俺が道端で拾った本はただの本じゃなかった件について
第3話:能力
こうして俺は強敵だった姉さんからアスカを居候にさせる許しをもらったので今は俺の部屋でアスカの事情説明を行っている。
アスカ「ここが修一の部屋か。意外と片付いておるの」
修一「意外って失礼だな」
初めて人の部屋に入った友達みたいな反応をアスカは示す。まぁそりゃそうか。ここに住むんだからそんなに堅苦しくしていたら面倒か。
アスカ「本当にわしはここに住んで良いのか?」
修一「うん。布団は別にして敷くからそれ以外だったら普段は好きに使っていいよ」
アスカ「それはまことにかたじけない」
修一「気にしなくていいよ。まぁとりあえず座ってよ。立ったままだと話しづらいでしょ?」
俺はアスカとの話を進めるために座らせた。
ここからが本題なのだがアスカには色々と答えて欲しいことが山ほどある。やっぱり一番知りたいことはアスカがこことは違う世界つまり「異世界」についてだ。
修一「アスカはこことは違う異世界から来たんだよね?どんな世界なの?」
この質問はあまりにも唐突すぎたか?逃げてきたんだったら言いにくいこともあるだろうな。もっとゆっくり話すべきだったか。
アスカ「おぉ!やはり気になるか!今日からお主の家に世話になるからの。教えなくては罰が当たるの。」
修一「いや、そこまで思わなくていいよ。アスカにも教えたくない秘密もあるだろうし。それでアスカが住んでいた世界ってどんなとこ?」
アスカ「わしの住んでいた世界か。その世界は人間が住んでいるのではなく本が主に生活している世界じゃな」
アスカが唐突に話した言葉を頭に思い浮かべるが何かメルヘンチックな世界しかイメージできない。
修一「つまり、本自体が活動する世界なの?」
アスカ「うむ。本といってもお主たちが基本手にしているあの紙の束ではないぞ?姿はお主たち人間と同じじゃ」
修一「本の世界ならどうやって命が誕生するの?」
アスカ「不思議なことになわしの世界にはある大きな樹があるんじゃ。その名前はMother(マザー)本はみんなそこから出る光の中から誕生するんじゃ」
修一「じゃあ例えば夏目漱石とかの有名な作者が書いた本もアスカの世界じゃ人の姿で生活しているの?」
アスカ「そうじゃの。確かにこっちの世界の本はすべてわしの世界では人として生きている。ちなみに夏目漱石が書いた本の「坊ちゃん」などはわしの世界では議員のような偉い仕事をしている。」
修一「やっぱり有名な本だとそっちでも自然と有名になるのかな?」
アスカ「確かにそうじゃの。こちらの世界で有名になるとわしの世界でも勝手に有名になる仕組みじゃ」
つアスカが話していることをまとめるとこの世界で出版している本はアスカの住んでいた世界「異世界」では人として人間と同じような生活を送っている。
そして出版している本が有名だと異世界でも有名になるらしい。
修一「じゃあアスカの作者は誰なの?」
この会話をしていたら誰もがアスカに対してこの質問をするだろう。だが、アスカのほうはこの質問を予想していなかったらしくアスカの動きが一瞬止まった。
アスカ「やはり、そうくるか…」
俺は何かマズイ質問をしただろうか。アスカは気まずそうに俺と目を合わせようとしない。
アスカ「実はな…わしは自分の作者がわからないのじゃ。どこの誰がわしを書いたのか、わしはどんな話なのか、わしの作者は今どうしているのか…そして、何故わしの記憶はなくなっているのか。覚えていることはわしが本だったこと。だからその真実を探しにこの世界に来たというわけじゃ」
そういうわけか。つまりアスカ自身が今困っていることは、
1.自分の記憶を失っていること。
2.元の世界に帰れないこと。
3.アスカ1人だけでは情報収集が全くできないこと。
