部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

これまた・・・

夏目と喧嘩した僕は部屋を出て宿の中を
ぶらつく事にした。
「さて、散歩でもしますかね・・・」
と宿の中を暫く歩いていると
「国木田先輩!」
と誰かに呼ばれた。
”先輩”と呼ぶのだから読んだのは後輩だろう。
後ろを振り向くと1年生の司馬君が
息を切らしながらこっちに向かってきた。
「ん?司馬くんか、どうした?」
「とりあえず来てください!」
「・・・また問題かよ」
「すいません」
「今回、司馬君が問題を起こしたわけではないのだろ?」
「はい」
「なら、大丈夫だよ。
ただ・・・面倒くせ」
と思いながら司馬君の後についていった。

司馬君についていったら屋内の練習場だった。
「雨漏りか・・・」
と目に見えてわかるぐらいの雨漏りが発生していた。
「宿の方に聞いたところ、台風が予想以上に強かった
らしくて、屋根が壊れたそうです・・・」
「とりあえず誰も怪我はしてないな?」
「はい」
「分かった。夏目や他の幹部と相談して
今日の練習は考えよう」
「ありがとうございます・・・
先輩の手を煩わしてしまって」
「いいよ、幹部だし。
・・・とりあえずここは立ち入り禁止ね」
と下級生たちに伝えた僕はしぶしぶだが
夏目の元に向かった。

「・・・ふぅ、一つおしまいか」
と僕は宿のエントランスの椅子に座り
くつろいでいた。
夏目や他の幹部と相談した結果
今日の練習は無しになった。
・・・まぁ妥当だろう。
雨漏りがある状態で練習に集中できないし
もし練習中に足を滑らしたら
怪我をしてしまうだろう。
「というか最初から問題かよ・・・」
まさか来て1時間も経たないで
問題が起きるなんて誰も思わないだろう。
・・・この1週間の合宿であと何回問題が
起きるのだろうか。
「駄目だ、頭が考えることを拒否している・・・」
何故か合宿では普通ならありえない様な問題が
起きて、僕は毎回巻き込まれる。
・・・どうやら今回の合宿でも巻き込まれる
のは決定事項の様だ。
といきなり目を手で覆われた。
「誰〜だ? 」
・・・こんな事をする人間は1人だろう。
「七海か、どうしたの? 」
「正解です〜‼︎」
と後ろから抱きついてくる七海。
「こらこら、合宿中だよ?
いつ見られているか分からないよ」
「なら見せつけましょう‼︎」
「するかボケ〜‼︎」
誰が墓穴を掘る事をするか⁉︎
「大丈夫ですよ〜皆さん私達の関係
知ってますからオッケー‼︎」
「ああ、そういえばそ・・・
でもしないよ⁉︎」
危うく頷きそうになったけどさ‼︎
「チッ・・・‼︎さすがセンパイですね。
ならばどうやれば合法的に・・・」
「待て待て、合法的にでもやるなよ?
そもそも合法的にってなんだ?」
「合法的にでなければすいみ・・・」
「わかった。大体の内容は
わかったからもう話すな」
「えぇ〜それをすればセンパイはずっと
私の物になるはずなのに・・・」
「いやいやそれは最早僕の意思
関係無いよね?」
「・・・センパイをずっと部屋に閉じ込めて
おいて、私以外の女子がセンパイに
近づかない様にして・・・ウフフ」
「怖っ⁉︎今の発言ってヤンデレだよね⁉︎」
・・・なんなら途中から声がマジだったよね?
「センパイは私だけを見てればいいんです。
・・・他の子を見たら」
「見たら・・・?」
「毎日センパイの家にピンポンダッシュして
いきます‼︎」
「嫌がらせが地味だな⁉︎
そして小学生か‼︎」
てか未だにピンポンダッシュって文化あんの?
「これを毎朝、センパイの家にやりに行きます」
「なら呼び鈴を切ればいいや」
・・・ピンポンダッシュとは呼び鈴が鳴るから
意味があるのであって、切ってしまえば
意味がなくなる。
「酷いですよ⁉︎私の楽しみ奪うんですか⁉︎」
「傍迷惑な楽しみって自覚あるかい⁉︎」
「センパイなら許してもらえるかなって〜
テヘッ」
「可愛く誤魔化そうとしない・・・」
「えぇ〜せっかく彼女のテヘッ、ですよ
喜びましょうよ〜」
「うわ〜すごい〜可愛いな〜」
「心がこもって無いですね・・・」
「そりゃわざと心込めてないもん」
「センパイの鬼畜‼︎ドS‼︎バカ‼︎あ、あと・・・」
「思いつかないんかい‼︎」
「クズ‼︎変態‼︎お人好し‼︎優しい‼︎かっこいい‼︎」
「・・・前にも言った記憶あるけど
僕を貶したいのか褒めたいのかどちらかに
しないか?」
・・・なんか予想以上に疲れた僕であった。

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