部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

落ち着け私‼︎


今回は森視点で進んでいきます






江國さんと偶然遊園地で会い、遊んだ日の夜・・・

俺は今決断の時を迫られている。
「どうするか・・・」
右手にはスマホ
その画面にはとある人物の連絡先が表示されている。
まぁ、その決断というのは他人から見ればしょうもないと
思われるかもしれない・・・
だが ︎俺には人生をかけた電話なんだ ︎
「よし、次こそは押すぞ・・・ ︎」
と思いながら、今の体勢から10回以上動けてない俺。
というか相変わらずヘタレだな・・・俺。
人とはまともに話せず、人見知りをする。
「はぁ・・・情けないな俺・・・」
何て思っているといきなりスマホが鳴った。
「わぁっ ︎」
俺は慌てすぎて後ろに転びそうになった。
何せ、今俺が電話しようとした相手から電話が
かかってきたからだ。
画面にはこう表示されていた。

ーー江國凛子

「は、はい ︎もしもし ︎」
「す、す、すみません ︎江國です ︎」
と2人とも緊張しすぎたのだろう、声がどもった。
「どうした、江國さん?」
「先輩はお時間ありますか・・・?」
お時間あるかって今から君にかけようとしていたのだから
時間はありまくりですよ。
「お、俺は大丈夫」
「よかった・・・」
と江國さんの安心した声が聞こえた。
「ところでどうした?」
「い、いや・・・特に用は無いのですが
今日のお礼を言いたくてお電話しました・・・」
「いや今日は楽しかったから、俺も君にお礼を
言いたかったんだ、ありがとうな」
「いえいえ ︎こちらこそ ︎」
「いやいやこっちこそ ︎」
と何故か2人で互いに謝るという奇妙な状況だった。
「・・・普通に話すか」
「そうですね・・・」
「・・・」
「・・・」
今度は2人とも黙ってしまう。
あいにくこういう時に的確な雑談を振れるほど
俺はコミュ力は高くないというか逆にマイナスだ。
「「あ、あの ︎」」
同時期に話す俺ら。
「先にいいよ」
「いえいえ ︎お先にどうぞ ︎」
日本人特有の譲り合い精神。
「ハハッ」
「ふふ」
どちらかともなく笑い出す。
(なんだかな・・・江國さんといると落ち着くな〜)
俺は基本的に人見知りが激しく、正直言うと
1人の方が落ち着く。
だが国木田先輩と江國さんは何故か一緒にいても
落ち着くのであった。
・・・何故か国木田先輩も入っているが。
「あ、あの森先輩って嫌いな食べ物ありますか?」
「嫌いな食べ物は特に無いが・・・どうした?」
「い、いえ ︎特に質問の意図は無いのですが・・・
ただ今後の・・・」
最後がごにゃごにゃしていて聞こえなかった。
「今後の?」
「な、なんでもあります ︎」
「なんでもあります?」
「う、うわ〜 ︎間違えました ︎すみません ︎」
「だ、大丈夫かい江國さん ︎」
いつもは落ち着いている江國さんが珍しく
テンパっている。
「こ、こ、こ、この場合のさ、最適解は・・・
うわーわー ︎思いつきません ︎」
「ちょっと落ち着けって ︎一度深呼吸しようか」
「そ、そうですね・・・すー、はー、すー、はー
すみません。取り乱しました、もう大丈夫です、はい」
いつもの江國さんが戻ってきた。
「いや・・・俺は大丈夫だが・・・」
むしろ君が心配だ。
「コホン、とりあえず今日はありがとうございました」
「いやいやこちらこそ楽しかったよ」
「あと1つお願いがあるのですが・・・」
「なんだ?」
「これから、毎日じゃなくても電話しても
よろしいでしょうか?」
「俺でいいのか?」
「あ、はい ︎むしろ先輩しかダメというか
・・・って ︎落ち着け私 ︎」
「俺でよければ構わないが・・・」
「ほんとですね?嘘ついてませんよね?
もし嘘でしたら恨みますからね?」
「怖ッ ︎そこまでか ︎」
「い、いえ ︎決してそういう訳ではありません ︎
と、とりあえずありがとうございました ︎
じゃあ ︎」
と一方的に切られてしまった。
「なんなんだ・・・今の?」
俺は頭にハテナを浮かべた。
「まぁ楽しかったなぁ今日は・・・」

コメント

  • あいす/Aisu

    う〜ん

    2
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