この3つのことから俺が言えることはまだ何もない。ただアスカは俺と出会うまではどうしていたんだろう。ちょっと聞いてみるか。
修一「アスカは俺と出会う今までどうやって情報を集めてたの?」
アスカ「今のところは町内の本屋などの一般的に本が出回る場所を見ておった」
修一「出版社に問い合わせとかはしなかったの?」
アスカ「何度かやってみてはいたのじゃがこの体や声のため子どものイタズラにしか思われず全く相手にされなかったのじゃ…」
修一「ははは…そうなのか。それは色々大変だったね」
アスカ「別にこの生活には慣れているからの。どうってことはない!」
嘘だ。実際はかなりきつかったはずだ。一人で寂しく右も左もよくわからないような世界でダンボール生活を送るなんて心や体に大きな負担がかかるだろう。
修一「アスカ、今まで辛かったよな。これからは俺も協力するから一人で悩んでいないで俺に何でも相談しろよ?」ギュッ
俺は無意識的にアスカに抱きついた。決して慰めにもならないだろうが少しは心が落ち着けるといいんだが。
アスカ「そそそそうか///修一がそう言うのであればお言葉に甘えるとするかのう///」
何か今の反応は何故か繭にとても似ていた気がするが…ま、どうでもいいか。
アスカ「では修一、早速頼みがあるのじゃが…」
修一「何?遠慮しないでなんでも言ってよ」
アスカ「では言わせてもらうが。そのーわしの背中を流してくれぬか?」
修一「つまりお風呂に入りたいの?」
アスカ「うむ。ダンボール生活が長かった故、なかなか風呂に入る機会がなくての。お主との親睦を深める意味も込めて一緒に入ってくれ」
えーと、困った。なんでも言えって言ったけど流石に一緒にお風呂に入るのは世間的にはどうなのだろうか。高校生が幼女とお風呂に入るなんて犯罪のような気がするのだが…
修一「分かった。とりあえずお湯を入れてくる」
ー5分後ー
修一「おまたせ。もう入れるけどすぐに入る?」
アスカ「お、早いな。では入るとるかの」
修一「アスカ…その、俺も入らなくちゃ駄目か?」
親睦を深める意味で風呂に誘ってきた相手に対して失礼な行動だが流石に幼女と入るのはかなり問題がある。
アスカ「何を言っておる?2人の親睦を深めるのに2人とも別々の場所におっては意味がなかろう?」
確かにそうだ。アスカの言っていることが正しい。だが世間のことを考えてくれ」
アスカ「もしかして緊張しておるのか?安心しろ!わしはこう見えてもお前の何倍も年上じゃ!」
え、そうなの?幼女体系だからすっかり年齢はそこまでないと思っていた。
アスカ「何を長く考えておる!湯が冷めてしまうではないか!早く入るぞ!」
修一「うわっ!」
ドボーン!
考えていたらアスカに服のまま無理やり入らされてしまった。
アスカ「おーやっぱり温かい風呂は格別じゃのう。疲れが取れるぞ」
修一「異世界じゃどんな風呂なの?」
アスカ「主に五右衛門風呂じゃの。金持ちの家になるとこれと同じ奴があると思うが」
修一「異世界の人ってどんな家に住んでいるの?」
アスカ「Motherの周りには大きな街があってな、そこに皆は住んでいる。これが一般的な住民の暮らし方じゃ」
修一「じゃあそれ以外の人たちってどこで暮らしているの?」
アスカ「位が高くなるとMotherの根元に屋敷があるからそこに暮らしておる」
そうなんだ。今の俺の中でのイメージは昭和と中世時代が混ざったような街が想像できる。
アスカ「まだ他にも質問はあるか?」
修一「へっ?」
アスカ「さっきから尋問のように質問ばかりをしているではないか。確かに自分の住んでいる世界とは別の所じゃから興味があるのはわかるがゆっくりと話さんか?あまり早く知りすぎても後が面白くなかろう」
