イデアの無双冒険記

ノベルバユーザー110405

全王戦 #16

次の日になって僕らは馬車に乗った。
アルトさんが大きな声で

「忘れ物は無いよな? あったらエラい事だかんな!」
と鼻息を荒らして僕を見た。
(いや僕だけ?!)と見つめられて思った。

「まぁまぁ落ち着いてアルト」とフェルトさんが
助け舟を出してくれた。
すると藁にすがる思いで、

「そ、そうですよ。早く座りましょう!」と
引き攣った笑顔でフェルトさんに便乗した。
すると前から

「じゃあソウルディア行き出発しまーす」と
運転士が言った瞬間に僕を呼ぶ声がした。
振り返るとそこにはリンとクレアがいた。

「イデアさん、これ持ってって!」と差し出されたのは
弁当だった。
 (いやー、本当に癒されるなー萌えるわ)と思うと、

「お客さん早くして下さいな!」と運転士が叫んだ。

「あ、じゃあ行ってくるね」と言って二人の
頭を撫でた。  二人は顔を赤くしてその場を去った。
後ろから視線を感じた。

「モテ男は辛いねー」とからかってきたアルトを
腹パンした。アルトは後ろに倒れ込んだ。

しばらくしてお昼になった。
僕は貰った弁当を食べた。他の4人は前もって
買っていたらしく、それを食べていた。
するとアルトがいきなり、

「なぁイデア、おめーさんは一体レベル幾つだい?」
と興味あり気な顔で見てきた。
他の4人も同じような顔で見てきた。 
説明が面倒くさかったので、
ステータスカードごと渡した。
それを見た4人は沈黙した。

イデア-ロード
Lv274
攻撃力31000
耐性力37000
俊敏性42100
魔法力14700
体力100740
冒険者ランクS 【スキル】剣術の極み 
  剣術の極み    白い光の加護    二刀流

「何だこれ…もう人間じゃないな。
笑うしかないなー…」
とアルトは引き攣った笑顔で笑い出した。

「王戦はこんな化け物に勝たないと無理なのか…」
とアルトはかなり大きいため息をついた。

そんな会話を夜まで話していると、
馬車が急に止まった。

「あ痛っ!何だ何だ何が起こっんだ」と
アルトが一人で騒いでいると、

「おい今すぐ金と衣服を置いていけ
さもないとこの男を殺すぞ!」と男が言った。
(賊か…)と僕は考えた。

「あのー今すぐその人を話さないと、
あなたを逆に殺しますよ?」と僕は愛剣の
【ソード-オブ-シルバーライト】を抜いた。
すると僕の事が分かったのか賊の一人が

「ま、まさかその黒の服装…その白銀に光る剣…
【例外】…く、くそ逃げろー!」
と賊たちは、運転士を離して逃げ出した。

「あ、ありがとうございます!
まさかイデア様が乗っていたとは…」と
運転士から感謝された。

「いえいえ当然の事をしただけですよ」と謙遜した。
他の4人は下を巻いていた。

「イデアさんって顔が広いんですねー」と
レインが言ったが僕は、冷静を保ち

「全王戦の選手は多分もっと広いですよ」と言った。

「ですよね…」とレインさんは引きながら答えた。
フェルトさんとリツキさんはフリーズしていた。
 
そしてなんとかソウルディアに着いた。
その街は街の中でも1位を争うぐらい、
大きくて華やかだった。
僕は「全王戦明日開催!」と張り紙に目が行った。
 
「お祭り騒ぎだなこれ…」と独り言が漏れた。
(それにしても大きいなー、
フリューディアとは全く雰囲気が違うな)
と僕は1位を争うレベルを体感した。

「まずは宿をとるか、イデアも早めに寝たいだろう?」
とアルトが話しかけた。

「そうだね、早く起きた方が体が動くもんね」と
意見に賛同し宿をとった。

僕はソウルディアにとうとう着いた。
明日から行なわれる全王戦のために…!



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