世界を渡る私のストーリー
羽根の生えた騎士8
結局は何にもならなかった。
その現実に私はただ落胆し、努めて冷静なフリをしていた。
彼女も言っていたはずだ。
数億という年を掛けて探しても見つからないと。
数え切れない数の世界を渡ったと。
それでも想い人の姿形はどの世界にも無かった。
誰かを探す旅、それがどれだけ重く、厳しいものなのかをミ私は身を以て実感した。
何度も経験していたのか、何度も出会い別れを繰り返していたのか、何度も私みたいな人と出会って永遠に会えなくなるのか。
私はこれらの事を体験したからわかる。
だからこそ、目の前でいなかった現実に『仕方ない』といった顔で次の世界へと続く道を作ろうとするツヅリの考えが分からなかった。
「ツヅリ…もう行ってしまうのか?」
「うん、だってここには彼がいなかったからね。ミレーナ、貴女との旅はとても楽しかったわ。じゃあね」
彼女が手にした切符。
そこから迸る閃光と未だかつて見たことがない莫大な魔力を放ち、一本の暗黒へと続く道が出来上がる。
先が見えないその道の先。
初めて見た『世界を渡る』魔術の行使に私はすぐには動けなかった。
天使の力を持っている私でも感じた。
ただ渡るだけの魔力量ではない。
可能ならば世界を一から作り変えてしまうほどに強力なモノだ。
創造主ですら越えるかもしれない頂上の力、その切符は『世界を渡るだけ』の効力しか持っていない。
その現実に私はただ落胆し、努めて冷静なフリをしていた。
彼女も言っていたはずだ。
数億という年を掛けて探しても見つからないと。
数え切れない数の世界を渡ったと。
それでも想い人の姿形はどの世界にも無かった。
誰かを探す旅、それがどれだけ重く、厳しいものなのかをミ私は身を以て実感した。
何度も経験していたのか、何度も出会い別れを繰り返していたのか、何度も私みたいな人と出会って永遠に会えなくなるのか。
私はこれらの事を体験したからわかる。
だからこそ、目の前でいなかった現実に『仕方ない』といった顔で次の世界へと続く道を作ろうとするツヅリの考えが分からなかった。
「ツヅリ…もう行ってしまうのか?」
「うん、だってここには彼がいなかったからね。ミレーナ、貴女との旅はとても楽しかったわ。じゃあね」
彼女が手にした切符。
そこから迸る閃光と未だかつて見たことがない莫大な魔力を放ち、一本の暗黒へと続く道が出来上がる。
先が見えないその道の先。
初めて見た『世界を渡る』魔術の行使に私はすぐには動けなかった。
天使の力を持っている私でも感じた。
ただ渡るだけの魔力量ではない。
可能ならば世界を一から作り変えてしまうほどに強力なモノだ。
創造主ですら越えるかもしれない頂上の力、その切符は『世界を渡るだけ』の効力しか持っていない。
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