星の降る街

ゆるむら

-001‐ 2996年5月24日 PM13:16

ちょっとまだシステムが良くわかってないの、多分こんな感じで良いんだと思うけど。
慣れてきたらもう少しこだわった作り方とかしたいですね。






-ミツバシ:ショッピングモール-
スイーツ店街
フジ=スイーツ:店内


「はぁ!?マジぃ!?」

「マジよ」

「はぁ~…綺香キコカラメリア様ともあろうこの私が、シズキに先越されるとは…。」

「あんた…一応私のが年上なのよ、敬いなさい。」

「年上ったって、たった2年じゃない!それに正式部隊入りしたのはあたしのが先よ!」

「あんたのその行儀の悪さが本命彼氏を作れない原因なんじゃないの?」


二人の女性が店内で大声で会話するも周りに気にする者はおらず、それと同じ程の音量で喋っているであろう他の者の声も聴こえない。

店内はテーブルごとによく見ても分からない程の透明の仕切りの様なものが立っており、それが音漏れを防止してどれだけ騒ごうとも周りに迷惑のかかる事が無いのだ。


二人の女性は大きな器にアイスクリームやチョコレート、クッキーやフルーツなどが乗ったパフェを口に運びながらお喋りを続けている。


「本命ねぇ…あたしだって本命が出来りゃ行儀だって正すってのになぁ~…。」

綺香キコカラメリアと名乗った女性は、はぁ~…。とため息を吐きながら机に倒れふしながらアイスを頬張る器用さを見せ付ける。

「大体今あんた何人と付き合ってんのよ…。」

「付き合ってないけど仲良くしてるのは6人。」


今度はシズキと呼ばれた女性が、はぁ~…。とため息を吐きながらアイスクリームを口へ運んだ。


「…っていうか、よく6人も囲ってられる暇があるわね…ちゃんと仕事してるの?」

「失礼ね!先々週もまた前線に出てたわよ!」


キコは背もたれに肘を置き体を斜めに構えスプーンでシズキを向けて怒った、細く整えられた眉とパッチリとした可愛らしい目を細め、眉間にシワを寄せながら最大限に怒っているアピールをした。


「あんたって素材はいいのに…ねぇ…。」

「はぁ~彼氏欲しいぃ。」

「ダメだこりゃ。」


そう言ってシズキは黒髪のアシンメトリーに切られた前髪の毛先をクルクルと弄る。


「シズキは昔から男にもオシャレにも無鈍着だったのに…そんな可愛い服着て化粧までちゃってさぁ~…。」

「い…いいじゃない別にそれくらい!私だって流石にあのままじゃマズイかなって…。」


控えめなフリルを飾った紺色のチュニックに白いスキニーのパンツ姿で、前髪を伸ばしていな方の耳に三日月のイヤリングを付けていた。
薄くチークとほんの少しのリップを付けた姿は無鈍着とは言えないながらも控えめと言うより、遠慮という感じのする仕上がりであった。

そんなシズキの頬をチークではない赤みが刺すのを見ると、


「はぁ…何初心ぶってんのよ…ヤる事ヤッてるくせに…。」

「んなっ!?……しっ…して…無いわよそんッ…そんな事!!」

「はぁ…あたしも髪型変えたらセックス出来るかしら…。」

「べっ…別に髪型変えてから……やっやっ…やった訳じゃ…無いわよ…。」

「変える前かしっかりやってたと。」

「しっ!?……ッ~!!」


シズキは更に赤くなり、キコはふてくされた。

強い桃色の髪をしたキコは比較的量が多く長い髪をポニーテルにして束ね、通称触角ヘヤーと呼ばれる前髪を二本の指で挟んでどこまで切るかをシミュレーションしていた。


「んで?…もしかして結婚とかするつもりなの?」

「…いや。そのつもりは今の所無いかなぁ…。仕事もやっと良いものが回ってくる様にもなったし、まだまだ体動かしたいもの。」

「毎晩ベットで散々動いてるくせに…。」

「そっ…そんなにしてないわよ!」

「程々には動いてんのね。」

「ッ!?……ん~!もうっ!!」

「はいはい、んで彼は何て言ってんのよ?」


キコはふざけるを謝罪するように体を正面に正し、ノースリーブのシャツにホットパンツという服のせいか少々肌寒そうに腕をさすって聞いて来た。


「無茶な事以外は好きな様にやれば良いって、俺は君の好きな事を応援するって。結婚とかは私が落ち着いてから考えれば良いってさ。」

「はあ~いい彼氏ねぇ…。あんたの彼氏何やってるんだっけ?」

「行政区と開発区を行ったり来たりする仕事。らしい。」

「詳しくは聞いてない訳?」

「聞いても、なんか色々。って言ってあんまり教えてくれないの、しつこく聞いたら行政区間管轄理事会なんとかのなんとか調査レポートをどうのこうのって分かんない言葉喋ってたから、それ以来聞いてないわ。」

