世界の生物も扱える者は居るけど稀なものさ』
「おいおいおい!て、事は俺にも魔法じみたのが使えるって事か!?」
魔法……!!炎とか出してみてぇぜ!!
『…かも知れないね。まぁ、異力を使って発現する技の事は別名「オリジナルスキル」って言われていて魔法では再現出来ない、世界で一つだけの特別な物になっているんだ。君にもそんな力が眠ってるって考えるとワクワクするだろ?…も、もう良いかな?』
「あぁ!」
ワクワクするぜ!魔法!!
『っと。少し意外だなぁ…。まぁ、頑張ってみてよ!……じゃあ、僕はこれで』
え!?
「って、ちょっとまて!!魔法の出し方とか異力がなんだかんだとか全然わかんないんだけど!!」
『あー、ちょっと、僕も忙しいからこれで説明はお終い!!なんか、町とか行ったら冒険者用の学校とかあるはずだから!!そこ行ってね!!ばいばい!!…あ、あとこの通信機器は痕跡を残さないようにしっかりと爆破消滅するから、気をつけてね!!』
「え!?ちょ!」
爆発?
学校??
爆発!!!???
『ぼふん!!』
お久しぶりです。
無死です。
久々に投稿しようと思ったらノベルバさんの仕様が変わっていました。
はい。
今回は結構な無理やり展開だったと思います。
良いのです。後で編訳しなおして新しく出そうと思っているので。
今はとりあえず完走!!
あと、最後に。
今作品を読んでくれた方々へ感謝します。
少しでも、本当に1ミリでも続きが読みたいと思って下さったらありがたい事この上ないです。
日々の励みになります。
頑張れます。
それでは皆様、長々と意味のわからない事を書いても中々に締まらないの、でここで強制的に
さようなら。
因みに、最終回ではございませんし、モチベもストーリー案もまだまだあるので、全然終わりません。
てか、これまだ全然戦闘シーンとか無くね?
て事で。
次回!!
『はじめてのたたかい』
お楽しみに!
あ、あと引き続き作中に矛盾点、気になる点がございましたら、随時コメント欄の方に報告をお願いします。
作品自体が不快などのコメント等は出来るだけしないで頂けるとありがたいです。
秋葉「わーたしの、でばん〜は、い〜つか〜らだー♪」
レイア「もう、みんなに忘れられてるんじゃないかしら?」
秋葉「私はこの物語のヒロインのはず!私はこの物語のヒロインのはず!!!」
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