この狂った世界を止めるには学生の力がいるのかもしれない

茶丸

プロローグ

今日も煙で覆われた空の下を通らなければならないのか。
そう思うの高校へ行くのも欝になってくる。
もう1年も経っているというのに未だに慣れることはない。
私「和泉 小夜」は大きな溜息をつき家を出る。








今日も煙は耐えることはない。
青空というものなど忘れてしまったものだ。
どんな色だったのか。
今きっと青空というものを見たら美しすぎて目が眩むだろう。
1年という月日は当たり前を忘れ去ってしまうのか。









一年前

今日は雨が降っていた。霧雨のような細かい雨だ。
それに秋だというのに寒いと感じてしまう。
「なんか上に羽織ってくれば良かったなぁ..」
つい、口にしてしまった。
自分と同じ方向を通る会社員達はコートやマフラーをつけて、手がかじかまないよう手袋をしていた。
まるで冬の早朝の様な光景だった。

ひたすら高校へと向かう途中何台か救急車が通っていた。
それもあまりにも多すぎる数だった。
歩いて15分ほどの道で、数十台通ることはあまり無いはずなのに。
しばらく歩いて居ると人だかりが見えた。
少し時間に余裕があったためその人だかりによって行った。
だがしかし、あまりにも鉄くさい。
鼻に残るような嫌いな臭いだ。
鼻を摘みながら寄るとそこには____

「な、なによ....これ...」


元が人間であったことなんておかしいと思うような赤黒い塊が辺り一面に広がっていた。
軽く50体ほどは転がっているだろう。
もう救急車なんてレベルではないというのに、次から次へとその人だかりの方へと救急隊員がくる。
「なんてことだ...」
あまりの悲惨さにきっとかける言葉もないのだろう。
ただ佇むことしか出来なかった。
だが1つ共通点している事があった。
それはバラバラになった手らしきものに皆、銃やナイフなどの凶器を持っているということだった。
犯人はこのような小細工をしてまで大量虐殺をしたのだろうか。
そう考えている間に爆発音がした。

遠くの方ではなく近いところだった。
煙が見える。とても高い。炎を上げている。
この街は何があったんだろうか。
周りの人はあまりのことに逃げ惑った。
だが私は何もせずに1人残っていた。
空は雲ではなく、その煙で覆われた。
「曇ってきちゃった...もっと雨が降る前に学校へ行かなくちゃ。」
この街、いやこの世界が狂ったのはこの爆発があってからだった。
各地で爆発が起こる度に煙が増した。
警察は既に手が負えなくなっていた。
このままではきっと世界は滅んでしまうだろう。

「これから君達には世界を止める為に力をかしてほしい!」

そう国家機関に伝えられのはその爆発があってから三ヶ月たった頃だった。

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