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お母さんは女神です

緑茶

3.僕の願い

「僕」視点です。


最期に泣き止んだ顔が見れてよかった。僕が死ぬ間際に思ったことは、妹の事だった。僕は、不運な人生を送ったかもしれないが、ある程度は幸せだった、と思える最期だった。

死んでしまった僕は暖かいものに包まれたまま、天へと登っていくのを感じた。まるで僕を祝福するように、美しい光が僕を取り囲む。あぁ、なんて素晴らしいんだろう。死ぬのも悪くない。僕は静かに目を閉じた。

熱い。僕は、頬のあたりに強い熱を感じて、うっすらと目を開けた。僕と同じく亡くなった人だろうか。半透明の、平々凡々な容姿の男の人が強く輝きながら、僕の横を通り過ぎて行った。僕は、驚いてその人をじっと見つめた。

その人は、目をつぶりながら、切に何かを願っているようだった。そんなに願うがあるのか。僕は何も無い。今がとても幸福に感じるから。

そのとき、僕の脳裏に、妹の笑顔が浮かんだ。

僕には何も無い?そんな訳ないじゃないか。僕だって、ある。ひとつだけどうしても叶えたい願いが。僕はどうして忘れていたんだろう。

僕は、たったひとりの小さな妹すらも笑顔にすることが出来なかったんだ。

僕は、強く願った。強く思った。笑顔にできるように。笑顔を守れるように。強く。強く。身体が熱くなるほど、強く。

…熱く?僕が疑問に思った時には、僕はあの男の人のように、輝いていた。目を開けていられないほど強い光に包まれた僕は、柔らかな光に包まれて、ふわりと浮かび上がった。


今回は、とても短いです。
読んでいただき、ありがとうございます。
コメント、フォローありがとうございます。
本当に嬉しかったです。

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