部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

走れ‼︎


今回は森視点です







俺と愉快な仲間達こと織田、与謝野、平塚は一緒に
大学まで向かっていた。
「人の視線が・・・恥ずかしい・・・」
「森〜こんなところで照れていたら告白なんて
上手くいかないよ〜」
と与謝野が言ってくるんだが・・・
「いやだって俺とすれ違う人達がみんな
俺を見てくるんだぜ?」
「森先輩って元は良いんですから、ファッションを
ビシッと決めればカッコいいんですよ ︎」
と平塚
「・・・まぁ、確かに森は顔だけは良いよな
ーーコミュ症で台無しだが」
「はい、そこ織田 ︎そういう事言わない ︎
それに関しては一番本人わかっているから ︎」
「あれ凛子からメールだ」
「え、江國さんから ︎」
彼女の名を聞いた途端、一気に緊張が押し寄せる。
・・・この時ばかりは彼女の名を出した平塚を恨む。
「へぇ〜へぇ〜ふぅ〜ん」
と言いながら平塚は俺の方をニヤニヤしながら見た。
「な、何だよ・・・」
「森先輩もやりますね〜わざわざ凛子に大事な話が
あるって呼び出すなんて〜」
「はい?」
俺は平塚が何を言っているのか分からなかった。
「だから今さっき凛子に連絡したんですよね〜
"今日大事な話がある"って」
「へぇ〜森カッコいいじゃん〜」
「コミュ症のお前がそこまでやるようになったか・・・
同期の男子として嬉しいよ・・・」
「いやいや待て待て、俺は今日はまだ江國さんに
メッセージの類いは送ってないぞ?」
「「「はい?」」」
他の3人の反応が被った。
「いやだから俺はまだ江國さんに何も送ってないぜ?
だってさっきまでお前らにオモチャにされてたし」
「・・・照れ隠しじゃなくて?」
「こんなんで照れていられるか ︎
俺そこまで初心じゃねぇ ︎」
(まぁ今心臓ヤバいけどな ︎)
「じゃあ誰が凛子さんに送った・・・?おい、平塚」
「どうしましたか織田先輩?」
「試しに彼女へ電話してくれ
ーー何か嫌な予感がする・・・」
織田がいつにも増して真剣な顔をしていた。
「わ、分かりました ︎」
「吉晴・・・顔が怖いよ?」
「だっておかしいだろ?森があんなに否定していて
でも凛子さんの元には森からのメッセージが来ている」
・・・確かに言われてみれば。
「もしもし凛子?私、七海だよ」
どうやら電話が繋がったみたいだ。
「平塚、悪いけど会話が全員に聞こえる様にして」
織田がそういうと平塚が自分のスマホを操作して
全員が会話を聞こえる様にした。
「何?七海?」
「いや、さっきさ森先輩からメッセージ来たって
凛子から連絡あったじゃん?」
「あ、あれはつ、つい・・・だ、だって私でもどうしたら
いいか分からなかったのよ ︎」
「あ、あのそして凛子さん・・・只今気分が盛り上がって
いるところ申し訳ないんですけど・・・
ーーそのメッセージ、森先輩送ってないって」
「へ、へっ ︎あ、あれ違うの ︎
というか何で七海がそんな事知ってるの ︎」
「だって今森先輩と一緒にいるもん」
「・・・」
江國さんからの反応は無い。
「・・・平塚、お前はもう少し親友の感情を
考えて言うべきじゃないか?」
と織田が諭すと
「あ」
「ちょっと七海ーー ︎貴方何しているの ︎」
「ご、ごめん〜 ︎これには浅瀬ぐらい深い理由があって」
「それって全然深く無いわよね ︎足首程度よね ︎」
・・・うん、江國さん。ツッコミが鋭い。
「流石凛子〜ツッコミが鋭いね〜というか凛子」
「何 ︎」
「さっきも言ったけど、私今森先輩と一緒にいるよ」
「だから何 ︎自慢 ︎私に対する嫌味 ︎」
「さっきからの会話さ
ーー森先輩に筒抜けだよ?」
「へっ?」
「だから森先輩も聞いてるよ?
ーーねぇ森先輩?」
と言われてスマホを渡される俺。
・・・この場合の雰囲気をどうしろと?
とりあえず電話に出てみた。
「は、ハロー江國さん・・・」
「は、ハローです森先輩・・・」
「いや何かごめんね・・・」
「・・・にます」
「煮ます?」
はて、何を煮るんだろうか?
「死にます ︎七海を巻き添えにして私も死にます ︎」
「いやいや待とうか凛子さん ︎」
あっ、これたまに凛子さんに来るやつだ。
「おのれ七海ー ︎見つけたらただじゃおかないわよ ︎」
「・・・すまん、俺は森だ」
「あ、あぁ森先輩じゃなくてですね ︎
あの余計な事を言ったあのバカを・・・
って私は何を言っているのー ︎」
「え、江國さん、落ち着いて。
とりあえず俺は君にそんなメッセージ送って無いぞ」
「そ、そうなんですか?
・・・なると七海がイタズラで?」
「ーー悪い、凛子さん。織田です」
「お、織田先輩?」
「今はどこにいる?」
「今ですか・・・例のメッセージに指定された
場所にいますが・・・」
「今すぐそこから逃げて」
「は、はい?」
「今すぐ逃げろ ︎多分例のクズの取り巻きがそっちで
何かしらしている ︎」
「わ、分かり
ーーち、ちょっと何するの ︎
た、助け」
そこで電話が切れた。
「凛子さん?ちょっと凛子さん ︎」
「おいどうした織田 ︎」
「森はまっすぐ大学に走って向かえ ︎
ここからならまだあいつらも大学から出れない ︎」
「だから何が起きたんだよ ︎」
俺は織田に詰め寄る。
「今、凛子さんが危ないんだよ ︎
とりあえずお前は走れ ︎」
「分かった ︎何かあったら連絡くれ ︎」
と俺は全速力で大学まで向かった。
(頼む・・・何も起きないでくれよ・・・ ︎)
走りながらでも俺の頭は彼女の事ばかりだった。




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