「ほーん、結構エリート?」

「多分、私が帰って着たら大体ご飯作って待っててくれるし休みも多いみたい。」

「大当たりね。」

「そんなつもりじゃ無いわよ。」


そう言いながら二人は少し溶けかかったアイスをすくい口へ運ぶ、そしてキコは細長のビスケットを指揮棒のように軽く振りながら話を続ける。


「言い方が悪いけど、万が一にも動けない身体になってもバッチリ保険がある訳よね。」

「まぁね…でも結婚したら女は仕事を辞めなきゃいけない、なんて法律さえ無ければ確実に結婚したいと思ってるんだけど。誰が作ったのかしらこんなルール」


そう言いながらシズキはアイスクリームを頬張る、キコはビスケットでアイスをすくい一緒に頬張る。

「結婚のリスクを考えたらそう簡単には出来ないしねぇ、一度結婚したら別れるのにも色々手続きとか大変だしお金もかかるし。領主に払う税も上がるし、その他諸々考えてもろくな事無しね。ほんと昔からの決まりだとか何とか言いながら結局は上の奴らが搾取したいだけだもん。そう言えば見た!?この前のニュース、交易省のお偉いさんが税金使って人身売買してたって奴!」


キコは一気にまくし立てるように喋り急に話題を変えて来た。

それに対しシズキは心の中で苦笑いをしながらも。


「見た見た、しかも被害者は小さな子供達ばっかりって話でしょ?ほんと汚い連中よねぇ。」

「そう!非力な子供ばっかり集めるド変態よ、しかも使かわれたお金は帰ってくるわけでもないし、犯人のおっさんも行方不明なんでしょ?」

「まぁとっくに圏外には逃げてるんでしょうけどねぇ、それと流石に今回は賞金付きで指名手配されるらしいわよ。」

「まぁ当然よね。」

そう言うと最後の一口を二人は同時に頬張りパフェは底をつた。
キコは椅子に立てかけていた巨大な幅広の大剣を背負い、シズキは小さなポーチを手に取り会計を済ませ、二人は店員に小さくお礼をし店を出ていった。

「シズキはどうするの?この後。」

「そうねぇ…ガンショップ見に行きたい、久し振りに。」

「ほんと好きねぇ…」


そう言って2人は二階のスイーツ街から一階のアーミーズショップ街へと歩いて行く。

シズキが贔屓にしている【タニヤアトリエ】は武器の性能はごく一般的な物ばかりを取り扱っているが、中身はそのまま外装を違う物にしたり、店長の趣味で過去の遺物とも言える古い武器を再現したり、創作武器を開発などをし、見た目にロマンを求めた戦士達やコレクションの為だけにやって来るマニアのたまり場のようになっている。

【タニヤアトリエ】は30年以上続く老舗で、元は街の中にある一軒家で営んでいたが2年前に大型ショッピングモールが完成し、その時にショッピングモールの方から勧誘の話が来て条件がよく作業場も広くなると喜んでその話を受けた、店長のタニヤは今まで以上に趣味に没頭し、多くの客が喜び更に新規の客も引き込み新たな従業員を雇いれてもなお黒字で運営出来る余裕が出来た。

シズキもこのショッピングモールに移動する前からの古参の客で訓練生になる前から通いつめタニヤの美しい職人芸を見て感動してはしゃぎ、タニヤも孫のようにシズキを可愛がり、通常作らない銃以外のアクセサリーまで作ってやる程だった。

シズキは店内に入ると所狭しと飾られた大小様々な作品に目を奪われる。

「はぁ~!!見てよキコ!スナイパーリボルバーライフルだってよ!」

「6発しか入らないんじゃ少なくない?反動とかも強そうだし普通のスナイパーライフル使った方が良いじゃ…。」

「分かってないわねぇ…リボルバーである事に意味があるのよ!」

「…そっかぁ~…。」

シズキ大興奮、キコ消沈。

「スミス&ウェッソン作のPC356じゃない!!私このデザイン大好きなのよねぇ!!あっ!M10も!デザートイーグルの爆裂弾使用に…擬似バンカーバスター弾用デザートイーグル…!!1発20万かぁ…!!」

「1発20万…なんでそんなにするのよ…。」

「そりゃ全部ハンドメイドだし、弾丸自体にロケットブースターが付いてるのよ!これによりどんな強力な装甲だってぶち抜いてやるんだから!」

「…それハンドガンで打つ必要ある?」

「ハンドガンじゃなくてデザートイーグル!!マグナム!デザートイーグルで撃てるからこそ良いんじゃない!!それにこのデザートイーグルも全体のフォルムのバランスを…」

「………。」

キコはほぼ全てを聞き流しながらショーケースに入った作品などを見ていると、

「はっはっは!シズキちゃんはまたお友達を困らせてるみたいだね。」

「タニヤおじいちゃん!」

キコの後ろから声をかけた男性は【タニヤアトリエ】の店長タニヤ ボードウィン本人であり、所々に白髪が出て来たダークブラウンの髪をオールバックに纏め、カイゼル髭を弄りながら声をかけて来た。

「お久しぶりですタニヤさん、シズキが興奮して何を言っているのか分からないので相手をしてあげてください…。」

キコはいつもの態度からは考えられないほど丁寧にシズキをなすりつけた。


「はっはっは!せっかくキコちゃんも来てくれたんだから、2人とも楽しめるような事をしよう!試射場においで、そこで面白いものを見せてあげよう。」


タニヤは自慢げな顔をしてキコとシズキを小さな披露会に招待した。


「おじいちゃんまた新しいの開発したの!天才!運ぶの手伝うよ!」

「おぉ、ありがとう。キコちゃんは先に試射場に行っていてくれるかな。」

「あ……はい……………はぁ~。」

キコはおとなしく試射場へ移動した。


キコちゃん実は処女ビッチ
俺ちゃん実は社畜ッチ

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