部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

どこに行くんだい?

昼飯が終わり、午後の練習に入った。
午後の練習では特にこれと言った問題は
起こらずにすんだ。
その後の晩御飯になった。
こっちではまた懲りもなく夏目が
女子関係絡みの問題を起こそうとしたので
同期幹部全員で止めた。

その日の夜
僕はエントランス付近で夜風に当たりながら
休んでいた。
・・・夏目とは3年間にわたり一緒の部活に
所属しているが、そろそろ主将をクビに
した方がいいのではないかと思い始めた。
流石に問題を起こしすぎている。 
今までは先生や監督に気をつかい
しなかったが、そろそろ僕も我慢の限界だ。
「国木田先輩」
「ん?森か、どうした?」
「これあげるっす」
とこちらに何かを投げてきたので
僕はそれをキャッチした。
「缶ジュースか、ありがとうな」
「いえいえ、たまたま余っていたので。
では先輩、乾杯」
「ああ、乾杯」
と僕らは缶同士を合わせた。
「ッ〜〜‼︎
やっぱり、疲れた体に
甘いもんは染みるね〜」
「まぁたしかに先輩
昨日から忙しかったですもんね。
お疲れ様です」
「ああ、確かに色々あった・・・」
台風対応したり、七海と喧嘩したり
また夏目と喧嘩したり・・・
2日目なのに、起こり過ぎだろ。
「そんな先輩に後輩から
プレゼントがあるんですよ〜‼︎」
「森から?地雷要素しかないだろ・・・」
前回の僕のプレゼントの件もあるし
日頃の生活態度を見ているからな・・・
「・・・やっぱり俺の印象って
そんな感じなんですね?」
「分かりきった事だろ?」
「今さら言われると刺さります・・・
とりあえず外に出る準備してもらえませんか?」
と森に促されるまま、パーカーとスマホ
外を出歩く為のサンダルを用意した。
そして集合場所の玄関に向かった。

玄関に着くと
そこには森の他に、織田と与謝野さん
「あっ、センパイ〜‼︎」
何故か我が彼女の七海もいた。
「森、これはどういう事だ?」
「まぁまぁ行きましょうぜ〜」
と森に連れていかれるまま
僕らは歩き出した。
道中で
「センパイ、私達はどこに
向かうんでしょうか?」
「七海も知らないの?」
「そうなんですよ〜
まぁ私はセンパイと一緒なら
どこでも楽しいですよ〜」
「ありがとう」
「ちょっとセンパイ⁉︎
こんな可愛い彼女が甘〜いセリフを
言っているんですよ⁉︎
もうちょっと反応無いですかね?」
「いや・・・そういうつもりはないよ?」
「先輩達、それって倦怠期ってやつですよ〜」
といきなり与謝野さんが割り込んできた。
「ちょっと与謝野さん?
いきなり何を言いだすんだ」
「センパイが私に飽きてきた・・・
ガーン⁉︎」
と七海が目に見えて落ち込んでいた。
「お〜い七海?
大丈夫か〜い?」
「・・・これを気に新たな彼女のキャラを
開拓するチャンス?」
・・・流石、我が彼女。超ポジティブ。
落ち込んでも、次の瞬間には立ち上がる。
「何か心配して損したな・・・」
「フハハ、どうだセンパイ‼︎
これがセンパイの彼女ですよ‼︎
ひれ伏しなさい‼︎」
「ハイハイ〜可愛いね〜」
と頭をポンポンしながら言う僕。
「ち、ちょっとセンパイ⁉︎
な、何しているんですか⁉︎」
「頭をポンポンしているが?」
と頭をポンポンし続けていると
七海の顔がポンって赤くなった。
「ぷしゅ〜」
と力が抜けたのか、僕の方に
寄りかかってきた。
「あらあら平塚がパンクしちゃった。
国木田先輩もやりますね〜」
「そうかい・・・」
「センパイが・・・センパイが・・・
えへへ〜私死んでもいいや〜」
と随分顔が緩んでいた。
「いや死ぬなよ・・・」

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