心装の戦乙女《ヴァルキュリア》
決意
検査が終わり、小柳さんから一番始めに聞いた言葉が
『おめでとう、君は《ヴァルキュリア》になった。』
…だった。死刑宣告のように聞こえた。
だがそれも当然に思えるほどにあの二振りの刀を手にしている時は身体能力や動体視力が上がることが検査の中で理解できた。
そして、あの刀は俺の意思に答えるように現れたり、消えたりする。「出てこい」と言葉にすると手元に現れる。消えるときも同様だった。
「まさか俺が《ヴァルキュリア》になるとはね…。」
「ホントだよ、前代未聞で国防軍も騒がしくなったよ。」
小柳さんが苦笑しながら答える。
「君の存在はいずれ国内外に知れ渡ることになる。これからは大変な人生になるだろうね。」
「はぁ…どうしてこうなった…。」
「気落ちしているとこで申し訳ないけど、君の処遇に関してお知らせだよ。
君には学生の《ヴァルキュリア》が集まる《社宮学園》に入学し、そこで教育や戦闘訓練を受けてもらうよ。」
「社宮学園…、《ヴァルキュリア》の為の学園…。」
「そう。そして一定以上の実力を身に付けたら実戦にも出てもらう。」
実戦…。この言葉を聞いて虎のマガタと戦闘を思い出す。あんな危険なことに身を投じなきゃならないのかと思うと、一気に不安が募る。
「あくまでも一定の実力があり、実戦に出ても問題は無いという判断を受けた生徒だけだよ。」
表情に出ていたのか、小柳さんは諭すように声を書けてくれる。
「でも君は大型マガタをたった一人で倒した。これは直ぐに学園の教師陣に知られる。そうなると実戦はそう遠いことじゃない。それに実戦に出る生徒には報酬もでる。悪いことばかりではないよ。」
「別に俺は報酬が欲しいわけでは無いですよ…。
そういえば…俺が《ヴァルキュリア》になって社宮学園に入学することは家族にはどう伝えたらいいですか?いきなりそんな事言われても困るでしょうし…」
「それに関してはこちらから君の同居人の従姉のお姉さん、ミヤさんに伝えた際に…」
『ユウちゃんが…そうですか…。《ヴァルキュリア》になった以上入学は決定事項でしょうし、納得はできませんがしょうがないことですね…。でもあの子は昔、《ヴァルキュリア》だった実の姉を失いましたから…。嫌でも思い出すことになる。私としてはあの子が苦しむ姿は見たくないです。』
「…っと、おっしゃていたよ。君は愛されているんだな…。」
(ミヤさん…そんなことを…。)
自分のことを心配してくれていることが、嬉しく思うと同時に、少しの気恥ずかしさがあった。
ーーーだが、おかげで決意もついた。
「…俺、頑張ってみます。」
「強制的な事とはいえ、本当に大丈夫かい…?お姉さんことだってつらいだろう…?」
「はい…、でもいつまでも立ち止まったままは良くない…俺がそう思ったんです。忘れることはできません
が…。」
「そうか…君がそう決めたなら私から言うことはないよ。」
不安なことはたくさんある、けれど俺のことを思ってくれる人がいるなら、恐怖はない。
ーー姉さん…俺、少し頑張ってみるよ…。
『おめでとう、君は《ヴァルキュリア》になった。』
…だった。死刑宣告のように聞こえた。
だがそれも当然に思えるほどにあの二振りの刀を手にしている時は身体能力や動体視力が上がることが検査の中で理解できた。
そして、あの刀は俺の意思に答えるように現れたり、消えたりする。「出てこい」と言葉にすると手元に現れる。消えるときも同様だった。
「まさか俺が《ヴァルキュリア》になるとはね…。」
「ホントだよ、前代未聞で国防軍も騒がしくなったよ。」
小柳さんが苦笑しながら答える。
「君の存在はいずれ国内外に知れ渡ることになる。これからは大変な人生になるだろうね。」
「はぁ…どうしてこうなった…。」
「気落ちしているとこで申し訳ないけど、君の処遇に関してお知らせだよ。
君には学生の《ヴァルキュリア》が集まる《社宮学園》に入学し、そこで教育や戦闘訓練を受けてもらうよ。」
「社宮学園…、《ヴァルキュリア》の為の学園…。」
「そう。そして一定以上の実力を身に付けたら実戦にも出てもらう。」
実戦…。この言葉を聞いて虎のマガタと戦闘を思い出す。あんな危険なことに身を投じなきゃならないのかと思うと、一気に不安が募る。
「あくまでも一定の実力があり、実戦に出ても問題は無いという判断を受けた生徒だけだよ。」
表情に出ていたのか、小柳さんは諭すように声を書けてくれる。
「でも君は大型マガタをたった一人で倒した。これは直ぐに学園の教師陣に知られる。そうなると実戦はそう遠いことじゃない。それに実戦に出る生徒には報酬もでる。悪いことばかりではないよ。」
「別に俺は報酬が欲しいわけでは無いですよ…。
そういえば…俺が《ヴァルキュリア》になって社宮学園に入学することは家族にはどう伝えたらいいですか?いきなりそんな事言われても困るでしょうし…」
「それに関してはこちらから君の同居人の従姉のお姉さん、ミヤさんに伝えた際に…」
『ユウちゃんが…そうですか…。《ヴァルキュリア》になった以上入学は決定事項でしょうし、納得はできませんがしょうがないことですね…。でもあの子は昔、《ヴァルキュリア》だった実の姉を失いましたから…。嫌でも思い出すことになる。私としてはあの子が苦しむ姿は見たくないです。』
「…っと、おっしゃていたよ。君は愛されているんだな…。」
(ミヤさん…そんなことを…。)
自分のことを心配してくれていることが、嬉しく思うと同時に、少しの気恥ずかしさがあった。
ーーーだが、おかげで決意もついた。
「…俺、頑張ってみます。」
「強制的な事とはいえ、本当に大丈夫かい…?お姉さんことだってつらいだろう…?」
「はい…、でもいつまでも立ち止まったままは良くない…俺がそう思ったんです。忘れることはできません
が…。」
「そうか…君がそう決めたなら私から言うことはないよ。」
不安なことはたくさんある、けれど俺のことを思ってくれる人がいるなら、恐怖はない。
ーー姉さん…俺、少し頑張ってみるよ…。
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