世界を渡る私のストーリー
ある神話の世界7
果てしなく暗闇が広がる朝、私とデザルマハザルは軍団の前に出て魔法を放つ。
『『いまこの世界になき光よ、我ら2人の神が命ずる。端々よりその欠けら集い、その輝きの理り尽きるまで光を放て』』
魔法の詠唱が終わると、世界のいたるところに残っていた僅かな光が輝き出し発光する。
そして、目の前に広がるのは光だけではない。
「…結構な数がいるようだが、これを全部くぐり抜けなければあの影とは戦えぬか」
「言い換えれば、これだけ出したんだからあいつを倒せば全て終わりってことよね」
「全て倒しても無尽蔵に湧くのなら中心にいるやつを倒すのが先決か。ならここは私がツヅリを連れて飛び、拠点に乗り込んで奴を処理したほうがいいだろう」
「…まぁ、あやつらも連日の戦闘で学習してそう上手くはいかぬようだがな。見よ」
デザルマハザルは意気揚々と翼を用意していたミレーナに空を見るように顎を動かす。
ミレーナはそれにつられて上空にいる見慣れた魔獣の中に巨大な何かが混じっているのに気づいた。
それは黒く大きな翼、鋭い爪と鋭利な牙。首を長くしその体はテカリと黒光りし、遠くで見ても分かるほどに硬い鱗で覆われたから魔獣。
それはミレーナも見知ったものだ。
「…あれはドラゴン…!デザルマハザル様よりも大きなドラゴンまで作れるのか!?」
「我輩もあのように大きな竜は初めて見た。おそらくは影で出した魔獣の中でも特に手強い奴だろう、あれだけとは限らん、他も規格外が混じっているだろうから皆も十分に注意せねばならぬ」
ここまで着いてきた者たちもそれを聞いてゴクリと生唾を飲む。
だが、そこまでの絶望的な情報を聞いて逃げ出す者はいない。
彼らはここまで着いてきた戦士達だ。全員覚悟の上で来たのでどんな敵が来ようと戦うだけだ。
その面々を見て私は安心した。
「大丈夫、女神である私ペルノマリアがついています。ここまで来たのですから、絶対に貴方達を影の元に導きます!」
鼓舞するように私が彼らに言うと、彼らも声を上げる。
「ここで俺たちの意地を見せてやろう!」
「どんな魔獣も、俺たちならなんとか出来るはずだ!」
「そうよ、私達は勇者達のお荷物なんかじゃないんだから!」
「行くぞテメェら!あんな化け物相手に負けるんじゃねえぞ!!」
「「「「「「ウォォォォォォーーー!!!」」」」」
最期に彼らの意思を上げるように、亜人の中でも特に凶暴で協調性がないと言われるオークが声を張り上げる。
それに続いて人間、エルフ、ゴブリン、鳥人、獣人、ゴーレム…もはや形も姿も性別も種族もバラバラの彼らは武器を掲げて一斉に雄叫びをあげる。
彼らの準備は整った。
あとは攻めるのみだ。
「行くぞ、しっかり掴まっておれ!」
デザルマハザルが先に翼を使い空を飛び、魔獣どもの真上を飛翔する。
その背にはツヅリとリアンが乗っている。
地上にいる魔獣達の中でも特異性が低い者は次々とデザルマハザルを追いかけようと翼や浮遊を使うが、それを全て1人の騎士が斬り落としていく。
「巨悪ではなく烏合の相手をするのは私としては不満があるが、人々を守る戦いが出来るのならこれほど燃えるものもないな」
そう言ってミレーナは天使の翼を広げ、神速の域に達した速度で魔獣を切り刻んで行く。
その後に私や兵士たちも続く。
私は主に支援と回復を担当していた。これでも神様なので、重傷を負った者もすぐに完治できる。
兵士たちは微力ながらも、ミレーナが斬り殺し損ねた魔獣を片付ける。
少しでも数を減らしながら、ツヅリ達が全てを終わらす間踏ん張る。
それが作戦だ。
としばらくしてから上空で眩い閃光が走る。
それに遅れてズドンと、上空から大きな音と共に漆黒のドラゴンが頭を無くした状態で降ってきた。
上空から降ってきたドラゴンに、多くの魔獣が潰される。
私は影のいる場所に向かう黄金の輝きを放つデザルマハザルとツヅリ達を見送りながら、再び戦場に向き合った。
