世界を渡る私のストーリー
英雄紛いの偽物8
彼からもらったペンダントをそれから私は肌身離さず持ち歩いた。
パーティーのみんなには良かったねとか言われて鼻が高かった。
しかし、中身を誰かに見せるような事はしなかった。
あの絵は私の英雄で、私だけの彼だから。
そう思い、大切にしてきた。
「南の未踏の地には魔王がいる。それを退治せよ」
そう王から直々の勅命が届いたのは船で南に未踏の地に行くという時だった。
大陸の端まで長い旅だったのに、今更魔王を倒せと言われて私たちは戸惑ったが、勇者は躊躇わずにそれに従う。
他の仲間達も首を縦に振って動向の意を決める姿を見て私も着いて行く。
危険すぎる旅だった。
魔王の幹部とか色々と、未踏の地は休む場所がないくらい過酷でそれこそ私がついて行っていいのかわからなくなるような場所だ。
でも彼は諦めずに前へと進む。
私はそれに従って突き進む。
彼が好きだから。
その道中、あの老人と出会った。
私たちパーティーの目の前に現れた奴は、私達にいきなり攻撃を仕掛けた。
みんなで必死に戦ったが、老人はそれこそ今までの魔獣達や魔王の幹部以上…いや、生きている世界が違うどころか、そもそもこの世界にいてはいけない強さで、仲間達はどんどん殺されていった。
私は最後に勇者の前に立って少しでも時間を稼ごうと足掻こうとした。
生きたい!
生きたい!
生きて彼と彼の大切な人と一緒に未来を見たい!!
そう思いながら老人に最後の攻撃を仕掛ける。
盗賊としての最大瞬足。
それを利用して。
しかし、それを弱った羽虫を落とすように止め、地面に勢いよく叩き落とす。
骨が折れる音がいくつも聞こえ、口の中や内臓が血まみれになるのがわかった。
(あ、死ぬんだ私…)
それを知覚し自覚したのを最後に、私の意識は落ちた。
意識が無くなる直前、彼と老人が敵対しながらなんらかの会話をしていたのを覚えている。
「…は、ここ……僕は絶……!」
「カカカ、ま……契約して…楽に…」
「クソ……!」
「……逃げ……愚かな」
それを耳にしてから、私は暗闇に落ちる。
パーティーのみんなには良かったねとか言われて鼻が高かった。
しかし、中身を誰かに見せるような事はしなかった。
あの絵は私の英雄で、私だけの彼だから。
そう思い、大切にしてきた。
「南の未踏の地には魔王がいる。それを退治せよ」
そう王から直々の勅命が届いたのは船で南に未踏の地に行くという時だった。
大陸の端まで長い旅だったのに、今更魔王を倒せと言われて私たちは戸惑ったが、勇者は躊躇わずにそれに従う。
他の仲間達も首を縦に振って動向の意を決める姿を見て私も着いて行く。
危険すぎる旅だった。
魔王の幹部とか色々と、未踏の地は休む場所がないくらい過酷でそれこそ私がついて行っていいのかわからなくなるような場所だ。
でも彼は諦めずに前へと進む。
私はそれに従って突き進む。
彼が好きだから。
その道中、あの老人と出会った。
私たちパーティーの目の前に現れた奴は、私達にいきなり攻撃を仕掛けた。
みんなで必死に戦ったが、老人はそれこそ今までの魔獣達や魔王の幹部以上…いや、生きている世界が違うどころか、そもそもこの世界にいてはいけない強さで、仲間達はどんどん殺されていった。
私は最後に勇者の前に立って少しでも時間を稼ごうと足掻こうとした。
生きたい!
生きたい!
生きて彼と彼の大切な人と一緒に未来を見たい!!
そう思いながら老人に最後の攻撃を仕掛ける。
盗賊としての最大瞬足。
それを利用して。
しかし、それを弱った羽虫を落とすように止め、地面に勢いよく叩き落とす。
骨が折れる音がいくつも聞こえ、口の中や内臓が血まみれになるのがわかった。
(あ、死ぬんだ私…)
それを知覚し自覚したのを最後に、私の意識は落ちた。
意識が無くなる直前、彼と老人が敵対しながらなんらかの会話をしていたのを覚えている。
「…は、ここ……僕は絶……!」
「カカカ、ま……契約して…楽に…」
「クソ……!」
「……逃げ……愚かな」
それを耳にしてから、私は暗闇に落ちる。
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