朝起きたら女の子になってた。
僕もうお家帰りたいところ。
「沙雪さん、かわいいですわ」
「沙雪ちゃん……尊い」
「うん、お姉ちゃんは沙雪が可愛くなって嬉しいよ」
(もう、ダメだ。あかん……恥ずか死しちゃう……)
現在、俺は大きめな試着室で4人に囲まれビキニを着せられている。
俺が捕まった後のことは、試着室に放り込まれ、4人に身包みを剥がされ、すっぽんぽんにされた後、1人1人が好きなビキニを身に付けさせるという地獄を受けている。
今は紗香の番で、これで最後だ。
学級委員が俺にビキニを着けさせる時、どさくさに紛れてちっぱい様を異様に触ってきた。その触り方は莉奈さんのように上手くはなくて、どっかの変質者に触られているような感覚に陥った。変質者に触られたことなんてないけどな。
まぁ、そのことに気がついた紗香がイエローカードを出して、一時期紗香と学級委員がいなかったけど何とか耐え抜いてきた。
「紗香、早く終わらせてくれ〜〜」
「もうちょっと………できた」
達成感を感じているのか、紗香は良い汗を掻いている。
「うん、かわいい」
シンプルな評価をする紗香。
「悔しいですわ、紗香さんが選んだビキニの方が1番似合っていますわ」
「尊すぎる……」
「グスッ、うぅ……」
(天童院さんは普通の感想なのに、なんだあの2人は。1人は気持ち悪いし、もう1人は泣いてるし……)
「沙雪も鏡見ればかわいいと思うから」
「まぁ、見てみるか……」
紗香の選んだビキニは、澄んだ青色のパレオ付きビキニで膝下辺りまであるパレオが綺麗だ。パットも入っているのか俺のちっぱい様も平均ぐらいの大きさまでに盛られている。
「普通だな……」
(言えない……かわいいなんて)
その後、記念撮影を撮られて、制服に戻ら……ない。
「次は、競泳水着選ぼっか」
「あ、はい」
俺に拒否権はないようだ。
*****
「え〜っと、セパレートとユニタードどっちが良い?因みに、セパレートは上下が分かれてる水着で、ユニタードは上下一緒の水着だよ」
「どっちが楽なんだ」
「どっちも一緒だと思うけど。でも、トイレする時はセパレートかな。あぁ〜でも莉奈のこともあるし」
「何でそこで莉奈さんが出てくるんだ?」
「セパレートだと莉奈に捲られると思うんだよね」
(捲られる……)
【沙雪の妄想】
(やっぱり、このまま浮いてるのは楽だなぁ〜 もうちょっとこのまま〜)
俺が水面にプカプカと浮かんでいると、急に後ろから誰かに抱きつかれた。
「誰だ?」
「私だよ、沙雪ちゃん」
「莉奈さんか、何しに来たんだ?」
「それは……」
莉奈さんは俺の腕を引っ張って、人があまりいない端っこの方にまで移動する。
「ここまで来て何するんだ?」
俺が疑問に思っていると……
「じゃあ、始めるね?」
莉奈さんは俺の後ろに回って、俺のセパレート水着を捲って手を侵入させてきた。侵入した手は徐々に上の方に行き、やがて俺のちっぱい様の住処に到達し、優しく揉み始めた。
「あぁ……やめ……」
「いつもは制服越しだけど、水着だと直で触れるから良いよね? それにしても、小さいけど張りがあって柔らかいね。癖になりそう」
「知らん……」
「もうかわいいんだから。ほら、ここ硬くなってきてるよ? 思ってたことなんだけど、以外と沙雪ちゃんって感じやすいんだね……」
莉奈さんの指がモゾモゾと動き、俺の敏感なところを摘んだ。
「……あぁ……いや……やだぁ……」
「すっごくかわいいよ……もっと、感じて良いんだからね? 大丈夫、私が付いてるから。怖くないから」
そう言って、もう片方の手も侵入してきて俺のちっぱい様に……
「こっちの方も大きくしてあげるね?」
「やめてぇぇぇぇ……」
【妄想終了】
「ユニタードにする。これは確定事項だ!」
「そ、そう、折角だしセパレートも‥…」
「やめてくれ……」
「そんなに嫌なんだ。……じゃあ、ユニタードの水着も選んで……」
「もうやだ、僕もうお家帰る」
自分でも分からないが、体を丸めて蹲ってしまった。
「ど、どうしたの沙雪ちゃん……」
学級委員は俺の様子が変だと思い始めて近づいてくる。
「来るな! 変態委員、何が学級委員だ。生徒の代表じゃなくて、変態の代表だ」
「ぐふっ……」
学級委員はその場で倒れてピクピクと痙攣を始めた。
「これは近寄っちゃいけない雰囲気なんだよ」
「二次被害を防がないといけませんわね。早く、沙雪さんを連れて離れましょう」
蓮が俺の肩を担いで、天童院さんが俺の制服を持って更衣室から出た。紗香は変態委員にトドメの一言を呟く。
「残念だったね、むっつり委員さん?」
その一言で変態委員は動かなくなった。
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