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朝起きたら女の子になってた。

スライム3世

嫉妬



《紗香視点》

沙雪が莉奈と犬っころの頭を撫でている。とても気持ち良さそうだ……。沙雪は私のことを大切にしていると言っておきながら、他の女と仲良くしている。沙雪は私の事が好きなんじゃないの……?

沙雪は私とだけ仲良くしていればいいんだ。

沙雪は私だけを見ているべきだ。

先程までは沙雪が側にいて、とても幸せだった。ずっと、一緒にいようって言われた時は心がはち切れそうだった。抱きしめられた時、沙雪に私の全てを捧げてもいいと思った。

それなのに、どうして沙雪は別の場所に行っちゃうの?

私の側にいてよ。

いてくれないんだったら、どうして中途半端に仲良くするの?こんな気持ちになるなら、拒絶された方がよかった。

嘘。

拒絶されたくない。

私を求めて欲しい。

私をもう一度、抱きしめて自分の物だと証明して欲しい。

私の耳元で愛を囁いてほしい。

そうすれば、私は沙雪の物になる。何があろうとも沙雪の味方になれる。もう意地悪もしないから……。



……って、何考えてるの?私は?

危ない発想が出てくる自分が怖くなった。


**********


ぐふっ!

今、どこかからドス黒い視線を向けられた。その視線を浴びた俺は・・莉奈と蓮の頭を撫でるのを止めた。

「「沙雪?」」
「ごめん。少しトイレに行ってくる」

二人の頭から手を離すと、教室から出て廊下を歩きながら考える。

何だ、何だ、何だ

あれはダメだ。思わず、危険を感じて男の精神状態になっちまったぞ。危険時になると素の自分が出てくるみたいだ。これは覚えておこう。まぁ、男時代の方が長かったしな。……とりあえず、深呼吸をして落ち着こう。

「すぅ〜〜ぶっ」

前を見ていないで歩いていたものだから、前にいた人とぶつかってしまった。

「むごっ」

あれ?顔が動かない。顔の左右に柔らかい物があり、見事にフィットしてしまった。

「沙雪さん?前を向かないで歩くのは危ないですわ」

この声は麗華か。

「ふごっ」

謝ろうとしたけど、顔が挟まっていたことを忘れていた。しかし、この体勢は色々ときつい。こんなことされて平気でいるのは良くない。

「あ、そういえば!」

突然、思い出したかのような声を出した麗華は、私を大きな胸から解放して、目をキラキラとさせて言ってくる。

「明日の土曜日にお姉様が一緒に買い物をしたいと言っていましたわ」
「そうなの?」

これは……あれかな?例の返事を返すために誘ってきたのかな?それなら……。

「大丈夫だよ」
「よかったですわ!休日に友達と遊ぶ……とっても良いですわね」

そう、態度で楽しみにしているとスキップして教室に戻っていった。

……のだが、翌日の朝に電話がきて風邪を引いたと聞かされた。

『ゲフッ、ゲフッ、さ、沙雪さん。申し訳ないですわ。わたくし風邪を引いてしまいました』
「大丈夫だよ。ゆっくり休んでね。それで、今日は中止でいいの?」
『いえ、お姉様が沙雪さんの家に向かわれました』
「あ、分かった。それじゃ、お大事に」
『ありがとうございますわ……』

電話を切ると、私は我に返った。

思ったら地味っ子と二人きりじゃん!麗華が風邪を引くとかどんな確率だよ……。とりあえず、着替えよ……。って、麗華?私の家知ってる事は突っ込まないのかな?


**********


「それでここに戻ってくると」
「沙雪さん?」
「いや、なんでもないよ」

因みに、合流してから一緒に最寄りの駅に向かったのだが、待ち合わせして合流してみたいと言い出したので、わざわざ別れて私が待つ役になった。女性って色々とめんどくさいな……。その辺りはどうも性格上真似ようとは思わなかった。

「沙雪さんの手は小さいですね」
「そりゃ、小さくなったからな」
「……守ってみせます」
「あのマグロを?」
「そうです。って、違います。どうしていつも……」
「ふふっ、ごめんね。でも、そんなに固くならなくていいのに。今だけは恋人なんでしょ?それとも、恋人の前では緊張しちゃう体質なの?」
「はぁ……負けました。先輩には敵いそうもありません。そういうところは変わっていませんね。でも、好きな部分でもあります……」
「な……」
「お返しです。ふふっ」

地味っ子はお返しとばかりに笑い返してきた。その笑顔は心から笑っているようで、とても魅力的に思えた。

だから、仕返しをしたくなる。

「可愛いよ、花凛・・
「あ……卑怯です……」


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