世界を渡る私のストーリー
無力な私が愛した支配者3
それから2日後、国中に吉報が届いた。
内容は侵攻していた3種族の連合軍が壊滅し、指揮官を捕虜にしたという報告だった。
信じられない内容とともにもう1つ信じられない情報も入った。
連合軍を壊滅し指揮官を捕らえる。それを行なったのがたった1人の男という事実に。
国中に歓喜と動揺の色が広がる。
私も報告を聞いても信じられずにいた。
でももっと驚いたのがそれを行なった人物。
王との謁見を許され、王から元帥の勲章を貰う式典。
全ての功績を挙げた人物の顔を見るべく出席して、初めて顔を見る。
「…え?」
私はその顔を見て呆気にとられた。
そこにいたのはかつて愛していた彼。
昔と違って野心に満ち溢れた精悍な顔の彼だ。
授与式を終えた後も私はあの変わらない彼を思っていた。
私と同じように転生したのか、それとも顔が似ているだけの人物か。
それだけが頭の中でグルグルと回る。
だが考えている間にも物事は進んでいった。
それから2週間過ぎた頃、オークとゴブリンの国が滅んだ。
それもまた彼1人で、種族の女子供全てを殺戮した。
その報告を聞いてすぐに私は「彼ではない」と別人説を私の内で推すことにした。
彼は、そこまで残酷じゃなかった。
きっとそうだった。
この時は思っていた。
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