部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

バレてんのかい⁉︎

「か、監督それはどういう事ですか?」
「そのままの意味だ。国木田と平塚が
付き合っているのは部員全員が知ってる」
・・・いやいや待て待て。
バレるようなヘマをしたか?
「国木田達は隠しているつもりなんだろうが
女子部員からは雰囲気でバレバレだそうだ。
とある部員Aからの証言。
"2人がいる時、平塚は国木田と
それ以外の男子を見る時の目が明らかに違う。
そして国木田も平塚を愛しい目で見ていて
バレバレ"
とある部員Bからの目撃証言
”大学からやや離れたショッピングモールで
2人が仲良く手を繋ぎながら歩いていたのを
目撃して、暫く尾行していた”だとさ」
・・・あらま〜何という事でしょう。
お互い隠していなかったと同じやん
というか・・・
「バレてるんかい‼︎」
今まで隠してきた意味なし⁉︎
確かに言われてみれば練習中も
七海の事を見ていたかもしれないが・・・
というか誰だよ部員B。
尾行するぐらい暇なのか!?
尾行するぐらいなら別のことしろよ!
「そして2人が仲良く手を繋いでいるのを
何人もの部員が見ている」
「最早バレバレやん⁉︎」
・・・これ絶対部員から文句言われる
パターンじゃん。
「国木田、大丈夫だ」
「はい?」
「君らが付き合っている事に関しては
殆どが肯定的な意見だからな」
「そうなんですか?」
てっきり別れろコールが来ると
思っていたが・・・
「いくつか意見あってな
"国木田ならいいや"
"見ていてイラッとこない"
"初々しくて見ていてほっこりする"
"バレてないと思っているのが
逆に可愛い"
などなどある」
「聞いていて恥ずかしい‼︎」
てか知ってるなら言ってよ⁉︎
改めて部員の悪意を感じた。
「良かったね国木田君。
部員のみんなが優しくて」
と先生が笑いながら言った。
「まぁ優しいんでしょうけど・・・」
なんか納得出来ない。
そりゃ言わなかった僕も悪いよ?
でもさ言ってくれたっていいじゃん?
「まぁ国木田の人気は部内でも
トップだからな。そりゃ後輩と
付き合っても許されるわけだな」
「国木田君って部員から人気
あるのかい?」
と先生が監督に聞いていた。
「それはもう。ほぼダントツで。
でなきゃ部員一同から嘆願書なんて
来ませんよ」
「ハハ!それはすごい!
国木田君やるな~!」
「あ、ありがとうございます・・・」
「とりあえずは私から各OBには伝えておくから
安心しなさい」
と監督に言われて
「わかりました。
わざわざありがとうございます」
と一安心の僕。
・・・ふぅ、なんとか助かったみたい。
「ところで国木田はこの後時間あるか?」
と監督が僕に尋ねてきた。
「特に用事もないので大丈夫ですが・・・」
「飲むぞ」
「はい?」
「だから飲むぞ。なかなか国木田とは
飲みに行く機会ないからな。
・・・先生もいかがですか?」
「私も行こうかな。国木田君と平塚さんの
馴れ初めも聞きたいので」
「おっ、先生。私も同じこと思ってましたよ」
・・・あっ、これ嫌な予感するぞ。
「さっきも尋ねたが国木田は暇だよな?」
と顔こそは笑っているが、監督からは
無言の圧力を感じた。
「・・・はい、行きます」
この状況で断れるだろうか?
「よし、じゃあ行くぞ」
とノリノリの先生と監督に連れられ
飲み会に行く僕であった。

・・・その後飲み会で七海との馴れ初めを
根掘り葉掘り聞かれたのは言うまでもない。

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