朝起きたら女の子になってた。
旅行 part18
ラーメン屋を出てからは、歩いてホテル付近まで移動しつつ焼肉屋を探す。だが、そのルールだと早く見つけてしまった焼肉屋に入る事になるので、午後6時以降に見つけた焼肉屋に入るという条件をつけた。なので最低でも3時間ほど歩く。
だが俺は、後悔していた。3時間走るのは無理だけど、歩くなら楽勝と思っていた時期もあったんだ。
その結果は……
「ひぃ…ひぃ……あぁ、しんど……」
ひぃひぃ言いながら、アスファルトで舗装された歩道を歩いていた。
「まだ、半分も残ってるよ」
「無理、限界、おっちんじゃう」
今の時刻は、午後4時半過ぎ。夕日が出るには少し早い時間帯だ。
それにしても誰だ?歩く事に賛成したやつは?
「はぁ……」
ここで問題。
Q. この「はぁ……」はどうして言ってしまったんでしょうか?この中から選べ。
①. 疲れから出てきた息遣い
②. ゴールが見えない事からくる憂鬱な気分に対しての溜息
③. ①と②の両方
正解は……
③でした〜
はい、④と答えた人、ぶっぶーー! 不正解! 俺がそんな事すると思った? 残念でした〜
(……はぁ、しょうもねぇ……)
 *****
歩き始めてから何だかんだで2時間半が経過した。夕日も出始めた頃だ。その頃から、紗香が変な歌を歌い始めた。
「さ〜ゆき〜のお〜なかは、ぷ〜んぷ〜ん丸。ぷ〜んぷん、ぷ〜んぷん鳴〜いて〜いる。
さ〜ゆき〜のし〜んちょう、ち〜びち〜び丸。ぜ〜んぜん、ぜ〜んぜん伸〜びな〜いな。
さ〜ゆき〜の「その不快になる歌やめろ!」ラストスパートだったのに……」
紗香が悲しそうにしている。だけど、演技だから気にしない。
「母さん、疲れたし腹減った。もうゴールしても良いよね?」
「そうね、そろそろ歩くのも飽きてきたから、走りましょうか」
「は?」
「よし、一番は私だ〜」
姉貴は走って先に行ってしまう。
「あ、待ちなさい!」
母さんも姉貴を追いかけて行ってしまった。
「私も「まぁ、待て、そんなに必死になったって人生損するだけだ。考え直そう」じゃあ、背負っていく」
そう言うと、紗香は俺をおんぶして駆け出した。
「揺れる〜 あぁ、夕日に向かって突き進むんだ〜」
「夕日は、反対方向だよ?」
(あ、そうだった。なら、俺を正面から撮れば、夕日がバックから照らしてきて良い絵になりそうだな)
そんな事を俺は、紗香に乗りながら考えるのだった。
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