華のJK1なんだが受験に失敗したので高校に行くのが極めて憂鬱である

霧雨 蘭

波乱

 ジリリリリリ


    「 うーうぅ 」


    目覚まし時計に叩き起こされて負けじと叩き返す。


    時計を見ると時刻は5時。


    とっても眠い、とはいえ今もう一度眠りについてしまえば今日私の昼ご飯は抜きなうえに遅刻する可能性すら大いにある。


    前にも話したかもしれないがここから学校まで2時間とちょっと。


    8時25分を過ぎて登校すれば遅刻扱いだ。

    余裕を持って8時には学校の最寄り駅には着きたい。

    となると逆算して6時前にはここを出たいというわけだ。


    と要らぬ皮算用をしながら洗面を済ませ厨房... ではなく奥の給湯室に向かう。


    霧雨「 おはよー 」


    ばあ「 あら、おはよう蘭ちゃん 」


    衛生管理的な問題であまり厨房は使わないように言われている。仲居さんやばあ、じいの個人的な料理をする為に給湯室と言うには立派な台所が厨房の裏にある。


    ばあ「 ごめんねー。お弁当ひとつも作ってやれんくて 」


    霧雨「 いやー。そんな。忙しいんだし、それくらい私だって出来るよ 」


    じい「 頼もしい孫で助かるよ」


    給湯室に入り小さな冷蔵庫から食材を取り出す。


    じいとばあはお客さんの朝食準備で忙しいので自分の弁当は自分で作る。


    小、中学校は給食な上ここからすぐ近いのでここまで早く起きるのは中々無いことだ。


    まあ、弁当作り自体は結構やらされていたことはあったのだが。


    うーむ。朝から自分で気持ちを暗くするのも良くない。ただえさえ学校なんて行きたくないのに。この話はやめだ。


    しっかし、間に合うかなぁ


    時計を見ると時刻は既に5時10分を過ぎて分針は今にも15分を指そうとしている。


    慌てて2つめのフライパンを出す。


    中々固まらずフライパンの上でポコポコと空気を吐く卵が焦れったい。


    確かソーセージは作るときに一回火が通ってるはず。


    もうこの際焼かないで入れてしまえ。


    背に腹は代えられぬ。遅刻はまずい。ただでさえ危うい私の社会的地位が底に落ちてしまう。


    刻々と進む時計の針に急かされる


    待てよ。昨日の夜って、お風呂に入った後に何かしたっけか。


    していない。そのまま布団に突っ伏していたら気づけば夢の中はおろか朝になっていた。


    ってことはまさか


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