ODA〜ロリコンのヤンデレ系サイコパス〜

ノベルバユーザー12152

第4話

「本当にありがとう、助かったよ」
「頭を上げてください。至極当然の事をしたまでですよ。」

 あっけらかんとして答える。

 あの事件の翌日。ODAは交番でお巡りさんと会話をしていた。

「偶然・・とは言え犯人に遭遇し、犯罪を未然に防いだ上に犯人を逮捕するとは、本当に頭が下がるよ。」

 お巡りさんは何処か含みのある言い方で探りを入れてくる。流石プロである。

「そうですね、偶然・・とは言えあの女の子を守る事が・・・僕は守る事が出来たのでしょうか?」

 呆然と己の手のひらを見つめ、立ち尽くすODA。

 てっきりお巡りさんはここから知略策謀入り混じる腹の探り合いが始まると思っていたので、急に青菜に塩をかけた様になるODAにお巡りさんは動揺を隠す事が出来ない。

 しかし、そこはきちんとした職業倫理を持ち合わせており、人生経験を積んできたお巡りさんがすかさずフォローに入る。

「事件が起こったあの時、私は情けないがそこには居なかったから事の詳細までは分からない。でも、確かに君に助けたれた人がいたんだ。それは紛れも無い事実だ。この職業を生業とする私でさえ何も出来なかったのに、あくまで一般市民である“君”が、君にとっては完璧じゃ無いかもしれないが、一人の人間を助ける事が出来たんだ。それは十分に立派な事だし、誇れる行為だったと私が保証するよ。」

 お巡りさんの言葉。それは紛れも無い本心であろう。ODAを見つめる眼差しがその事を雄弁に語っている。

 ODAは広げた手のひらで顔を覆い、地面に座り込んでしまった。

「何も気負うことはないさ。まだ高校生じゃないか、物事を失敗してしまってもしょうがないよ。まだまだやり直せるんだ。今回が君にとっての失敗でも、何がいけなかったかをしっかりと考えて、次に生かせばいいんだ。」
「お巡りさん・・・」

 今だ地面に座り込み肩を大きく震わせ、弱々しく答える。

「それに、私が付いている。もしもまた何かあれば必ず私が力になろう。」
「お巡りさん・・・僕、僕は・・・」
「ゆっくりでいいよ。どうしたの何が言いたいんだい?」

 ODAは何度も「スーハースーハースーハー」と何度か深呼をした後に本心をぶちまける。

「ちょっと何言ってるか分からないです。」
「なんで何言ってるか分からねえんだよ‼︎」

 思わず声を荒らげらお巡りさん。

「そう喝破しないで下さいよ。びっくりしたじゃないですか。」

 悪びれる様子もなく飄々とした態度を崩さないODA。こうゆう所が友達に嫌われるんだよ。なあ皆んなもそう思うだろ?そうだって言えよ。

「何が分からなかったのかな⁇おじさん何が分からなかったかがよく分からなかったから、オシエテクレナイカナ?」

 怒りのあまり顔がエライことになっている。顔文字で表すならば、
(#^ω^)ピキピキ
 が最も当てはまるであろう。

「何がって・・・全てですよ。ちょっと手から芳かぐわしい香りがしていたので、少しでもニオイ成分を逃さないために鼻からゼロ距離の位置に手を設置した上で風が少しでも弱い地面付近に移動してこの酸味を帯びた爽やかな香りを堪能していたんですよ。そしたらお巡りさんが、なんかごちゃごちゃ言っているじゃありませんか。」
「・・・」
「いいですか?僕は2つのことを疎かにするぐらいだったら1つのことを一生懸命する主義なんです。ましてや、どうでも良い事とやりたい事があったら、どうでもいい事は即切り捨てるのが当たり前ですよ。」

 至極当然の事を言っているでしょ?と言わんばかりに己の道を行くODA。そこに痺れる憧れるぅ訳ではないので、最早もはや呆れることしか出来ないお巡りさん。こうゆう奴がいるとグループの輪が乱れて、いくんだよ。おい聞いてるのか‼︎お前に言ってるんだよ!わかったら贖罪の気持ちと共にお菓子買ってこい‼︎