そうだな。ちょっと焦りすぎたみたいだ。異世界の話はいつでも聞ける。俺の今やるべきことはアスカの記憶を戻すこととアスカを元の世界に返してあげることだ。そのことを忘れないようにしないと。
修一「ごめんねアスカ。俺少し焦りすぎたわ。また今度ゆっくり話を聞かせくれよ」
アスカ「反省しておることだし今回は許してやろう。」じゃがまだ知りたそうにしておるから最後に風呂を出てから本が持っている能力を教えてやろう」
何だそれは。かなり魅力的な話ではないか。これは見ずにはいられない。ぜひ見せてもらおう。
ー5分後ー
アスカ「修一、準備はできたか?」
修一「うん、いつでも大丈夫」
風呂を出てからアスカは服に着替えてすぐに術を唱えるためか忍法のポーズをしている。
アスカ「ふぬぬぬぬっ」
アスカが力を込めると周りが地響きを起こし家具が宙を浮いている。
修一「うおぉぉっ!」
アスカ「見たか!これがわしの持つ能力。物を宙に浮かせる能力じゃ!」
これはすごい。どんな重い家具でも天井近くまで浮かび上がっている。そして今俺の乗っていたカーペットが俺ごと浮いている。
修一「すげぇ!本はこんなことができるのか!」
アスカ「本というのはなそれぞれいくつかの能力を持っておる。有名な本ほど沢山の能力を持っておるがわしのような無名な本は能力は一つを維持するのが限界なんじゃ」
修一「いやいや、全然すごいよ!物を浮かせることができるなんてかなりレアなんじゃないの?」
アスカ「いや、わしの持つ物を浮かせる能力は誰でも持つことができる。言わば生まれたばかりの赤子でもこのくらいならできるということじゃな」
修一「そ、そうなんだ.…なんかごめん…」
でも、まさか本の一つ一つに能力を持ってるなんて思わなかぅた。しかも一番下の階級で物を浮かせる能力なんて一番上の奴はどれだけすごい能力を持っているんだろう。
修一「本は最大でどれだけの能力を持てるの?」
アスカ「うーむ、これは説明が難しくてな。まず今わしが持っておる能力は簡単に言うとレベル1の状態で入手できる能力じゃな。これは本自身が有名になると自然と能力が増えていくだから能力の数がいくつまでとはないのじゃ」
修一「そっか。つまりアスカは今レベル1ってことか」
アスカ「うむ。わかりやすく言うとそうなるな。ただ本には一つだけ変わった能力を持つことがある。その能力は本に書かれている能力じゃ」
修一「えっと、つまりどういうこと?」
アスカ「例えばわしが火のことに関する小説が書かれている本だとする。そうすると生まれた時からわしは火の能力に特化した本になるのじゃ。わしらはこの能力のことをユニークスキルと呼んでいる。」
修一「アスカにはそのユニークスキルは使えないの?」
アスカ「ある程度察しがついていると思うがわしは今自分の記憶を失っている。だから自分がどんな内容の本かわからないためユニークスキルを使ことができないのじゃ」
そうか、だがこれは有力な情報だ。アスカが自分の記憶さえ思い出すことができればユニークスキルを使って元の世界に返すことに加担できるかもしれない。そうなるとどうやったら使えるようになるのかわからないといけないな。
修一「アスカのユニークスキルは記憶を思い出したら使えるようになるのか?」
アスカ「結果から言うとそうじゃな。だが今は手掛かりが何もないためどうすることもできん」
確かにそこが問題だな。アスカの記憶を探すことは明日から行うしかないか。だが最初にどこへ行くべきだろうか。何の手掛かりもないから本屋に行くにしてもどこから探せばいいのか…
修一「アスカ…」
アスカ「なんじゃ?」
修一「お前のその話し方は生まれつきの癖なのか?」
アスカ「そうじゃな。確かに物心がつく頃には既にこの話し方じゃったな」
じゃなじゃな…アニメとかではこの話し方は珍しくはないが本になると…ん!?
