部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

ご想像におまかせする


今回は久々に甘めです。







俺達は桜の家に着いた。
「すまん桜!!」
「えっ……?」
俺は桜の部屋に入った瞬間土下座した。
「桜には今回色々と嫌な思いをさせて
本当にすまない!!」
「い、いや……私も色々と言い過ぎたし……というか
事の発端私みたいだし……」
桜の顔を見れないが、声のトーン的にかなり困惑
しているのだろう。
「あの時、正直に俺が言っておけばよかったのだが
つい秘密にしたかったというか……」
「いやいや吉晴だけのせいじゃないよ!!
私も吉晴に酷い事沢山言ったし、ビンタしたし……」
「俺が悪かった!!」
「いや私が悪かったの!!」
「俺だ!!」
「私なの!!」
「「俺(私)だ!!」」
と何故か2人で自分の方が悪いという事で喧嘩していた。
「どうして吉晴はそんなにカッコよくて優しいの!!
私ますます好きになるじゃん!!」
「桜だって可愛すぎるだろ!!普通に可愛いんだから
こっちが彼氏としてつりあっているか心配になる!!」
「何よ!!私だって吉晴に彼女としてつりあっていいるか
毎日心配しているんだよ!!」
「いや俺の方が思っている!!
だってお前可愛い過ぎる!!」
「私の方が強いよ!!
吉晴がカッコいいからね!!」
「「ぐぬぬ……!!」」
と俺はとある事に気づく。
(待てよ? 俺達は何を喧嘩しているんだ?
というか俺今何て言ったよ!?
可愛い過ぎるって言ったよな!?)
これ以上、ヒートアップしてしまうと
俺が普段言わない事を言ってしまう可能性がある。
「ちょっとお互い落ち着くか……
俺今かなり恥ずかしい事言ったよな」
とりあえず1度話を区切る事にした。
「そ、そうだね。多分私もかなり恥ずかしい事
言った気がするし……」
桜も恥ずかしいのだろう顔がやや赤くなっていた。
「とりあえず、ごめん」
「私もごめんなさい……」
俺達はお互い謝った。
「というか吉晴は私に隠れてコソコソ何をしていたの?」
「あぁ、それなんだけど……」
と俺はカバンからとある箱を取り出した。
「これ、桜にあげる」
「……?何これ?」
その箱をもらった桜は不思議そうに頭を傾けた。
(ヤバッ……その動作可愛い過ぎるだろ……!!
じゃなかった!!)
「と、とりあえず開けてみてくれ」
「うん、わかった」
と箱のフタを取り外し、開けてみた。
「えっ、これって……」
中身を見た瞬間、桜の表情が一気に変わった。
「ま、まぁそういう感じかな……」
俺は照れくさくなってそっぽを向いた。
「こ、これって私が欲しかったネックレスだよね!?
てかなんで持ってるの!?」
そうなのである。
俺が桜に渡したのはシルバーのネックレスだ。
前にデートしている時に桜が欲しがっていたのを
俺は見逃さなかった。
「それを売っている店を見つけたからな」
このネックレスを売っている店というのは全国各地で
移動しながら売っている店であり、通信販売とかは
一切やっておらず実際に行かないと買えない物であった。
「よ、よく見つけたね……」
「まぁ色々と頑張ったからな」
この店が今までどんな場所に出店していたのかを考えて
情報に強そうな国木田先輩や樋口先輩に助けてもらい
朝一で取りに行った。
……そのため今めちゃくちゃ眠い。
「だからあの時やっと見つかったって言ったんだ……
でもなんでこれを私に?」
「森と凛子さんの件」
「ん?それがどうしたの?」
「いや俺さ、国木田先輩からいない間2人を任したって
言われたのに、凛子さんを危険な目に合わして
かなり落ち込んでいたんだ」
「吉晴……」
「でも宴会の帰り道に俺に言っただろ?
"大丈夫、吉晴が頑張っているのは私が一番近くで
見ているつもりだからね。私を信じてよ、ね"って」
「そういえば言ったね、でも私は普通の事を
言っただけだよ?」
「まぁ桜はそう思うかもしれないけど俺にとっては
あの言葉で救われたというか助かったというか……」
そうだ。
俺はあの言葉で自分の行った行動に少しでも意味が
あったんじゃないかって思える様になった。
「だからこれは俺からの感謝の気持ちだ。
受け取ってもらえるとありがたい、かな?」
「……卑怯」
「え?」
「吉晴はズルい!! 卑怯だよ!! そんな事言われて
ますます好きになるじゃん!! 
なんなの? 私をキュンキュンさせて殺したいの!? 一緒のお墓に入りたいの!?」
「ち、ちょっと桜?」
「こんなプレゼント拒否するわけないじゃん!! 
嬉しいよ!!とっても嬉しいに決まってるじゃん!!」
「ん?これは喜ばれているのか?」
「今すぐ吉晴に抱きついてキスしたいのを全力で
抑えているぐらい嬉しい」
「それは抑えなくていいのでは?
俺は来てくれたら嬉しいし……」
「吉晴ーー!!」
「おっとと」
桜がこっちに突進並みの勢いで抱きついてくるのを
なんとか無事にキャッチする俺。
……本音を言うともう少し威力を弱めて欲しい。
だが
「吉晴〜!! ありがとうーー!! 大好きだよ〜!!
もうもう私の自慢の彼氏さんだなーー!!」
まるで犬みたいに笑顔で抱きついてくる桜を見ていると
痛みも関係無くなるのでまぁいいかと思ってしまう。
「俺も桜が大好きだよ」
「えへへ〜私もだよ〜ねぇねぇ吉晴〜キスしてよ〜」
「分かった。こっち向いてもらえる?」
「うん!!」
と桜がこっちを向いたので俺達はキスをした。
「やっぱりキスっていいね〜
……私以外にしたら処刑だけど」
「しねぇよ!?」
してないのに浮気疑惑をかけられる俺。
「嘘だよ〜吉晴がそんな事しない人って事は分かって
いるから心配しないでよ〜」
「さっきのトーンが結構本気だった気がする……」


それからの俺らはいつものようにたわいもない会話を
していた。
……キスは何回したか覚えてないが。
「あっ、やべ、もう終電近いな」
「あれ、もうそんな時間?」
「そうみたいだ。じゃあ俺は帰るな」
と立ち上がろうとした途端
ギュッ
桜が俺のジーパンを掴んだ。
「桜……?」
「帰っちゃうの……?」
「ま、まぁ終電があるからな」
「嫌だ」
「いや、でも……」
「離れたくない、一緒に寝て?
……お願い」
「あ、あのな俺も男なんだけど……」
今だと色々と自分を抑えられ気がしない。
というか理性の瀬戸際だ。
「私、今日怖い目にあったよね?
1人で怖くて寝れないの
……だから一緒に朝まで居て?」
と寂しそうな顔をする桜。
「あ……分かった。
その代わりどうなっても知らないぞ?」
「うん、吉晴ならいいよ」

この後俺らがどんな風に過ごしたかは読書の皆さんの
ご想像におまかせする。
ただ……
「むぅ……吉晴〜」
寝起きの桜の顔がとても可愛かったという事だけは
報告させていただこう。









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コメント

  • ノベルバユーザー81968

    なんっ....てことだ....
    また、1人童貞が死んでいったぞ....

    10
  • Flugel

    誤字訂正
    たわいもない→たあいもない(他愛もない)

    3
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