部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

お〜い凛子や〜い

今回は七海視点です。



常村の事件から数日


私は学食で凛子と一緒に
昼ごはんを食べていた。
「にしても意外だな〜
凛子に好きな人が出来るなんて」
「だ、だから気になるだったってば・・・」
そうなのである、目の前にいる
私の大親友江國凛子は
私の先輩の森先輩が好きらしい。
あの先輩、普通にイケメンなんだよね。
・・・コミュ症さえ無ければ
今頃彼女がいても
おかしくは無いんだけどね。
「で、森先輩のどこに惚れたの?」
私はつい気になり更に聞いてみる。
「貴方、いきなり
グイグイ来るわね・・・」
「まぁまぁ話して楽に
なりなって〜」
「話したら余計に大変な気が
するんだけど・・・」
凛子はため息をつきながら言った。
「え〜話してよ〜・・・ってあれ?」
私は凛子の後ろ側に
とある人物が目に入った。
「どうしたの七海?」
凛子は不思議そうに聞いてきた。
「森先輩だ」
向こう側から歩いて来る
森先輩が目に入った。
これはまぁ〜神様が空気を読んだのか
読んでないのか
分からないけど、試しに凛子を見てみた。
「はっ、何それ聞いてないんだけど ︎」
と凛子がいつもの落ち着きは
どこにいったのやら
一気に慌て始めた。
そりゃ気づいたの今ですから・・・
「森先輩〜」
私が森先輩に手を振ると
森先輩はこっちに来た。
「平塚か。お前も学食・・・
ーーってその弁当は先輩お手製か。
相変わらず仲が良いことだ」
「そうなんですよ〜
あっ、でもあげませんからね?
いくら森先輩であっても」
「そんなん取らないよ・・・
俺ってそこまでメシに飢えているか?」
珍しく森先輩が呆れていた。
「いえいえ、失礼しました。
ちなみに先輩は今からお昼ですか?」
「ああ、そのつもりだが・・・
生憎席が埋まっているからな。
適当に弁当を買って中庭で食べようかな
と思っていたところだ」
これはチャンスなのでは ︎
丁度私達が座っている席の隣は
空いている。
・・・やるしかないよね ︎
「森先輩、よかったら
一緒に食べませんか?」
「ちょっと七海 ︎
貴方な、な、な、何言ってるの ︎」
あ、めちゃくちゃ慌てている凛子珍しい。
これは写真を撮るべきだろう ︎
ここを撮らなくていつ撮るのか ︎
「い、いや、お、俺はいいよ。
平塚は友達と食べな?」
森先輩は自分が知らない相手が
いると基本的に一緒に食べたがらない。
普通の人もそうだと思うけど
森先輩のは尚更だ。
「じゃっ、また部活でな ︎」
と森先輩は去っていった。
しかも走っていった。
「あ・・・いっちゃった〜
って凛子?どうしたの〜?」
凛子を見ると顔が真っ赤だった。
「ち、近い・・・」
「え?何が?」
「あの人が・・・」
「あ〜森先輩ね。
さっきまで近くにいたもんね〜」
まぁ走って去っていきましたが・・・
「近い・・・無理・・・
心臓もたない・・・」
「お〜い凛子や〜い」
「近い・・・」
「ダメだこりゃ・・・
完全に自分の世界入っている」
私がこのセリフを言う日が
来るなんて想像しなかったが
まさか言う日が本当に来るとは・・・
しかも凛子に。

この後、凛子が復活するまで
しばらくかかった。
そのため授業に遅れそうになった。
・・・まぁ私は凛子の珍しい一面を
見れたからいいんだけどね ︎




只今この作品のスピンオフ作品である
「私の世界〜部活の後輩と付き合ってみたスピンオフ〜」を連載中です。

もしお時間があれば読んでくださると
とても嬉しいです ︎

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