修一「分かった!!」 アスカ「ビクッ!!」
アスカ「な、何じゃいきなり叫びおって何がわかったんじゃ?」
修一「少しだがお前の記憶を取り戻す手掛かりができたかもしれない!」
アスカ「本当か!?で、何じゃ!?」
修一「まだ断定はできないから明日本屋に行ってから教える」
アスカ「そうなのか?まぁ期待せずに待っておるぞ」
まだこれは予測なのだがアスカは…
今回はここまでです。
最近何かとトラブルが多かったため更新がかなり遅れてしまいました。申し訳ありません。
次回はもっと早く更新するので次回もご期待ください。
アスカ「ここが修一の部屋か。意外と片付いておるの」
修一「意外って失礼だな」
初めて人の部屋に入った友達みたいな反応をアスカは示す。まぁそりゃそうか。ここに住むんだからそんなに堅苦しくしていたら面倒か。
アスカ「本当にわしはここに住んで良いのか?」
修一「うん。布団は別にして敷くからそれ以外だったら普段は好きに使っていいよ」
アスカ「それはまことにかたじけない」
修一「気にしなくていいよ。まぁとりあえず座ってよ。立ったままだと話しづらいでしょ?」
俺はアスカとの話を進めるために座らせた。
ここからが本題なのだがアスカには色々と答えて欲しいことが山ほどある。やっぱり一番知りたいことはアスカがこことは違う世界つまり「異世界」についてだ。
修一「アスカはこことは違う異世界から来たんだよね?どんな世界なの?」
この質問はあまりにも唐突すぎたか?逃げてきたんだったら言いにくいこともあるだろうな。もっとゆっくり話すべきだったか。
アスカ「おぉ!やはり気になるか!今日からお主の家に世話になるからの。教えなくては罰が当たるの。」
修一「いや、そこまで思わなくていいよ。アスカにも教えたくない秘密もあるだろうし。それでアスカが住んでいた世界ってどんなとこ?」
アスカ「わしの住んでいた世界か。その世界は人間が住んでいるのではなく本が主に生活している世界じゃな」
アスカが唐突に話した言葉を頭に思い浮かべるが何かメルヘンチックな世界しかイメージできない。
修一「つまり、本自体が活動する世界なの?」
アスカ「うむ。本といってもお主たちが基本手にしているあの紙の束ではないぞ?姿はお主たち人間と同じじゃ」
修一「本の世界ならどうやって命が誕生するの?」
アスカ「不思議なことになわしの世界にはある大きな樹があるんじゃ。その名前はMother(マザー)本はみんなそこから出る光の中から誕生するんじゃ」
修一「じゃあ例えば夏目漱石とかの有名な作者が書いた本もアスカの世界じゃ人の姿で生活しているの?」
アスカ「そうじゃの。確かにこっちの世界の本はすべてわしの世界では人として生きている。ちなみに夏目漱石が書いた本の「坊ちゃん」などはわしの世界では議員のような偉い仕事をしている。」
修一「やっぱり有名な本だとそっちでも自然と有名になるのかな?」
アスカ「確かにそうじゃの。こちらの世界で有名になるとわしの世界でも勝手に有名になる仕組みじゃ」
つアスカが話していることをまとめるとこの世界で出版している本はアスカの住んでいた世界「異世界」では人として人間と同じような生活を送っている。
そして出版している本が有名だと異世界でも有名になるらしい。
修一「じゃあアスカの作者は誰なの?」
この会話をしていたら誰もがアスカに対してこの質問をするだろう。だが、アスカのほうはこの質問を予想していなかったらしくアスカの動きが一瞬止まった。
アスカ「やはり、そうくるか…」
俺は何かマズイ質問をしただろうか。アスカは気まずそうに俺と目を合わせようとしない。
アスカ「実はな…わしは自分の作者がわからないのじゃ。どこの誰がわしを書いたのか、わしはどんな話なのか、わしの作者は今どうしているのか…そして、何故わしの記憶はなくなっているのか。覚えていることはわしが本だったこと。だからその真実を探しにこの世界に来たというわけじゃ」
そういうわけか。つまりアスカ自身が今困っていることは、
1.自分の記憶を失っていること。
2.元の世界に帰れないこと。
3.アスカ1人だけでは情報収集が全くできないこと。
