キチガイ決闘!!

000-555

知らない道は慎重に調べましょう

「おぉーい。誰かいるのかー」
俺は怖さのあまりに何か叫ばずにはいられなかった。
そして、とにかく心細くて仕方なかった。

しばらく歩くと、道が左右に別れていた。
とりあえず何とか理論で右を選んだ。
ほぼノータイムで適当に選んだ。

すると、さらに道が別れていた。今度は左右と前方向である。

俺は前向きな方だし、人生は前を向くもんだし
オレオレ理論で前を選んだ

すると…


ドォーン、という音が鳴り
後ろからとんでもない大きさの岩が
とんでもないスピードで転がってきた。

「うぅぅわぁぁぁぁぁ!!!!」

とっさに俺は走った。とにかく走った。

後ろなんて振り返る暇などなかった。
息が切れるまで走った。口の中は鉄の味だらけだった。

 
「で、出口ィィィィィ!」
ようやく出口に着いた。
出口が狭かったためか、岩は通れなかった。

「ふっ、やったぜ!流石俺!」


「いや、スゴくないから、全然。カッコ悪いぐらいだし。」
後ろから女性の声がした。

どっきりして、後ろを振り向くと
真っ赤なカーペットがしかれた階段の上に
背の高いナイスバディな女性が
スゴく高そうな椅子に座っていた。

「やれやれ、やっときたか( ´Д`)」
その女は、ため息混じりにそういった。
て言うか絵文字やめい!
これ曲がりなりにも小説だろ!?

「小説っていっても別に大した小説でもないんだし、別に良いでしょ」

「いやいやいやいや、何いってんの?マジ何いってんの?つーかドイツもコイツも人の頭ン中のぞいてんじゃねーよ!」

「ふ~ん、そんな口聞くんだ~」

「な、何だよ…」
何故かは分からないが、スゴく焦った。

「私、見た目はこんな感じだけど閻魔大王よ?」

は?閻魔大王?ナイスバディではだけた服着た
オバハンが?

「てめぇ!これでも内のほうじゃあ若いほうなんだぞ!オバハンとかふざけんなぁ!」

「いや、勝手に人の頭をのぞいておいてそれはないでしょ」

「うるさいうるさい!お前なんか地獄いきじゃあ!」

「いやいやいやいや!それはないでしょ!」

すると、どこからともなく現れたメイド服のお姉さんが来た。
「落ち着いて下さいませ、大王様。たかが主人公気取りの中学坊主に取り乱さないで下さい。」

何だとコイツ!しかも黒髪の美少女キャラなせいか
何かスゴく怒りにくい!

「まぁ、美少女だなんて…ありがとうございます」

だから、さっきからみんなのぞきすぎなんだよ!

「嫌だって口から出てるし…」

こぼれてないから!流石に今はこぼれてないから!




「さて、何から話そうか。そうだな、君にはとある大会出てもらいたい」

「どんな大会ッスか?」

「だから口の聞き方…、まぁ良いか。その大会はとある方が主催でな。目的はただひとつ」


俺は一瞬、生唾を飲んだ。初めての緊張感だった。



「暇だから、らしい」

「え?もういっぺん言ってくれません?」



「だから暇なんだってば。私は仕事いっぱいだけど、ああいう方々はとにかく暇なのよ」

「ダメな人間たちを集めて更正しよう、というのが表向きの目的なんですがね」
と、メイドが付け足した。

俺ダメ人間かよ。

「私の名前はメイドじゃなくて冥土の冥と書いて、メイと申します。名前が安直なのは作者のせいです」

いやメタいメタい。つーか、また読まれてるし。でも何かもういいや。

「で、何すんだ?」
ここから少しずつワクワクし始めてる自分がいた。

「…主催者がお前に似て…いわゆる中2病というやつでな。カードバトルがお好きなそうだ。もちろん他にも色々と催しものをするそうだが」

「いや俺は中2なんだから中2病でも良いでしょ。カードバトルは良いけど、そのカードは?」

「だって大人になっても中2っぽそうだし。カードは競技で決める。URカードはすでに胸ポケットに入っているだろう?それが参加条件だ」

「ちなみにあなたが選ばれた理由は、バカっぽいし、モブキャラに最適だからだそうです」

「ちなみに、道によっては元の世界に帰れたんだがな。もしくは穴に入らなければ。でもお前は知らない道に入った挙げ句、慎重にも選ばなかった。その時点でバカ決定だな(笑)」


「マジかよ…」

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