朝起きたら女の子になってた。
旅行 part6
母さんに色々言われた後、俺は素早く移動する様にした。
「お客様、危険ですので走るのはご遠慮下さい」
「そんな事したら危ないじゃないか」
「はぁ…」
店員の注意を無視して、俺は中央側にある揚げ物や炒め物の料理を皿に掻っ攫って、テーブルに運ぶ。だが、3人様は大量にテーブルに置いてある料理を次から次へとバクバクと食っていた。主に高級そうに見える料理を。
「もう食ってんのか」
「「「当たり前 (だ)(よ)」」」
「食べ放題は戦場よ、時間制限があるのだから」
「それに、元を取らないとな」
まぁ、俺はいいや、あんまり食えないし。こういう時に低燃費ってのは困る。
「いただきマンモス」
まずは、唐揚げから。
「パリッもぐもぐ……」
うん、美味しい。揚げたてが一番良いね。唐揚げは「小麦粉」で揚げていて、竜田揚げは「片栗粉」で揚げてるんだよね。セ○ンイ○ブンの「からあげ棒」は、竜田揚げなんだぜ。表記にも「からあげ棒(竜田揚げ)」って書いてあるし。それなら、「竜田揚げ棒」にしろと言いたい。
次は、スクランブルエッグ。
「ごっくん……」
スクランブルエッグはトロトロだから料理の飲み物って感じがする。ケチャップも付けて更に美味しい。ケチャップと言えば、トマト食えない人がいてケチャップは食べられる人いるよね。俺もそうなんだよね。苦味がどうしても受け付けない。これは男の時も同じだった。
次の料理と行きたい所だけど……、3人様がうるさいんだが。もっと俺みたいに優雅に食べられないかね。
「お姉ちゃん、これ美味しい。タッパーに詰めよ?」
「そうか、ならこっちのも頼む」
(何処から持ってきたんだ!?)
「紗香さん?それはいけない事ですよ?」
「ん?そこにお持ち帰りOKって書いてあるよ」
そう言われて見ると、テーブルの角に紙が貼ってあった。
そこには、「こちらのお客様、お持ち帰りOK」と書かれていた。
「あぁ、良いのかって違うだろ。何だよ、こちらのお客様ってのは!」
「いやねぇ、私達は何もしてないわよ」
「あぁ、そうだ、何もしてない。私がちょっと「今、とても生活が厳しいんです……。家には私の子供がいるんですけど、その子がお腹を抑えて言ってくるんです。「お母さん、お腹が空いたよ……」って私はその言葉を聞く度に辛くて、悔しくて…… だから!お持ち帰りして良いですよね?オーナー」って言っただけだぞ」
「何なんだよ、その作り話は……。それに最初は感情篭ってたけど、ラストになって真顔で言うの止めてくれませんかね?というかお母さんって姉貴はいつ母親になった?」
「今日、空港で母親になったぞ」
「俺を暖房にした時かよ!」
「良いじゃねぇか、今日は私が母親プレイで沙雪を寝かせてやるからよ」
「もういいわ……」
(何だよ、母親プレイって……。「沙雪ちゃん寝ましょうね〜、ぁ〜よちよち、よく出来まちたね〜」ってか?姉貴がそんな事してきたら、笑うどころかトラウマになりそうだわ)
*****
バイキングを終えた俺達は、部屋に戻ってきた。終始、「あそこの席の子可愛くない?」とか「おい、お前、声掛けろよ」とか聞こえてきたけど、母さん達は聞こえてないのか無視して食っていた。
でも、近づいてきた人は姉貴が食べながら睨みつけていた。どこかのエリート野菜人が「食べ物の恨みは恐ろしいのだー!」とか言ってそう。
「たくさん、食べたわね」
「あぁ、食った食った」
「お持ち帰りも出来たし良かったよ。お風呂入った後の夜食にしようかな」
本当にタッパーに料理入れてお持ち帰りしてきたんだよね。冷めても美味しく食べられる物しか入ってないけど。
「お風呂か、少し休んだら温泉に入りに行くか」
(あ、温泉の事、色々あったから、すっかり忘れてたわ。どうせ覗けないしなぁ……。それに部屋に浴室あったからそれで良いや)
「俺は今日、温泉はパス」
「え…?」
ん?何で紗香は驚いているんだ?
「沙雪、温泉行かないの?」
「めんどくさいし行かない」
その返答を聞いた紗香は俺の所まで来て小声で耳打ちしてきた。
「行かないなら、沙雪が覗こうと思ってた事ばらすよ?」
(何その脅し?素直にやめて欲しい。のぞき魔って言われたら泣くぞ)
「分かったよ、行きますよ」
「ありがと、沙雪」
(何でお礼を言われたのかも謎なんだが……)
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