この3つのことから俺が言えることはまだ何もない。ただアスカは俺と出会うまではどうしていたんだろう。ちょっと聞いてみるか。
修一「アスカは俺と出会う今までどうやって情報を集めてたの?」
アスカ「今のところは町内の本屋などの一般的に本が出回る場所を見ておった」
修一「出版社に問い合わせとかはしなかったの?」
アスカ「何度かやってみてはいたのじゃがこの体や声のため子どものイタズラにしか思われず全く相手にされなかったのじゃ…」
修一「ははは…そうなのか。それは色々大変だったね」
アスカ「別にこの生活には慣れているからの。どうってことはない!」
嘘だ。実際はかなりきつかったはずだ。一人で寂しく右も左もよくわからないような世界でダンボール生活を送るなんて心や体に大きな負担がかかるだろう。
修一「アスカ、今まで辛かったよな。これからは俺も協力するから一人で悩んでいないで俺に何でも相談しろよ?」ギュッ
俺は無意識的にアスカに抱きついた。決して慰めにもならないだろうが少しは心が落ち着けるといいんだが。
アスカ「そそそそうか///修一がそう言うのであればお言葉に甘えるとするかのう///」
何か今の反応は何故か繭にとても似ていた気がするが…ま、どうでもいいか。
アスカ「では修一、早速頼みがあるのじゃが…」
修一「何?遠慮しないでなんでも言ってよ」
アスカ「では言わせてもらうが。そのーわしの背中を流してくれぬか?」
修一「つまりお風呂に入りたいの?」
アスカ「うむ。ダンボール生活が長かった故、なかなか風呂に入る機会がなくての。お主との親睦を深める意味も込めて一緒に入ってくれ」
えーと、困った。なんでも言えって言ったけど流石に一緒にお風呂に入るのは世間的にはどうなのだろうか。高校生が幼女とお風呂に入るなんて犯罪のような気がするのだが…
修一「分かった。とりあえずお湯を入れてくる」
ー5分後ー
修一「おまたせ。もう入れるけどすぐに入る?」
アスカ「お、早いな。では入るとるかの」
修一「アスカ…その、俺も入らなくちゃ駄目か?」
親睦を深める意味で風呂に誘ってきた相手に対して失礼な行動だが流石に幼女と入るのはかなり問題がある。
アスカ「何を言っておる?2人の親睦を深めるのに2人とも別々の場所におっては意味がなかろう?」
確かにそうだ。アスカの言っていることが正しい。だが世間のことを考えてくれ」
アスカ「もしかして緊張しておるのか?安心しろ!わしはこう見えてもお前の何倍も年上じゃ!」
え、そうなの?幼女体系だからすっかり年齢はそこまでないと思っていた。
アスカ「何を長く考えておる!湯が冷めてしまうではないか!早く入るぞ!」
修一「うわっ!」
ドボーン!
考えていたらアスカに服のまま無理やり入らされてしまった。
アスカ「おーやっぱり温かい風呂は格別じゃのう。疲れが取れるぞ」
修一「異世界じゃどんな風呂なの?」
アスカ「主に五右衛門風呂じゃの。金持ちの家になるとこれと同じ奴があると思うが」
修一「異世界の人ってどんな家に住んでいるの?」
アスカ「Motherの周りには大きな街があってな、そこに皆は住んでいる。これが一般的な住民の暮らし方じゃ」
修一「じゃあそれ以外の人たちってどこで暮らしているの?」
アスカ「位が高くなるとMotherの根元に屋敷があるからそこに暮らしておる」
そうなんだ。今の俺の中でのイメージは昭和と中世時代が混ざったような街が想像できる。
アスカ「まだ他にも質問はあるか?」
修一「へっ?」
アスカ「さっきから尋問のように質問ばかりをしているではないか。確かに自分の住んでいる世界とは別の所じゃから興味があるのはわかるがゆっくりと話さんか?あまり早く知りすぎても後が面白くなかろう」
そうだな。ちょっと焦りすぎたみたいだ。異世界の話はいつでも聞ける。俺の今やるべきことはアスカの記憶を戻すこととアスカを元の世界に返してあげることだ。そのことを忘れないようにしないと。
修一「ごめんねアスカ。俺少し焦りすぎたわ。また今度ゆっくり話を聞かせくれよ」
アスカ「反省しておることだし今回は許してやろう。」じゃがまだ知りたそうにしておるから最後に風呂を出てから本が持っている能力を教えてやろう」
