朝起きたら女の子になってた。

スライム3世

旅行 part19



焼肉屋に着いた。

走り出してから、直ぐに焼肉屋を見つけられたので、あまり揺られずに済んで良かった。外装は結構高めな感じの店に見える。

店内に入ると、イケメン店員がやってきた。

「4名様でよろしいでしょうか?」
「はい」
「奥側の席になります。では、ごゆっくりどうぞ」

イケメン店員は席まで案内すると去って行った。見回して内装を見ると暗めな感じで、お洒落だ。他の客もたくさんとは言わないが結構いる。

「じゃあ、何食べましょうか」

母さんはテーブルに置いてあったウォーターポットに入っている氷水をコップに入れながら提案する。

「牛カルビー」
「牛タン」
「軟骨」

姉貴、紗香、俺の順番だ。

「「ナカーマ!」」

(同じ牛だから仲間か。まぁ、軟骨も美味しいから良いよ。ス○ローでも行く度に、軟骨の唐揚げ頼むんだよね)

「じゃあ、私はハラミ」

(母さんも牛か……)

頼む物が決まったので注文する為に店員を呼ぶボタンを押す。

しばらくすると、若い女性の店員が注文を取りにやってきた。

「お待たせしました、ご注文……あぁぁぁぁ!」
「うわぁぁぁぁ!」

女店員は急に驚いた声を上げた。俺もびっくりして声を上げてしまった。

「も、もしかして、君が沙雪ちゃんかな?」

(は?何でこの店員、俺の名前を?)

「あ、ごめんなさい。急に言われても分かりませんよね。お姉ちゃんがバスガイドの仕事をしているんですけど、「沙雪ちゃんって子が可愛いの〜」って写真を送ってきたんです」
「そ、そうですか」

(バスガイドって事はあのバスガイドか!俺に馴れ馴れしく接してきた……それにいつの間に、俺の写真撮ってんだよ)

俺が困惑していると、女店員が詰め寄ってきた。

「写真の物より可愛いな〜 やっぱり、本物じゃないとね!」
「えっと……」
「あ、ごめんなさい、舞い上がってしまいました。私、お姉ちゃんと同じで可愛い物が大好きなんですよね。なので沙雪ちゃんとそのご家族の為に本日はサービスしちゃいますね!」
「は、はぁ」
「では、ご注文をどうぞ」

(あ、対応はちゃんとするのね) 

「牛カルビーと牛タン、軟骨、ハラミでお願いします」
「確認致します。牛カルビー、牛タン、軟骨、ハラミ、クッパ、サラダでございますね」
「あの……」
「少々、お待ち下さい〜〜」

女店員は俺の静止が聞こえていないかの様に無視して去っていった。俺と女店員のやりとりを見ていた3人様は小声で会話していた。

「高級そうな店の料理をサービスしてくれるなんて嬉しいわね」
「それに繋がりが大事という事が分かった」
「そうだね、これは沙雪のおかげ」
「「「美少女特典万歳!!」」」
「やめーや」


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