眠り姫、それはとても楽しく切ないモノガタリ

神威

第6話 帰りたくない

私は夢の中が好き。
何だってできる。
現実とは大違い。

いつしか眠り姫の心は「目覚め」を待ってはいなかった。
「永遠の眠り」を当たり前のように楽しんでいた。

人々は魔女を見つけ出し、方法を聞き出した。
その方法を試すも、姫は目覚めない。
何度も。何度も。

でもやっぱり姫は起きない。
人々は魔女に騙されたのかと思った。
ある者は言う

「魔女を連れてきて、魔法を解かせよう」

そう言い、もう一度魔女に会った。

「何か用?魔法は解けたでしょう?」

魔女は不思議そうな顔でこちらを見た。

「姫が起きない。お前が解いてくれるか?」
「起きない?それ本当なの?」
「本当だ。ついてきてもらう」

魔女を連れ、眠り姫の前へ向かった。

「本当に起きてないのね」
「魔法を解いてくれるか?」
「やってみるわ」

そう言い、魔女は魔法を解いた。

「これで解けたはず」

そう言いながら眠り姫の胸に手を置いた

「いずれ起きるはずよ。この娘にその気があれば…ね」

魔女はそう言い残し、去ってしまった。
しかし、みなは大喜び。
眠りから覚めることを楽しみにしていた。

次の日も。次の日も。その次の日も。
しかし眠り姫は起きない。
起きる様子が伺えない。

なぜなら

姫は「夢の中」で生きることを選んだのだから。

「眠り姫、それはとても楽しく切ないモノガタリ」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「童話」の人気作品

コメント

コメントを書く