部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

逆ギレかい⁉︎










「あっ、そう言えば」
「何ですか?」
「定期入れだ」
「定期入れがどうかいたしましたか?」
「江國さんの定期入れに何が入っているのか
気になる・・・」
さっき聞こうとした時にははぐらかされたんだ。
「えぇ・・・気になるんですか?」
若干呆れられてしまった。
(ヤバイ ︎付き合ってまだ1時間も経ってないのに
いきなり彼女に呆れられてしまったか ︎)
「あ、嫌ならいいんだ」
「いえ、もう別にいいというかもう大丈夫ですね」
と言うとカバンから定期入れを取り出して
「私が定期入れに入れていたのはコレです」
その中身を俺に見せてきた。
よく見るとそれは写真だった。
「これって・・・俺?」
そうだった。
その写真は俺が笑っている写真だった。
何か面白い事があったのだろう
自分でも言うのは変だが良い笑顔だ。
だが・・・
(こんな写真、いつ撮られた・・・?)
「そうです・・・そうですよ ︎
えぇそうですよ ︎文句ありますか ︎」
と俺は何故か怒られた。
「ここでいきなりの逆ギレか ︎」
「いやだって七海が写真をくれるって言うから
仕方なく・・・しょうがないですよ ︎」
「いやいや全然しょうがなく無いからな ︎
てか犯人平塚か ︎」
写真の犯人判明。
あいつ、勝手に人の写真送りやがって・・・
今度会ったや文句言ってやろう・・・ ︎
「そりゃ好きな人の写真をくれるって
言われたら先輩も欲しいですよね ︎
しかもその写真もらったらいつでも見たいですよね ︎」
「いやいや俺、人を好きになったのは江國さんが
初めてだから分からんぞ ︎」
だって今まで人とマトモに話したこと無いしな ︎
「そ、そうなんですか・・・ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ・・・?」
と何故かかしこまる俺ら。
「と、とにかく先輩も私の写真があったら
欲しいですよね ︎そうですよね ︎
そうだと言ってください ︎」
「てか今日の江國さんどうした ︎」
なんかいつもよりはっちゃけているみたいだけど・・・
「と、ともかく ︎七海にノートを見せる代わりに
写真のデータごともらったんですよ ︎
家のパソコンにバックアップも完璧です ︎」
「本当に君は何をしているんだ ︎」
(俺、たまに思うんだよね・・・
江國さんってたまに変に暴走するよな・・・)
いつもは冷静で落ち着いているが
変なところで変に暴走する。
まぁ俺はそれも含めて好きになったのだ。
(そういえば国木田先輩も言っていたよな・・・
あばたもえくぼって)
まさにこういう事を言うのだろう。
「そう言えば先輩の今日の服装って
いつもと雰囲気が違う気がしますが・・・」
江國さんに言われて自分の服装の事に気づく
「あぁ、これか・・・この服は織田からの借り物」
「確かに織田先輩が着てそうな服ですね。
でも何で先輩が着ているんですか?」
「えっと・・・」
流石に告白をカッコよく決めたかったから
という理由を話すのは恥ずかしい・・・
ただ・・・
「私に言えない事なんですね・・・
分かりました・・・」
と寂しそうな顔をしてきたので
「告白でカッコよく決めたかったからだよ・・・
頼むから言わせないでくれ・・・恥ずかしい」
「あ、あ、あぁ〜そ、そうなんですね・・・
へ、へぇ〜そうなんですね・・・」
お互い顔が真っ赤になってしまった。
「だから言いたく無かったんだよ・・・」
「別に服装なんて気にしないのに・・・」
「えっ?」
「だ、だから先輩は普通にカッコいいんですって
事を言っただけです ︎何か文句ありますか ︎」
「また逆ギレかい ︎
とりあえずいい加減帰るか?」
「そうですね・・・疲れましたし」
「ほい、手を出して」
「手ですか?はい・・・?」
と江國さんが出した手を俺は握った。
「か、か、か、か、カップルってこういう事
するんだよな?」
「え、え、えぇしますね普通」
「お、お、俺らもするか」
「そ、そ、そうですね・・・」
俺らは手を繋ぎながら帰った。
・・・かなりオドオドしながらだが。







次回久しぶりに国木田活躍・・・?

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コメント

  • Flugel

    初々しいなぁ羨ましい

    2
  • ミラル ムカデ

    お似合いの二人ですね!

    2
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