Endless・Magic〜終焉に近づく魔法はやがて永遠に終わらない悲劇の幕開けなのかもしれない

水定ユウ

SecondMagic1

あれから二日が経った。一日は様子見のため警戒して学校は休みとなりそして今日から安全が確かめられ学校が始まった。そして現在はこの間の件の生徒総会が行われている最中である。

 「それでは、後の事はお願いいたします」

 
波沢生徒会長の話が終わった。しかし今日これで終わりではなく次なる先生が待っていた。

 「諸君、ご苦労。私はこの学園の理事を務めている鷲尾と言う。君達に会うのは初めてだし、無論人前に出ることも少ないからおそらくこの場で面識のある者も数える程だろう。さて本題だが、この間の出来事についてだ」

 初めて見る鷲尾言う人は、痩せ型の黒い服が似合う若い男性だった。その人は少し台に腕をつき体を預けながら話している。内容はこの間の事だ。

 「実はこの間の事は我々も国の方に問い合わせてはみたものの、分かっているのはあの存在が世界のあちこちで目撃されている点だけだ。そして、あの時には「物理」的な事では倒す事はできない」
 「えっ、嘘でしょ!」
 「そんなのは・・・はっ?」

 周りの人達がざわめく。僕も「物理」的な事は何一つ役に立たないのだと聞いた時、驚いた。つまり奴らには「物理」は効かず「魔法」のみ効くのだと分かる。

 「しかし国も「魔法」に対する関わりを強め、「魔工」を施して対策を取るとのことだ。しかしそれが完全とは言えない以後警戒を怠らないことだ」
 「はい!」

 皆んなが一斉に言葉を発する。それは合わせたわけでも脅されたわけでもなく出た言葉だった。

 「それに伴って諸君らに伝えなければならないことが二つある。二年の者は知っているな「ロシア」より昨日帰国した、御剣諸刃君だ」
 「昨晩戻りました御剣です。一年生は初めてだな。よろしく」

 その姿は若干碧みがかった首筋まで伸ばした髪に日本人特有の黒い双眸を持っていた。少し目付きはきついがイケメンだった。

 「御剣君は我が校の誇る優等生で今年の春先より「ロシア」にて実践的な気象にまつわる「法学」を学んでいたが、今日より副会長としての責務に戻るそうだ」

 まさかの副会長に周りはざわざわとけたたましく騒ぎ立てる。それよりも僕が驚いたのは「法学」についてだ。

 「法学」とは「魔法」と「科学」を組み合わせたもので、その実は最も難しいとされる未来視についてを図るものだ。未来視とは少し先の未来を読み解き、星読みと呼ばれる古代の術式にも繋がるものだ。その実には成功例があまりないがその実を知りたがる者は多いとされている。

 「そして、もう一つについてだが、入って来たまえ」

 少しの沈黙が場に流れる。それは実にして二十秒と言ってもいいのだろうかと思う。その沈黙にその場の誰もが動揺するが、突然扉は開かれる。その扉とは生徒用の後ろにある扉だった。

 「やあやあ、遅れたね。申し訳ないよ。あれ皆んなどうしたのそんな顔をしちゃって?」

 そこにいたのはこの間、と言うよりはほんの二日前にあったばかりの人だった。

 「えっと、初めまして。僕は狼上霧と言います。この度西野先生が長期の休業を強いられたために派遣されてまいりました、臨時の講師です。本職は違いますが一応教師としての資格はあります。それと西野先生の受け持っていたクラスも受け持つことになりましたので皆んなよろしくね。それと僕は人に教えるのは苦手だからその点はあらかじめ覚えておいてね」

 狼上さんはそんな風にみんなを楽しませるような感じの挨拶をした。その風貌は白髪を肩まで伸ばし、癖っ毛を混ざられた長身の痩せ型の人だと今更ながらに分かる。そしてこの人が僕らの担任なのだと知って僕も驚きが隠せなかった。

 「それでは、本日の生徒総会は以上をもちまして終わらせていただきます。静かに教室へと戻り待機してください」

 そんな風なアナウンスが流れたので、事はいつも通りに終わる。しかし皆んなの表情からは楽しそうな表情が浮かべたのだった。

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