華のJK1なんだが受験に失敗したので高校に行くのが極めて憂鬱である

霧雨 蘭

小松「今日はまず昨日のテストを返していくぞ」

教室がどっと騒がしくなる

喜雨「蘭ちゃん、テストどうだった?」

霧雨「うーん、まぁまぁ、かな」

まあまあな気がするからそう答えた

小松「こらこら静かにせんかい」

  「特に説明はなかっただろうが、このクラスは特待生クラスだ。入試結果の上から数えて20人がこのクラスのメンバーということだ」

ふうん、

また教室がどよめく

小松「これも言っていないが、このテストは所謂、下剋上テストだ。他のクラスで上位20人に食い込んだ者がいればこのクラスで20位落ちした者とクラスを変わってもらう。クラスメートと顔も馴染んできたところで予告なしの抜き打ちクラス替えは残酷だと思うかもしれない。しかし、特待生として学費・寮費免除という身分である以上、それくらい気を引き締めてくれということだ」

上位20人か、

小松「それじゃ、一位から順番に返却していくぞ」

私が上位20人のうちの一人......?

「一位、霧雨蘭」

へ?

ざっと集まった視線の中央ですっとんきょうな声を上げる私

小松「なにぼさっとしてるんだ。はやく前にこい。次、二位は日向萊呼( リコ )だ」

日向「ひえー、負けちゃったか」

小松「ちなみに入試は日向一位、霧雨二位のワンツーだ。内申点の差があったみたいだが筆記は霧雨の方が一位だったから下馬評通りってところだな。よく頑張った。二人ともほぼ満点だ。これからも頑張ってくれ」

日向「はーい。やっぱり蘭ちゃんがライバルか。よろしく」

霧雨「は、はぁ」

二校も受験に落ちた私が県有数の進学校の特待生で校内テストは一位、主席入学者にライバル認定されている。

さっぱりだ

夢なら覚めてくれ

喜雨「蘭ちゃん、すごいね」

そう言って私の肩を叩く手は温かくて髪の毛からは甘い匂いがする。

現っぽい

テスト返しはというと結局クラス落ちした者は一人もおらず各々が安堵の声を漏らしている

小松「次、委員決めだ。日向と霧雨、君たち学級委員な。あとよろしく。あ、あとオリエンテーション合宿の班決めも済ませといてくれ。終わったら今日は解散な」

そう言って出席簿を担いで教室を後にする担任。

何か打ち合わせでもしていたように自然な風で前へ出る日向さん。




はぁ?

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