何だそれは。かなり魅力的な話ではないか。これは見ずにはいられない。ぜひ見せてもらおう。
ー5分後ー
アスカ「修一、準備はできたか?」
修一「うん、いつでも大丈夫」
風呂を出てからアスカは服に着替えてすぐに術を唱えるためか忍法のポーズをしている。
アスカ「ふぬぬぬぬっ」
アスカが力を込めると周りが地響きを起こし家具が宙を浮いている。
修一「うおぉぉっ!」
アスカ「見たか!これがわしの持つ能力。物を宙に浮かせる能力じゃ!」
これはすごい。どんな重い家具でも天井近くまで浮かび上がっている。そして今俺の乗っていたカーペットが俺ごと浮いている。
修一「すげぇ!本はこんなことができるのか!」
アスカ「本というのはなそれぞれいくつかの能力を持っておる。有名な本ほど沢山の能力を持っておるがわしのような無名な本は能力は一つを維持するのが限界なんじゃ」
修一「いやいや、全然すごいよ!物を浮かせることができるなんてかなりレアなんじゃないの?」
アスカ「いや、わしの持つ物を浮かせる能力は誰でも持つことができる。言わば生まれたばかりの赤子でもこのくらいならできるということじゃな」
修一「そ、そうなんだ.…なんかごめん…」
でも、まさか本の一つ一つに能力を持ってるなんて思わなかぅた。しかも一番下の階級で物を浮かせる能力なんて一番上の奴はどれだけすごい能力を持っているんだろう。
修一「本は最大でどれだけの能力を持てるの?」
アスカ「うーむ、これは説明が難しくてな。まず今わしが持っておる能力は簡単に言うとレベル1の状態で入手できる能力じゃな。これは本自身が有名になると自然と能力が増えていくだから能力の数がいくつまでとはないのじゃ」
修一「そっか。つまりアスカは今レベル1ってことか」
アスカ「うむ。わかりやすく言うとそうなるな。ただ本には一つだけ変わった能力を持つことがある。その能力は本に書かれている能力じゃ」
修一「えっと、つまりどういうこと?」
アスカ「例えばわしが火のことに関する小説が書かれている本だとする。そうすると生まれた時からわしは火の能力に特化した本になるのじゃ。わしらはこの能力のことをユニークスキルと呼んでいる。」
修一「アスカにはそのユニークスキルは使えないの?」
アスカ「ある程度察しがついていると思うがわしは今自分の記憶を失っている。だから自分がどんな内容の本かわからないためユニークスキルを使ことができないのじゃ」
そうか、だがこれは有力な情報だ。アスカが自分の記憶さえ思い出すことができればユニークスキルを使って元の世界に返すことに加担できるかもしれない。そうなるとどうやったら使えるようになるのかわからないといけないな。
修一「アスカのユニークスキルは記憶を思い出したら使えるようになるのか?」
アスカ「結果から言うとそうじゃな。だが今は手掛かりが何もないためどうすることもできん」
確かにそこが問題だな。アスカの記憶を探すことは明日から行うしかないか。だが最初にどこへ行くべきだろうか。何の手掛かりもないから本屋に行くにしてもどこから探せばいいのか…
修一「アスカ…」
アスカ「なんじゃ?」
修一「お前のその話し方は生まれつきの癖なのか?」
アスカ「そうじゃな。確かに物心がつく頃には既にこの話し方じゃったな」
じゃなじゃな…アニメとかではこの話し方は珍しくはないが本になると…ん!?
修一「分かった!!」 アスカ「ビクッ!!」
アスカ「な、何じゃいきなり叫びおって何がわかったんじゃ?」
修一「少しだがお前の記憶を取り戻す手掛かりができたかもしれない!」
アスカ「本当か!?で、何じゃ!?」
修一「まだ断定はできないから明日本屋に行ってから教える」
アスカ「そうなのか?まぁ期待せずに待っておるぞ」
まだこれは予測なのだがアスカは…
今回はここまでです。
最近何かとトラブルが多かったため更新がかなり遅れてしまいました。申し訳ありません。
次回はもっと早く更新するので次回もご期待ください。
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