妄想おばさん

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食器

昔は食器なんてなんでもよかった。
実家にある食器の一番のお気に入りは、
ヤマザキ春のパン祭りでもらった白いお皿だったおばさん。

ところが、老いていくにつれて、ステキないいお皿が欲しくなって言った。

昔は、たかだか食器なんて、なんでもいいじゃん。

使えりゃなんでもいいよ。

と食器にお金をかける人の気持ちがわからなかったのに。

人間とは不思議だ。

そんなお皿に興味が湧き、ステキなものが欲しくなったおばさん。

しかし、おばさんはど貧乏なので、たまに少しだけオシャレなお皿を買ったところで、
来るはずもない来客用として、大切にしまい込み、
日々使うお皿は、高度成長期にこぞって使われていそうなダサい花柄の百円のお皿だったりする。

根がダサいといいお皿を手にしたとて、
さらりと使うというオシャレが出来ないことに
おばさんは気がついたようだ。

でも今日もおばさんはステキなお皿を欲しがっている。

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