イデアの無双冒険記

ノベルバユーザー110405

全王戦 #19

「イデアと言ったな、さっきの試合で質問がある」
不意に話しかけた男は、1回戦にイデアに負けた
バルトだった。(うわー、何か言われそうで怖いな…)
とポーカーフェイスを保っていたが、
内心はヒビっていた。悟られないように
こちらも質問をした。

「え、えーとバルトさんですよね。
試合の事で質問とは一体何ですか?」と聞き返した。

「あの二刀流…俺に教えてくれないか?」
とバルトはイデアに尋ねた。

(……え?教える二刀流を?)とイデアは、
フリーズした脳で必死に考えた。

「えっとこの二刀流は、自然に身についた技でして
教える事が出来ないんですよ…すいません」と断った。
するとバルトさんは

「ハハハそうか、自然に身についた…か
君は一体何者だい?あの速さと言い体術といい
いろんな意味で君は未知だよ…」と言い終わって
バルトは踵を返した。

「いやー参ったねイデア、バルトさんから
「二刀流を教えてくれ」なんて凄いね君は…」
少々呆れ気味にアルトさんは言った。

さっきの話は事実だ。二刀流が自然に身についた事は
れっきとした事実なのだ。
だからこそイデアは、教える事が出来なかっなのだ。
とバルトさんの話が終わると同時に試合が終わった。

結局試合はソーラさんが勝った。
(どんな戦い方だっけな?)と見ていなかったから、
僕は分からなかった。

「初戦第3試合 トラストvsディアナ 試合…開始!」
すぐに第3試合が始まった。

(トラストは剣と魔法のソーサリーファイターか… 
ディアナは短剣と魔法のショートファイターか…
相性は五分五分だな)と考えた。

ディアナは自らを加速させ、短剣でトラストに
斬りかかった。

(加速の速さと短剣の連撃の合わせか…
なかなか良い使い方だな。)と見ていて思った。
その攻撃が勝負を決した。
ディアナが勝負にか勝った。だがイデアはそれよりも
次の試合に興味があった。なぜなら…

「初戦最終試合 モランvsオランデル  試合…開始!」
モランはオランデルの魔法を、魔法で作った
光の防壁で全て防いだ。
その後モランは眩い光を放った。

「眩しっ!」とアルトは叫んだ。
光が収まるとオランデルは倒れていた。

(何があったんだろうな…)と予測していた。
するとアナウンスが、

「これで全王戦1日目を終了します!
明日で優勝者が決まります!選手の皆さんは
疲れをしっかりと取ってくださいね!」
するとアルトが「やっと終わった」みたいな顔で、

「くぅ〜、何とかイデアが勝ち抜けれて良かったぜ
にしてもイデアよ、次の相手の対策は作ったのか?」

「あ、あぁ一応な」と曖昧な返事をした。
その曖昧な返答を怪しく思ったリツキさんは、

「イデア君もしかして、試合見てなかっただしょう?」
(す、鋭いな…リツキさん)と図星を突かれ、
少したじろいだ。

「まぁそうです。試合を見損ねました…」と
隠さずにありのままを答えた。
答えると「やっぱりね」とリツキさんは笑顔を作った。

「まぁとにかくイデアが初戦勝ったという事で、
高めの所でご飯食べようぜ!」 
とアルトさんが提案した。

「あまり遅く食べないでね。
イデアさんは、明日も早いのだから」とレインさんが
心配そうに僕を見た。
(やっぱレインさんマジ神…)と心で僕は泣いていた。

その夜僕達はイべラル豚を食べた。 
イべラル豚とは油が多いが、くどくならないという
冒険者の中では人気の豚だった。 

「あぁ〜食った食った」と腹を叩きながら
アルトは満腹を表した。

「さぁ今日はもう寝るか…
すいません僕はこれで失礼します…」と言って
ご飯代を置いて宿屋に向かった。

その後レインさんもご飯代を置いて帰った。

「ふぅー全王戦は精神的に疲れるなー」と
弱音を吐いていたら、ドアがノックされた。

(誰だろう?)と思ってドアを開けた。
そこにはレインさんがいた。

「あ、レインさん。どうしましたか?」と聞くと、

「少しで良いんで、時間をくれませんか?」と言われた
(何かやらかしたか?僕)と普段何かとやらかすので、
自虐癖が僕には付いていた。

「正直に答えてくださいね。
イデアさんはこのパーティーに入って、
何かと退屈と感じた事はありませんか?」

「いいえ感じた事ありませんよ。
皆さん楽しそうで羨ましかったんですよ」と話した。
それを聞いたレインさんは、ホッと肩を落とした。

「あとこれは他の人達には内緒にして下さいね。
実は僕はソウルディアの出身ではないんですよ。
ずっと遠い街のヘルトディアという街から来ました」
と本当の事を話した。

「え、あそこはここから馬車でも1ヶ月はかかります
それを歩いて来たのですか?」と尋ねた。

「ちょうど2年前にヘルトディアが襲われてね。
僕は命からがらヘルトディアから逃げたんだ。
魔物を狩ったりしてここにソウルディアに来たのさ
そしていつか、ヘルトディアを救うと決めたんだ」

僕が話した事が衝撃的だったのかレインさんは、
涙を流していた。 

(ま、マズい事を行ったかな?)と慌ててると、 
レインさんは僕の両手を握ってきて

「大丈夫です!イデアさんなら…救えます…よ」と
号泣して話した。
そのままレインさんは寝てしまった。

(えぇ〜?!寝ちゃったし…とりあえず
レインさんの部屋に行くのは流石に無理だからな…
僕のベッドを使うか…)と考えてレインさんを
ベッドの上に起きないように乗せた。

僕は地べたに魔物の毛皮などをのせてその上で寝た。


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