地味って結構辛いんです!

メノウ

転生前

暗いです。
鬱になるんじゃないの?って位。
それでも読める!読めるぞぉぉぉぉ!
って方は、どうぞ!本編へ!




瑠璃side

「はぁ……」

今日はもう何回目かもわからないため息をつく。
最近ため息が増えてきたなぁ…
中学に入って、勉強が難しくなって。
運動もできなくて、なんの取り柄もなくて。
他人を見ると、嫉妬と劣等感で心の中がぐちゃぐちゃになる。
そんな自分が嫌で。
いつの間にか人が信じられなくなってて。
盗みも、自傷もして。
そんな風になってしまった自分を鏡で見るたびに苦しくなって。
落ち着いたと思って前を見ると、鏡が割れていて。
2年になってからは、休みがちになって。
挙げ句の果てには不登校になって。
ゲームして、音楽聴いて。
学校に行く努力もしないで。

あぁ…
何回こんなすればいいのかな。
何回こんなことをすれば、この生活から抜け出せる?
なーんて、答えなんて出るわけないのに自分に問いて。

ラノベみたいに転生なんてできたらなぁ。
やり直せるのに。
なんでこんな風になっちゃったんだろう。
もうやだな。

そう考えると、自然と足が動いていて。
計画していたからか、足は迷いなく進んで。
ほら、気付いた時にはもう屋上。
皮肉なことに、真昼間なのに誰もいない。
つまり、誰も助けてはくれないってこと。

「もう、こんな汚い世界を(こんな汚れた自分で)見たくない(いたくない)。」

私はそうつぶやいて、重心を前に傾けた。




NOside


高層ビルが立ち並ぶなか、大勢の人が一箇所に集まっている。
集団の中央には、中学生くらいの少女が一人、血を流して死んでいた。
その手には、自殺計画と書かれたノートが一冊。
そこには自殺のための計画ともう一つ。
最後のページにこう書かれていた。


『地味って結構辛いんです。
中途半端ほど嫌なものはないです。
自業自得なのは分かってます。
だからこそ、他人の、世界のせいにしないと生きていけなかった。
でも、自覚しちゃったから。
この世界から逃げようと思います。
ごめんなさい。
もしも神様がいるのなら。
こんな我儘な私を許して。
神様。』

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