『『いまこの世界になき光よ、我ら2人の神が命ずる。端々よりその欠けら集い、その輝きの理り尽きるまで光を放て』』
魔法の詠唱が終わると、世界のいたるところに残っていた僅かな光が輝き出し発光する。
そして、目の前に広がるのは光だけではない。
「…結構な数がいるようだが、これを全部くぐり抜けなければあの影とは戦えぬか」
「言い換えれば、これだけ出したんだからあいつを倒せば全て終わりってことよね」
「全て倒しても無尽蔵に湧くのなら中心にいるやつを倒すのが先決か。ならここは私がツヅリを連れて飛び、拠点に乗り込んで奴を処理したほうがいいだろう」
「…まぁ、あやつらも連日の戦闘で学習してそう上手くはいかぬようだがな。見よ」
デザルマハザルは意気揚々と翼を用意していたミレーナに空を見るように顎を動かす。
ミレーナはそれにつられて上空にいる見慣れた魔獣の中に巨大な何かが混じっているのに気づいた。
それは黒く大きな翼、鋭い爪と鋭利な牙。首を長くしその体はテカリと黒光りし、遠くで見ても分かるほどに硬い鱗で覆われたから魔獣。
それはミレーナも見知ったものだ。
「…あれはドラゴン…!デザルマハザル様よりも大きなドラゴンまで作れるのか!?」
「我輩もあのように大きな竜は初めて見た。おそらくは影で出した魔獣の中でも特に手強い奴だろう、あれだけとは限らん、他も規格外が混じっているだろうから皆も十分に注意せねばならぬ」
ここまで着いてきた者たちもそれを聞いてゴクリと生唾を飲む。
だが、そこまでの絶望的な情報を聞いて逃げ出す者はいない。
彼らはここまで着いてきた戦士達だ。全員覚悟の上で来たのでどんな敵が来ようと戦うだけだ。
その面々を見て私は安心した。
「大丈夫、女神である私ペルノマリアがついています。ここまで来たのですから、絶対に貴方達を影の元に導きます!」
鼓舞するように私が彼らに言うと、彼らも声を上げる。
「ここで俺たちの意地を見せてやろう!」
「どんな魔獣も、俺たちならなんとか出来るはずだ!」
「そうよ、私達は勇者達のお荷物なんかじゃないんだから!」
「行くぞテメェら!あんな化け物相手に負けるんじゃねえぞ!!」
「「「「「「ウォォォォォォーーー!!!」」」」」
最期に彼らの意思を上げるように、亜人の中でも特に凶暴で協調性がないと言われるオークが声を張り上げる。
それに続いて人間、エルフ、ゴブリン、鳥人、獣人、ゴーレム…もはや形も姿も性別も種族もバラバラの彼らは武器を掲げて一斉に雄叫びをあげる。
彼らの準備は整った。
あとは攻めるのみだ。
「行くぞ、しっかり掴まっておれ!」
デザルマハザルが先に翼を使い空を飛び、魔獣どもの真上を飛翔する。
その背にはツヅリとリアンが乗っている。
地上にいる魔獣達の中でも特異性が低い者は次々とデザルマハザルを追いかけようと翼や浮遊を使うが、それを全て1人の騎士が斬り落としていく。
「巨悪ではなく烏合の相手をするのは私としては不満があるが、人々を守る戦いが出来るのならこれほど燃えるものもないな」
そう言ってミレーナは天使の翼を広げ、神速の域に達した速度で魔獣を切り刻んで行く。
その後に私や兵士たちも続く。
私は主に支援と回復を担当していた。これでも神様なので、重傷を負った者もすぐに完治できる。
兵士たちは微力ながらも、ミレーナが斬り殺し損ねた魔獣を片付ける。
少しでも数を減らしながら、ツヅリ達が全てを終わらす間踏ん張る。
それが作戦だ。
としばらくしてから上空で眩い閃光が走る。
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上空から降ってきたドラゴンに、多くの魔獣が潰される。
私は影のいる場所に向かう黄金の輝きを放つデザルマハザルとツヅリ達を見送りながら、再び戦場に向き合った。
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