部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

・・・七海は後で話し合いだよ?

とある日
僕はその日は全休だった。
そのため、家でゴロゴロしようとしていた。
だが・・・
「僕は何故ここにいるんだ?」
僕は何故か本来僕が授業を受けないはずの
キャンパスにいた。
そしてとある教室の席に座っていた。
「まぁいいじゃないですか〜
愛しの彼女がいるんですから〜むしろ役得?」
と隣に座っている七海が言った。
「何がだ・・・帰っていいかい?」
僕が席から立ち上がろうとした瞬間。
ガシッ
七海が僕の腕を掴んだ。
「センパイの薄情者〜‼︎こんな可愛い彼女が
一緒にいるんですよ⁉︎帰るんですか⁉︎
帰るんですか⁉︎帰りませんよね‼︎」
「地味に力強いね・・・
分かった、いますよ・・・」
「やった〜‼︎これで一緒に授業受けれますね‼︎」
「マジかよ・・・」
そうなのである。
僕がこの場所に連れてこられた理由は
七海が受けている授業を一緒に受けることに
なったからである。
流れを簡単に説明すると

僕は朝家でゴロゴロしていた。
→七海に見つかる。
→必死の抵抗をする僕。
→七海の必殺技"上目遣い"が僕に炸裂。
→僕は抵抗を諦めた。
→今に至る。

・・・うん、我ながら彼女に甘いものだ。
「いや〜実は私憧れていたんですよ〜」
「何にだい?」
と僕が言うと七海は笑顔になり
「彼氏と隣で授業を受けることですよ、センパイ〜」
「そ、そうかい・・・」
あまりにも真っ直ぐな答えを聞いてしまい照れてしまう僕。
七海と付き合い始めてしばらくするが、未だに
彼女のこういう真っ直ぐなところは慣れない。
「あれ七海?」
と声がした方を見ると、七海と同年代の女性がいた。
呼び方から考えるに友達だろうか?
「あ、凛子。おはよう〜」
「うん、おはよう七海。
・・・じゃなくてその隣の人誰よ?」
と僕の方を見て、そう言った。
まぁ確かに昨日まで知らない人が友達の隣に座っていたら
変に思うだろう。
「この人、部活の先輩だよ〜」
「ってことは彼氏か」
ってはい?
「いやいやちょっと待ちなよ⁉︎
えっと・・・凛子さんだっけ?」
「はい、そうです。
いつも七海が迷惑をかけています」
と僕に深々とお辞儀をする凛子さん。
「いえいえこちらこそ・・・
じゃなくて‼︎何で僕がこの子の彼氏だと思うのさ?」
「だって七海が授業に連れてくる程仲がいい
先輩って言ったら付き合っている先輩しかいないのと」
と言うと僕と七海を見ながら
「お二人の距離感が明らかに普通の先輩後輩の関係では
無いと思いますが・・・」
「確かに・・・言われてみれば」
「どう、凛子。私のセンパイかっこいいでしょ〜?」
「そうだ、聞いてくださいよ先輩」
「ん?どうしたの凛子さん?」
「七海が先輩の事を日々惚気てくるんですよ」
「ちょっと凛子⁉︎」
「・・・ほぅ、それは初耳だね。
詳しく教えてもらえる?」
「私ってよく七海といるんですけど
大体10分に一度は必ず惚気がきます。
例えば"センパイが作るご飯美味しいよ〜"
"寝ている時の顔、可愛い〜"
"部活の練習中のセンパイかっこいい"
とかですかね」
「僕の彼女がごめんなさい‼︎」
僕は凛子さんに全力で頭を下げた。
・・・隣で惚気られるのはすごくムカつくというのは
僕も彼女ができるまで身をもって味わっていたから
充分分かる。
・・・というかめっちゃ理解できる。
「いえ、私は大丈夫です・・・
彼女の話は楽しいので」
「ありがとうね凛子さん。
・・・七海は後で話し合いだよ?」
「ひぃ・・・勘弁してよセンパイ〜‼︎」

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