部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

そりゃ自然に顔がにやけてしまう訳だ

バーベキューをした次の日、僕らは帰りの支度をしていた。
朝に近くの温泉に行き、汗を流しひと休みした後
車に荷物を載せていた。まぁ載せると言っても
1泊分の荷物なのでそこまでの量は無いが・・・
「2人とも忘れ物は無い?」
「「無いっす‼︎」」」
昼過ぎに僕らはコテージを出て帰路に着いた。

そして僕は家の前に着いた。
ドアを開けるために鍵を取り出そうとしたところ
「センパイ〜‼︎」
「おっとと・・・」
横から何かが僕に抱きついてきた。
・・・何かと言っても正体は分かっているが。
「七海か、ただいま」
「はい‼︎お帰り〜センパイ‼︎
う〜んセンパイだ〜」
と僕の体に頬ずりしてくる七海。
・・・とても暑い。
理由は簡単だ。
夏という事もあって元々気温が高いのと
いきなり七海に抱きつかれて照れているからだ。
女の子の独特の甘い香りや身体の柔らかさ等が
感じる事ができ、色々と危ない・・・
「あれセンパイ?顔が赤いですよ?」
と七海が抱きついた状態から僕を見上げてきた。
・・・うん、上目遣いは反則だよ七海。
彼女だからという事もあるだろうが
やっぱり可愛い。
こんな可愛い子が僕の彼女だという事を
正直今でも信じられない。
「そりゃ、夏だから暑いからね。
さっ、中に入ろうか?」
「は〜い」
とりあえず自分を静める為もあるが
クーラーの効いた部屋に入りたかった。

僕らは部屋に入ったのだが・・・
「・・・ねぇ七海さんや?」
「はい、何ですか?」
「僕は何でいきなり膝枕をされているんだい?」
そうなのである。
僕は今、床の上で七海に膝枕をされている。
部屋に入り、荷物を置いたところを
七海に呼ばれて現在に至る。
「それは私がセンパイを甘やかしたいからですよ〜」
と言って、僕の顔を上から見ている我が彼女。
「僕の顔を見て面白いかい?」
「それはもう〜かっこいいですよ〜‼︎
こんなかっこいい人が私の彼氏なんだ〜
そしてその彼氏に膝枕をしているんだって
思うとつい顔がにやけてますよ〜‼︎」
と言う七海の顔は満面の笑みだ。
その笑顔を見ていると僕もつい顔がにやけてしまう。
(なるほど、これが七海の言っていた気持ちか・・・)
そりゃ自然に顔がにやけてしまう訳だ。
「?センパイ、何か面白い事ありましたか?」
「いや、七海の笑顔、可愛いな〜って思ってさ」
と言うと七海の顔が徐々に赤くなっていき
「も、もういきなり何を言い出すんですか・・・
全く口が上手い人ですね・・・」
と口では文句を言ってはいるものも
口がにやけているのを必死に抑えているのが見えた。
(七海さん、全然隠しれてないよ・・・)
「ってセンパイは何を笑っているんですか⁉︎
私はこれでも怒っているんですよ‼︎」
と本人は怒っているつもりなのだろうけど
全然怒っている様には思えない。
・・・むしろ可愛い。
まぁそんな顔をしているものだから
僕は笑いが止まらなかった。
「も、もぅ〜‼︎私は怒っているのに〜‼︎」
とその後も七海とイチャイチャして、その日は過ごした。

来週からまた大学が始まる。
夏目は夏合宿の件もあり、少しは大人しくなるだろうし
前期程は七海との時間を邪魔されずに済みそうだ。
・・・なんて言う僕の予想は早々当たらなくなる事を
この時の僕は考えは無かった。

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