 閑話休題それはさておき

 もはや収集のつかないこの状況。お巡りさんは呆れ返っているし、ODAに関しては常人では理解できないであろう言葉を永遠とお巡りさんに説いている。

 だがそこに一筋の光が射し込む。

「おじさんこんにちは‼︎」

 元気よく交番へと少女が飛び込んできた。

 ODAeyeが発動する。身長、髪色、鼻の形など視界から得る事が出来る全てのデータプラス嗅覚から得られるにおいのデータを脳内にあるデータベースと照らし合わせ、新規ロリならば、登録。既存のデータがあればその娘に関する全てのデータを引っ張り出す。この間なんと0.1秒。つまりODAは瞬きすれば幼女、並びに少女の全データを引き出す事が可能なのだ。

 検索結果:昨日の少女

「助かったよ日向。」
「⁇」

 思わず少女にお礼を言ってしまうお巡りさん。ふと我にかえると、失言だった事を自覚してしまいバツが悪いのか、「こほん」とわざとらしく咳払いをしてから、説明に入る。

「紹介するよ。私の姪の日向だ。昨夜君が助けてくれた娘だよ」

 そう、おじさんこと“叔父さん”であるお巡りさんと日向ちゃんは繋がりが有ったのだ。

 そしてようやく日向ちゃんはODAの存在に気付き、トテトテトテと可愛らしい効果音が付きそうなほど愛らしく変態紳士おだぁへと駆け寄って行く。

「昨日は本当にありがとうございました!」

 よっぽど感謝しているのであろう。ヘビーメタリストも真っ青になる程お辞儀をしている。

「気にしなくていいよ。それよりも怪我は大丈夫?」
「ハイ!昨日手当してくれたので、全然痛くないです!」

 ニコッと眩しい笑顔が咲き乱れる。どうやら空元気ではなく、本当に心から笑っている様である。

 ODAは心の中で胸を撫で下ろす。

 そんな姪の様子を微笑ましく見守るお巡りさん。しかし、ここに日向ちゃんは特大級の爆弾を投下する。

「助けてくれたお礼に、私のなんでも言うことを一回だけ叶えます!」

 空気が凍る。子供って怖いね。『なんでも』とか簡単に言っちゃうんだもの。

 ODAの眼球が妖しく輝きを放ち始める。鼻息は荒く、顔は恍惚こうこつとしている。キモい

「なんでもいいよ!なんならお嫁さんにしてとかでも!」
「グハ!!!!」

 ODAは心臓付近を押さえ込み直立したままで、地面へと倒れ込む。どうやらキュン死してしまった様だ。

 だが、そんなODAなど眼中にないのか、お巡りさんが焦った様に日向ちゃんに質問する。

「な、な、な、なんでこんな奴のためにここまでするんだい?それに結婚⁉︎なんでコレと結婚しても良いと思えるの?」
「だって・・・」

 モジモジとしながら照れくさそうに答える。

「強いし、優しいし、かっこ良くはないけど、助けてくれたし・・・」

 現実は非道である。幼いながらも彼女の美的感覚はまともな様だ。

 だが、今度はお巡りさんが心臓付近を押さえ込み直立したままで、地面へと倒れ込む。どうやら純粋に死んでしまった様である。南無阿弥陀。

 すると、入れ違う様にODAがヨロヨロと立ち上がる。鼻血が出ており、顔面がエグい事になっているが、そこは優しさでスルーしてあげよう。

「日向ちゃん。なんでも良いなら、お、お、・・・」

 興奮のあまり言葉がまともに出てもない。そんなODAをいつの間にか復帰したお巡りさんがヤクザさながらのメンチを切っている。

 ーーーー変な事要求したらどうなるかわかっとんのやろなァ?

 お巡りさんが見守る中、ODAはお巡りさんにとっては少し予想外の事を要求する。

「“お兄ちゃん”とこれから呼んでくれるかな?」
「え?」

 どうやら日向ちゃんにとっても予想外だったのであろう、目を丸くして驚いている。

「そんな事で良いの?」
「そんな事?これが良いんだよ僕は」

 不服だったのだろうか、日向ちゃんは若干頬を膨らませている。

「わかった。じゃあ、これからもよろしくね!お兄ちゃん‼︎」

 元気100倍。100点の笑顔がおだの眼まなこに突き刺さる。

「ハウッ」

 満面の笑みでまたしても心臓付近を押さえ込み、直立したままで倒れ込むODA.

 その姿はまるで少女にひれ伏している様で有った。

 ーーーーこうしてODAは自分欲求を満たす為に幼気な少女を量する事に成功したのだった。

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